「 梓屯能面展 」
「タゞ、花ハ、見ル人ノ心ニメズラシキガ花ナリ」
人ノ心ニメズラシキト知ル所、スナワチ面白キ心ナリ
花ト、面白キト、メズラシキト、コレ三ツハ同ジ心ナリ
世阿弥 ー別紙口伝ー
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人生の深さから「深井」と 「海士」では 「隅田川」では 「通小町」では さまざまな生きざまに 女性の美しさを思い浮かべます |
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| 深井 fukai |
平成23年11月 | 流水地紋様、 檜垣菊楓文様の着物地 |
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人生の深さに 情の深さに 幾度と思いをかさね打てども 深井の面 己の人生があらわれるかの如く 遠い道のりを感じます |
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| 深井 fukai |
平成23年11月 | 薄色麻の葉 七宝・鹿の子絞りと 麻の葉繋ぎの着物地 |
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日本の心であり 日本の女性の美でもあり 「増」の面に向いあう時 清々しさ そんな思いで打てたら・・・ この先、いくどと挑みたい面です |
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| 節木増 fusikizoh |
平成23年10月 | 柳織柄に花扇文様の ちりめん着物地 |
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「しかめ面」 顔中の筋肉ををしかめた極限の怒りの表情 「紅葉狩」「土蜘蛛」「大江山」などに使用される鬼神面 |
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| 顰 sikami |
平成23年7月 | 縫箔ぼかし地 観世水の紋様着物地 |
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おなじ中年女性の「深井」にある 情愛や寂しさの深さに この「曲見」にはさらに 内面にある妖気ともいえる性格的な強さを 彩色の深みにあらわしました |
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| 曲見 syakumi |
平成23年7月 | 地紋にひとひらの桜 ちりめん着物地 |
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6月大槻能楽堂 能「松浦佐用姫」に万眉の面が 遣唐使との別離に 女性の儚くせつない心情を みごとに演じてくれました 梅若家の本面を手にして そのぬくもりさめないうちにと 打ちましたが・・・ 打ちのめされたおもいにまた意欲が |
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| 万眉 manbi |
平成23年7月 | 紅をさすもみじと松 藍よりもあおい ちりめん着物地 |
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「葵上」の 美しくあり気品高さを 「海士」の 壮絶な死後菩薩となる霊的なきびしさを そんな思いして「泥眼」を |
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| 泥眼 deigan |
平成23年6月 | 山水松竹梅 雲鶴紋様の帯地 |
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可愛い小面を・・・ 幾たびも同じ思いで打つのですが 難しく 八橋にカキツバタ咲くころ 能「杜若」の精に夢見るひとときです |
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| 小面 koomote |
平成23年5月 | 鳳凰蔓花紋様 西陣織帯 |
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邯鄲のような今若を・・・ と所望され 東京国立博物館の古面に辿りつきました いつの日にか ほんものとの出会いを夢見て |
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| 今若 imawaka |
平成23年5月 | 唐花菱鳳凰紋 西陣織帯 |
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中国想像上の怪獣 顔は人間、声は少年の妖精 月夜に海からあらわれ 酒を飲み戯れる・・・ そんな思いを 金沢・江沼神社蔵の猩々にみました |
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| 「猩 々」 syouzyo |
平成23年3月 | 紺地屋輪宝手鳳凰紋綿 西陣織帯 |
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悪尉の悪は力 災いをふり払う力の強さを 談山神社蔵に魅せられました |
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| 「悪 尉」 akuzyoh |
平成23年1月 | 松鶴小菊、 花菱巻物文様の帯地 |
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「能」は面の選択からはじまる と、言われます 「経正」に 十六と今若そして敦盛を・・・ |
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| 敦盛 atumori |
平成22年11月 | 亀甲華紋の西陣袋帯 | ||
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獅子もまた鳳凰や麒麟と同じく想像上の獣 牡丹咲き乱れるなか、エネルギーが 湧きあがるほど伝わってきました 能「石橋」を観たのは 暑い夏の日 名古屋城薪能でした |
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| 獅子口 sisiguti |
平成22年11月 | 唐花亀甲麻の葉 松竹秋草金地風景文様 西陣織帯 |
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大飛出の神性と違い 神霊としての動物を表し 軽やかに地上を駆け巡る神の面です 躍動する彫り 透けるような彩色 そんな思いで・・・ |
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| 小飛出 kotobide |
平成22年10月 | 金地に端雲模様の西陣織帯 | ||
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申楽談義による 「飛出は菅公の柘榴をくわっと吐き給えるところを打つ」 とあって、 菅公の怨霊と雷神がむすびついて 天上の神の面として使われてます 6月の山中能舞台は 赤頭と唐織姿 荒ぶる神の面として躍動感あふれてました |
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| 大飛出 ootobide |
平成22年8月 | 金地に端雲模様の西陣織帯 | ||
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面を打ちはじめて4か月 |
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| 獅子口 sisiguti |
平成22年8月 | 吉祥絵柄の西陣織帯 |
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山姥には 面打ちはじめる以前より おおきな力を注がれる 気をもらってたような・・・ 山を巡る仙女 仏教でいう輪廻転生の 宙なる世界に 霊気ただようおもいで打ちました |
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| 山姥 yamanba |
平成22年8月 | 繧繝(うんげん)織りの 山水画文様 |
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京都文化博物館 片山家の能面展が「今若」との出会いでした 平家の公達の憂愁さを如何に 日々かさね二年がたちました |
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| 今若 imawaka |
平成22年8月 | |||
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山姥は専用面 数ある古面が残されてますが 徳若作と伝わる本面を手元に 彩色を金剛家を参考にしました |
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| 山姥 yamanba |
平成22年7月 | |||
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能とのであいは 山姥の面であったかもしれない イセキ作と伝わる本面を手元に 思いのふかいものを胸に 対峙しました |
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| 山姥 yamanba |
平成22年7月 | |||
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彦根博物館にある 井伊家の三日月を参考に打ちました |
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| 三日月 mikaduki |
平成22年6月 | |||
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「苦悩のなかに安らぎが・・・」 |
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| 弱法師 yorobosi |
平成22年6月 | |||
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豊橋魚町にある 是閑作の増女を参考に打ちました 研ぎ澄まされ どこまでも清々しい 是閑の硬い肌には遠くおよばず やわらかな彩色になってしまいました |
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| 増女 zohonna |
平成22年5月 | |||
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家を追い出され 悲しみのあまり盲目の身となった弱法師 苦悩のなかからひとすじの光明を 元雅の作に 時代をこえて共鳴できる「弱法師」には おもいをかさねる人生のふかさがあるのでしょうか |
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| 弱法師 yorobosi |
平成22年4月 | |||
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安海熊野神社魚町の中将を参考に 在原業平の相貌に惹かれるような彩色を イメージして打ちました |
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| 中将 tyuzyoh |
平成22年4月 | |||
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女性の美しさはこの時代に確立されたのか 面袋から本面を手にした時の感動は すこし若く感じる「深井」に なにもかもがすいこまれるようでした よっつめの深井 打つたびにうちのめされるおもいで 学ぶことの多い面です |
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| 深井(若) fukai |
平成22年3月 | |||
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打つほどにますます魅了される 不思議な面です 児玉近江満昌の本面を手元に 打ちのめされるほどに 先人の技と気迫に 圧倒されました |
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| 近江女 ohnionna |
平成22年1月 | |||
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面を打てない日々 観世OMOTEの写真集に 「慈童」の面につよく心ひかれました 舞台で舞う天鼓を夢見て・・・ このたびの舞台は夢幻となりましたが この面「慈童」 いつか舞台にたってほしいと夢見続けたいです |
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| 慈童 zidoh |
平成21年7月 | |||
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金春・喜多の「小面 宝生の「節木増」 金剛には「孫次郎」があり 若い女面のなかった観世は時の名工、井関河内に 「若女」をつくらせたといわれる 創作面への先人の苦悩を思いながら打ちました |
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| 若女 wakaonna |
平成21年5月 | |||
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「八島」の義経に 「兼平」の今井四郎兼平に 勝修羅ものといわれる「平太」の面にも その後の主人公のはかない運命を想うと むなしさだけが残ります |
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| 平 太 heita |
平成21年4月 | |||
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笛の名手であり 須磨の浦に花と散った16歳 平家の公達「敦盛」の面 はかなくも悲しい美しくも可憐な ただひたすらそんな思いで打ちました |
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| 十六中将 zyuroku-tyuzyoh |
平成21年4月 | |||
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知的で寂しげな且つ華やかで可憐さも 時の名工井関河内家重は いかなる気概で「若女」という面を 完成させたのでしょうか あくなき先人の背中を見つめ 技と心のほんの一握りでも糧として 近づきたい思いです |
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| 若女 wakaonna |
平成21年3月 | |||
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尉面は打つことはないだろうと 彫り・植毛への苦手意識を思い続けていましたが 正月、三井家の旧金剛家蔵展をみて その神への化身をみるスケールの大きさに心打たれ 挑戦いたしました |
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| 小 尉 kozyoh |
平成21年3月 | |||
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初めて打った能面が般若 うちに秘めた女の悲しみが怨念となるほどに なぜに?と思うほどに 女性の美の昇華を念頭に打ちました あれから15年が過ぎ去ります |
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| 般若 hannya |
平成21年2月 | |||
| 丹波の篠山能楽資料館の小面を参考に打ちました はじめてであった時から10数年 永くあこがれの面でもありました |
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| 小面 koomote |
平成21年1月 | |||
| 年のはじまりに 小面の可憐さを彩色に大胆な工夫をし挑みました 「小面にはじまり小面におわる・・・」 果てしてなくはねつけられまた挑み 面打ちの楽しさを教えてくれます |
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| 小面 koomote |
平成21年1月 | |||
| 能面との出会いがあって はじめに打ってみたいと思い続けた景清の面 屋島に敗れた平家の武将の 怒り・悲しみ・誇りを物語ってます 日向の地「景清廟」に 病をあんじて訪ねてくれた友のおもいをかさね 景清の没した年齢と同じくして打ちました |
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| 景清 kagekiyo |
平成20年10月 | |||
| 梅の花の蕾も固くまっしろな世界に 突如かえた雪降る頃、 山科のまち随心院を訪れ ここが百夜通いの舞台と知り 深草少将の小町への一途な恋心をおもい 打ちはじめました 随心院の裏側の竹やぶには 小町に思いをよせた 多くのお公家からの文塚が静かにねむってました 小町にしてみれば深草少将も 思い届かぬひとりにすぎなかったのか・・・ 夏の終わりにヤブミョウガの白い花が咲いてました |
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| 痩 男 yaseotoko |
平成20年8月 | |||