モリモト氏、15年ぶりに、舞台に立つ!

『エキスポ』チラシ

無事終演いたしました、ご来場ありがとうございました

神戸ドラマ館ボレロ




兵どもが夢のあと

 すばらしいセット

2011年・神劇まわり舞台『エキスポ』奮戦記

【2011年9月9日(金)〜11日(日) アートビレッジセンターにて4回公演無事終了】

 6月末、家でビールを飲んでほろ酔い気分の所に突然電話。電話はたいてい突然ですが・・・。かつて、四紀会という劇団で一緒だったAさんから「9月の芝居でひとり役者が足らんのや、もりもっちゃん、出てくれへんか〜?」聞くと、稽古日は火・木・土・日とのこと。「私、8月後半は全然稽古に行けませんよ!直前に役者がいないのは、稽古に差し支えるでしょう?」と一応断るも、「台本だけでも見てくれへんか?」ということで、翌夕方、大倉山の劇団ボレロの稽古場へ。震災後は珍しくなった、非常にレトロなビル。早い話、恐ろしいほどのおんぼろビル。びっくりです。ここで同じく四紀会でお世話になった、Mさんと再会。もう15年以上ぶりです。「火曜日はボウリングの試合、木曜日はバンドの練習日、おまけに8月末はほとんど土日もダメ、ちょっと無理ですよね・・・」とここでも一応念を押して断る。しかし、Mさん、「それでもええ」と断言。Mさんは今回の作品の演出家です。制作担当のYさんも現れ、「フルネーム、書いといて!チラシに載せるから!」「え〜っ!俺まだOKしてないで〜」こんな調子でその日は台本をもらって帰りました。さっそく読んでみると、えらい面白い。ちょっと吉本風なところもあり、私好みのドタバタ喜劇。ええなあ〜。但し、方言はどないすんねやろ?小道具の時代考証もややこしそうやな。おまけに私はオカマ役。色々な危惧が頭をよぎりながらも、もうオカマの宝田を創造し始めている。
 2週間ほど、バタバタしていて、ほったらかしのまま、7月5日、初めて稽古に参加。主要な役者さんは、もう1か月以上前からやっているようなので、その中へこれから溶け込んでいくのは、なかなか大変。とはいえ、4回・5回と稽古を重ねるうちに、『エキスポ』軍団の一員としての意識もはっきりしてきました。今回は出演者が多いので、台詞の少ない私は、稽古欠席者の代役をしている時間の方が長い。だんだん、自分の出番がどこかわからなくなってくる。私はオカマの役ですが、オカマの相手役がなんと、演出のMさん。どう役作りしてもオカマには見えない?代役をしているうちに、見知らぬ客や浮気女の亭主(漁師)役の方が面白いように思えてくる。見知らぬ客になったり、漁師になったり、ヒロインの元夫になったり、そんな合間をぬって本来のオカマになるという、おんぼろビルでの暑い夏の夜が続きました。
 最終と云うのに、みんな台詞がバンバンとんでしまう!やや不安の残る稽古でしたが、9月4日、稽古場での最後の稽古を終えました。

 9月7日、いよいよ本番前々日。先ずはセットの組み立て。今回のセットは凄いセットでした。客席より広いのではと思わせるほどの茶の間。1970年の宮崎の漁師町にある大場家が見事に出現しました。演技はまだまだ不安ですが、とりあえずセットは完璧!私も壁の下の方の桟をつけたんですよ。小道具を置くと8割がた見えなくなりましたが・・・。段ボール職人と云われた私も、芝居の大道具作りではあんまり活躍はできません。
 ホールでの2回のリハーサルを終え、いよいよ本番。3日間で4回の公演。内部告発的に云わせていただくと、1〜3回目までは回を追うごとに全体の調子が上がり、とくに土曜日の夜の部では、客席と舞台が一体となり、ホール全体が笑いの渦に巻き込まれる、稀に見る盛り上がりを見せました。残念ながら、4回目は、前夜の反動が出たのか、かなりボロボロ・ガタガタになってしまいました。但し、お客さんは比べて観ているわけではないので、役者が感じるほどの差は、わかりませんよね。舞台裏は大変でも、客席からはそれほどわからないミスもあるので、全体的には、すべての回において客席の評判は上々でした。私個人的には、最終回の演技が、一番満足できたオカマだったのですが・・・。自画自賛ではありますが、今回の芝居、なかなかの出来上がりだったと思いますよ。この芝居に出会えた人はラッキーだったと思います。あんまりないよ、こんないい芝居!
 最終回後、あっという間に取り壊された(バラしと云います)大場家のセットを片づけつつ、がらんとした舞台裏を歩きながら、演出のMさんは「寂しいなあ、寂しいなあ」と、しんみりつぶやいていました。

 嫉妬に狂う宝田

 

 さて、この芝居の主役は、誰だったのでしょう?そうです、亡くなったひさ子さんです。亡き母の面影が見終わった後、皆さんの胸にしみじみ浮かべば大成功です。役者もそれを目指して頑張りました。とはいえ、助平な男優陣。楽屋ではもっぱら、浮気女・上原ゆかりがどんな女なのか?の話題でもちきり、ひさ子さんのことなど、全然考えてませんでした。
 では、最後に『エキスポ』おもしろエピソード集。
◎ 高田葬儀店のメイクが、ホラーのように強烈だった。まさに死神博士!
◎ 千代子の元夫・山下さん、早くに、ひとつ先の場面の浴衣姿に着替えてリラックスしてしまい、「千代子さんが酔いつぶれました」の報告の場面に現れず、仕方なく了一は、意味もなく「まっこつ!」と怒り、君江さんは「どうもすいません」と意味不明の謝罪で暗転。
◎ 浮気女の亭主・上原、点火スイッチのくだりで「うちの女房が死んだら俺が押すことになるとでしょうな」の所が「誰が押すことになるとでしょうな?俺です!」と妙に俺を強調した自問自答。
◎ 峰山、オカマ騒ぎの場の登場で、入れ歯が飛び出し、全員ドッキリ!
◎ 演出上、田舎に対する差別を強調したいがために、本来「こんなところで」とある台詞を「こんな辺鄙なところで」とか「こんなちんけな田舎で」などと工夫してしゃべっていたレコード会社の芳川さん。本番で出た台詞がなんと「こんなケンチなところで」意味不明!
◎ 旅行社の金山「ゴビ砂漠のような家庭です」の所を「ゴミ砂漠のような家庭」と云ったり、あげくに「ゴミ家族のような家庭」、サハラかタクラマカンに変えた方がよかったかな・・・?
◎ 4場、オカマのお礼の場での話。稽古でいつも私の数少ない台詞を喰い、半分しか云わせてくれなかった康夫さん。本番では落ち着いて聞いてくれ、私に全部云わせてくれました。おかげで、結構受けました。

 お客さんには、それほどわからないと思いますが、それにしてもまあ、みんなええかげんな台詞をしゃべっているんですよ。今回の公演で、台本通りの台詞をしゃべったのは、え〜っと・・・、私だけでした、じゃんじゃん。

 嫉妬に狂う宝田

たくさんのご来場、まっこつ、ありがとうございました


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