田母神航空幕僚長、

「侵略国家はぬれぎぬ」論文で解任

 

航空自衛隊トップの田母神たもがみ俊雄航空幕僚長(60)(写真)が「日本が侵略国家だったとはぬれぎぬだ」などと主張する論文を民間企業の懸賞論文で発表したことが31日、分かった。日中戦争での日本の侵略や植民地支配を正当化する内容で、浜田靖一防衛相は同日夜、「政府見解と異なり不適切だ。職にとどまるべきではない」と述べ、同空幕長を同日付で解任した。

 

論文は「日本は侵略国家であったのか」という題で、全国にホテルを展開する「アパグループ」(東京都港区)が、第1回「真の近現代史観」懸賞論文として募集。賞金300万円の最優秀賞を受賞した。…

 

 

空幕長は論文で、「わが国は蒋介石により日中戦争に引き込まれた被害者」と強調。「穏健な植民地統治をした」「多くのアジア諸国が肯定的に評していることを認識しておく必要がある」などと続け、「わが国が侵略国家だったなどというのはまさにぬれぎぬである」と主張している。(2008/11/01-01:36 時事ドットコム)

 

田母神「侵略国家ぬれぎぬ」論文はこちら。(PDFファイル)http://www.apa.co.jp/book_report/images/2008jyusyou_saiyuusyu.pdf

 

さっそく、読ませていただきました。

 

最近、書店に山積みされている、『諸君』、『正論』、『WILL』など、いわゆる「右寄り」、民族派の雑誌の掲載記事によくある内容、といった印象です。大学の史学科の1〜2年生がレポートとして提出すれば、「可」をもらえるかどうか、というレベルです。これが最優秀賞として賞品300万円もらえるのなら、来年は私も応募しようかな…

 

でも、どうして空幕長ほどの権威ある人が、「ホテルの懸賞論文」なのか?

 

たとえば空自の幹部候補生を前にして自らの考えを吐露し、「このことは他言するな。日本が真の独立国になる日まで、胸にしまっておけ」、と訓示すればよかったのです。

 

私も不特定多数の前でしゃべる仕事なので、ずいぶん気を使っています。このHPにときどき書くような本音は、講義では封印します。金正日を逮捕しろとか、日教組をつぶせとか、そういうことは言いません。学生の中には、在日朝鮮人もいれば、創価学会の信者もいれば、親御さんが日教組の先生という人もいるからです。私の仕事は、大学受験の知識とテクニックを伝授することであって、自分の思想を垂れ流すことではありません。(たまに、口が滑ったりしますが…)

 

これが航空幕僚長ともなれば、その言葉の重みは、予備校講師の比ではありません。自分の発言や論文が、社会的、国際的に、どのような反響を呼ぶのかを想定した上で、それを発表するのは当然です。

 

「田母神解任」の報に、国内では民主党・社民党・共産党、朝日・毎日・読売の「東京裁判受け入れ派」が、鬼の首を取ったようなお祭り騒ぎです。

 

中国では、経済成長重視、対日関係重視の胡錦涛派と、親米反日の江沢民派、緊張をあおって軍事予算を確保しようとする人民解放軍との間で、対立があります。今回、中国政府が大きな反発を見せていないのは、胡錦涛派が日本批判を押さえ込んでいるからです。

 

米国では、民主・共和両党の中で、従来どおり日米安保を東アジア外交の基軸にしようとする親日派(アーミテージ、グリーン)と、日本を見捨て、中国に東アジアの覇権をまかせようとする親中派(キッシンジャー、ブレジンスキー、ライス)との対立があります。

 

日本の「空軍」のトップが、「あの戦争で日本は悪くなかった。中国と米国にはめられたのだ」と公言すれば、どのグループが勢いづき、どのグループがダメージを受ける結果になるか? それが、日本の国益になるのか?

 

日本の安全保障で最も重要なのは、米・中を離間、反目させることです。あの戦争で日本が負けたのは、米・中が手を組んで日本が孤立したからです。ロシア(ソ連)と手を組んでみたが(日ソ中立条約)、最後はロシアにも裏切られました。むかしも今も、日本は、戦略がなさ過ぎる。

 

辞任した中山国交相や、今回解任された田母神空幕長が、愛国者(パトリオット)であることは認めます。しかし彼らが、「本音を吐露すればわかってもらえる」などと考えているとしたら、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、 われらの安全と生存を保持しようと決意した」という、あの日本国憲法と同じ、生ぬるい考えだと断罪せざるをえない。

 

かつての日本兵は、敵の圧倒的な火力に向かってバンザイ突撃を繰り返し、屍しかばねの山を築きました。個々の兵士の勇気は称えますが、戦術としては大失敗です。加藤紘一や山崎拓のような即刻辞任すべき売国奴がいつまでも職に止まり、中山国交相や田母神空幕長のような愛国者が、「バンザイ突撃」をして散っていくのを見るのは、正視に耐えません。

 

081102更新)

 

 

「政府見解と違う論文を発表した」として解任された田母神(たもがみ)前空幕長が、参議院の外交防衛委員会に参考人として呼び出されました。

 

参議院インターネット審議中継http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/library/result_consider.php

 

どこかの国に首根っこをつかまれた国会議員たちが、同じように首根っこをつかまれている浜田防衛大臣に対し、

 

「なぜ懲戒免職にしなかったのだ」

「なぜ退職金を出すのだ」

「任命責任は誰が取るのだ」

 

…と、事の本質から離れたことを、ねちねち、ねちねちと追及。浜田防衛相も、ぐだぐだと、意味のない答弁を繰り返す。共産党の質疑は、比較的おもしろかった。

 

田母神(たもがみ)前空幕長に対しては、北澤委員長(民主党)が、

「ここはあなたの個人的見解を述べる場ではない」と発言を封殺。(だったら呼ぶなよ)

 

先の大戦の意義について論ずることが、それほど怖いのか。

 

田母神(たもがみ)前空幕長は、

 

「憲法改正、集団的自衛権の行使は必要」

「懲戒免職されて、私の何が悪かったのかを、審理してもらったほうが良かった」

「日本の国をいい国だった、といったら解任された。これはおかしい」

yahooの世論調査 では58%が私を支持している。国民に不安を与えたことはない」

「政府見解(村山談話)による言論統制は、おかしい」

「日本が悪い国だ、悪い国だ、と言われたのでは、自衛隊は士気がどんどん崩れる」

 

この人は、子どものようにまっすぐな人です。大人には、こういう発言はできません。

 

「王さまは裸だ!」と叫ぶ子ども。

「そんなことを言っちゃいけない」と、おろおろして黙らせようとする大人たち。

 

「良識の府」参議院での、このこっけいな情景は、いまの日本の縮図です。

 

田母神氏は、いまや民間人になられたのですから、発言の制約はありません。時間もできるでしょうから、歴史をよく勉強し、理論武装していただきたい。そしてこの猿芝居を終わらせるため、頑張っていただきたい。

 

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