
東岳山妙楽寺は嘉祥年代(850年頃)に慈覚大師の創建と言われ、中世には東国修験、密教の一大拠点となっていました。 本堂に重要文化財木造大日如来をはじめ鉈彫り毘沙門天、不動明王等が安置され荘厳なる藤原文化と歴史の重さを感じさせてくれます。
また山内に日吉神社があることから関東地方の比叡山としても機能させようとしていたのがうかがえます。
”重要文化財木造大日如来坐像” 当山の本尊大日如来坐像は胎蔵界の丈六仏であり、県内の古彫刻として最も大きく、東日本においても格別の大きさと荘厳さを誇っていると言えます。像は関東地方の力強い特徴を色濃く出しており全体的にふくよかな作りで太い腕や厚い胸、黒漆の堂々たる重量感を感じます。 流麗な衣文は平安後期の中央様式の特徴を残しています。 体内からは火界呪と慈救呪が見つかっております。 飛天光背はその後、補作され現在に至っていると言われています。 尚、材質はカヤ材の一木造と言われていますが、専門家の間でも意見の分かれるところなので、これからの調査次第では変わってくるかも知れません。
”県有形文化財木造荒彫毘沙門天像” 大日如来坐像の脇待として安置されている関東地方に多く見られる特徴をもつ木立像。 ”荒彫”とは関東に多く見られるノミ目を残した造りであり、完成体かどうかは意見の分かれている所ではあるが、やはり荒々しく、力強い点で見るべき所の多い仏像であると言える。 この毘沙門天は”鉈彫り”と呼ばれる技法で作られており、やはり荒いノミ目を残している。 完成体かどうかは不明と書きましたが、京文化が派手な暮らしを楽しんでいる中、武士達が質素な暮らしをしながら力をつけていった頃の力強さを窺い知ることができる魅力ある技法だと思います。 (173センチメートル カヤ材 一木造)
”県有形文化財木造不動明王像”
この仏像も本尊大日如来坐像の脇侍として安置されており、鉈彫り毘沙門天とは又違った魅力のある仏像です。 こちらの不動明王は表面にノミ目は残っておらず、平滑に仕上げてありますが、やはり大きな頭部、ふくよかな顔、腰を捻るさま、力強い身体等、平安後期の関東の仏像の特色を強く残しています。 本尊より少し古い11世紀頃の作と考えられています。
(178センチメートル カヤ材 一木造)
”県有形文化財木造彩色毘沙門天像”
当山に3体ある脇侍のなかで唯一彩色されている仏像です。 ほかの2体と同じ特徴としては捻られた腰、力強さ、等が挙げられると思います。 この毘沙門天像は四天王のうちの多聞天として造られたものと考えられています。 (176センチメートル カヤ材 一木造) 尚、この毘沙門天像は現在、睦沢町歴史民俗資料館に貸し出しております。 ご覧になりたい方は資料館にお問い合わせ下さい(0475−44−0211) 以上、3体の脇侍を紹介いたしましたが、関東地方特有とも言える荒彫り彫刻は見た目の荒々しさしさが憤怒の相を表す天部の仏にこそ相応しい非常に魅力ある技法であり、この技法のファンが多いのもうなずけるところであります。
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