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パーキンソン病の運動障害が網膜細胞移植により改善









 

 


        米国Archives of Neurology 誌2005年12月号より

       パーキンソン病の運動障害が網膜細胞の移植により改善


Archives of Neurology200512月号に、Alabama大学神経病学のN. P. Stover博士からパーキンソン病の運動障害が網膜細胞の移植により改善したとの報告が掲載された。

これによると、安全で許容性の高いヒト網膜細胞の移植により、パーキンソン病の運動症状が改善されることが予備的研究により示唆された。

ヒトの網膜色素上皮細胞(Human retinal pigmented epithelial cell)はレボドパを作る機能を持ち、死後のヒト眼組織から容易に分離することが可能で、簡単に培養でき、長期間凍結保存することができるという利点がある。

そして、マイクロキャリアと結合させて脳内に移植することができ、特に免疫抑制治療を行わなくてもその細胞はかなりの期間生存が可能であるという。

このような移植によりパーキンソン病の動物モデルで運動障害が改善されたという前臨床的研究に基づいて、Stover博士らは、ゼラチンマイクロキャリアと結合させたヒト網膜色素上皮細胞を片側の脳に移植した効果を評価するためオープンラベルのパイロット研究を行った。

6人(年齢の中央値52.2歳、病歴平均10.2年)の進行したパーキンソン病患者が脳内にこの細胞移植を受けた。
患者らのオフ状態での
UPDRS(統一パーキンソン病評価尺度)の平均値は118であった。

MRI
誘導による定位機能手術により各患者の症状が重い側と反対側の脳の後交連被殻に約325.000個の網膜色素上皮細胞を5つのスポット に分けて移植した。
免疫抑制剤は用いなかった。

術後
MRIですべての患者で正確な位置に移植が行われたことを確認した。
その後の経過観察でも炎症や拒否反応の所見は認めていない。
1人に小さな脳内出血が見られたが重大には至っていない。

移植後1, 3, 6, 9, 12, 15, 18, 24ヶ月めに有効性の評価を行った。
現在も年
1回のフォローアップを行っており、今後も継続する予定である。

博士らは
「移植細胞は許容性が高く、移植後
12ヶ月の時点でオフ状態でUPDRSで平均48%の改善が認められ、24ヶ月間持続した」
と報告した。

「改善は日常生活動作(
ADL)、生活の質(QOL)、運動症状の日内変動においても認められた。オフ状態でのジスキネジアは認められなかった。」
と述べている。

「このオープンラベル研究で認められた運動症状の改善と許容性に基づいて、効果をより客観的に判定し、安全性を評価するためにランダム化した二重盲検でプラセボを対照とした研究がすでに開始されている」
とのことである。

その理由として、
「この結果は比較的若い患者で得られたもので、老年の患者では同様の結果が得られない可能性がある。また、対照群がなかったので、このオープンラベル研究ではプラセボ効果が働いている可能性がある」
と指摘している。


http://www.rxpgnews.com/research/aging./parkinsons/printer_3009.shtml

(記事作成:よしこ)
 
                                          2006.3.6作成

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