Viola Dream

すみれの花と理想の女性像

 もう10年以上も前の話であるが、私が某農薬メーカーに入社した春、勤務する研究所で新人歓迎
会が行われた。その席で、新人男性5名に対して、『理想の女性のタイプは?』との質問があった。私
は正直に答えたら大ブーイングを浴びた。ここに詳しく書く気はないが、皆に言わせると『明治時代の
イメージ』だったそうな。

 私は理科系人間の多くがそうであるように、『慣習に従って』や『前例に倣って』が大嫌いである。ど
ちらかと言えば新しいものが好きである。しかし、『守るべき伝統』や『良き慣習』もあると思う。日本
人は西欧の模倣に走る傾向が強いが、彼らは自国の文化や伝統を守ることにもっと真剣である。外
見的な物真似よりも、倣うことがあると思うのであるが如何だろうか。

 話を戻そう。最近の女性は一様に綺麗であるし、活発でもある。それ自体は大変良いことだと思う
のだけれど、行儀や言葉使いが悪くなったのもまた事実であろう。もちろん、行儀や言葉使いが悪く
なったのは女性に限らない。それでも、である。綺麗な外見に似合わぬ粗暴な言動にはやはりがっ
かりさせられてしまう。時々見かける高級外車の乱暴な運転に似ている。高級車や美しい女性は、い
ずれも穏やかに振舞うほどに良さが引き立つのではないだろうか。

 素敵な女性を表現する花には、ユリやバラが多用される。すみれ、カタクリのような"おちび"な花
は、人気はあるのに理想のタイプの例えに使われることは少ないようだ。かく言う私も、理想の女性
像を花に例えるならキキョウになるだろう。清楚な紫とすらりとした姿形は凛とした日本女性の理想に
思えるのだが。

 それにしても理想の女性と結婚した人はどのくらいいるのだろう。私の理想の女性像(外見)は、身
長165cm、痩せ型、長い黒髪で瞳の大きな女性、といったところであるが、この内、妻が合致してい
るのは長い黒髪だけである。

 すみれは"おちび"であるし派手さもないが、愛らしい花である。結構、厳しい環境にも耐えて花を咲
かせる強い花でもある。また、次々と種子を産み出す豊かな花である。愛らしい一方で強さを併せ持
ち多産で豊かであることは、女性としても素敵なことだと思う。

すみれは見れば見るほど、知れば知るほど魅力のある花である。結婚はリセットが可能な恋愛と違
ってほとんど一生の問題であるから、結婚相手にするならユリやバラ、キキョウよりもすみれの方が
ふさわしいように思う。

 ところで、私には子供が二人いる。長男は母親譲りの優しく繊細な性格、長女は私に似て気が強く
立ち直りの早い性格である。長男のお嫁さんにはできれば優しい日本的な女性を望んでいるし、気
の強い図々しい女性は嫌だなあと思う。だけれども、気の強い図々しい女性になるであろう長女に
は、優しく包容力のある(長男のような)タイプの男性を望んでしまうのである。

2003年9月14日

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