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みなさんは、撥水加工(はっすいかこう)という言葉を聞いたことがありますか。言葉どおり、「水をはじく加工をする」という意味です。最近ではこの撥水加工がいろいろなものに、加工されるようになりました。着物も例外ではなく、よく手入れが簡単ということで、進められるのではないでしょうか。
一般に知られている名では「パールトーン」「スコッチガード」など、その他に違う名前でもたくさんあります。(現在、スコッチガードは製造中止です)名前は違っても基本的には「水をはじく加工をする」ものです。しかし、それぞれ違う会社?製造元?が違うので、同じ効力、同じ持続性というわけではありません。価格もそれぞれ違うし、加工後のメンテナンスもそれぞれです。
そこで問題になるのが本来、絹がもっている風合いとか、天然繊維のよさ、というものが加工することによって損なわれるか?ということです。
私がいままで経験してきたり、着物のお手入れの専門家に聞いたことを総合するとそのような状態になったことはありませんし、ないそうです。ただ、加工するわけですから、絶対ということは言い切れませんし、前述したようにメーカーがそれぞれ違うわけですから、そのメーカーの努力の違いでその信用性は大きく左右されます。
それではなぜわざわざ、そのような加工をするかというと、着用後のメンテナンスが非常に楽なのです。出かけた時の安心感もあります。お手入れにかかる値段も最小限にとどめることもできます。
しかし、問題もあり、撥水加工をした着物の、染め替えです。染色を専門の私の考えでは染め替えはあまりお勧めできません。無理だということではないのですが、完璧に撥水加工を取り去ることはできないと思っています。着物の地色を染める引き染め、浸し染めなどは、いろいろある加工のなかでも非常に微妙で難しいものなのです。そして、染めの難がでると直しが難しくなります。結果的に直っても最初のイメージとはかなり違ったものになりやすいのです。何の支障もなく、うまく染まることもあると思います。そのパーセントまではわかりません。
撥水加工の技術ができてからまだ年数が浅いので、加工された絹のサンプルの50年後、100年後、またはそれ以上経過すると、どういう状態になるかは、現在の時点ではまだわからないのではないでしょうか。
ですから、着物に撥水加工をするか、しないかは購入された方の使用度や使用目的、着物の価格、お手入れにかけられるか値段、後にその着物をどういうふうに利用するかで考えていけばよいと思います。
最後に私の考えでは、その着物をよく着られるのであれば、加工はしておいたほうが良いと思います。購入しても頻繁に着ない、お手入れがよくできる方、何年か後に、染め替えの予定がある方は加工をしないほうが良いと思います。これらも考慮して判断してください。
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