狂言面


「仮面ほど表情豊なものはなく、人間の顔ほど無表情なものはない」

動くはずのない仮面がなぜ表情を持つのか、
なぜ動き始めるのか
仮面のもつ不思議な魅力はずっと私を捉えて離さない

野村万之丞 −心を映す仮面たちの世界ー



「百年にあまる祖父御」といわれる老爺がかける面
左右不均衡な面相に2、3本の歯が開いた口から
ゆがんだ表情は人間離れしもはや貝のようだと




平成19年1月
貝杓子祖父
kaizyakusioozi

縦175横149厚79
ひょうたんの絵柄の
男物襦袢地・絞

岩崎狂雲遺作展で魅入りました
馬、犬、蟹などあらゆる動物の精を実感させるという
この面のとなりにあえて「うま」が・・・
説明くださる奥様の想いが微笑ましく
狂言をこよなく愛された師の面影が偲ばれました




平成19年1月
けんとく
kentoku

縦206横142厚67
うさぎの絵柄の
男物長襦袢地
名の由来は
峠で寒風に煽られた瞬の小坊主の表情を写したとか
「賢徳」という高僧の面影を写したとか
どことなくユーモラスで狂言の笑いを助長するこの面は
ぬいぐるみ姿に黒頭をつけると
あらゆる動物の精として実感されるという


面打ちをはじめたころ林原美術館の「賢徳」に
「こんな彩色どうやるんだろう?」って
夜も眠れず写真に見いってた時がありました
賢徳
kentoku


縦194横141厚70
平成17年5月 ひょうきんさを表した
女物羽織地
狂言面の鬼

どこか憎めなく人間っぽい
鬼と人間との中間の面とか
山本家には
龍右衛門、氷見、洞水の作があり
のどかな可愛らしさ、ゆとり、品格がそなわってます


平成17年4月
武悪
buaku


縦179横148厚85
雷雲を模した
大柄な帯地
「釣狐」の前シテに使われる専用面

人間に化けて必死の覚悟で猟師のもとへ向かう年老いた狐
一族を守るため、人間になりきろうとする理性が
罠と知りつつ好物の油揚げに本能が目覚めていく弱さに
人間になりきれない狐の悲しさ、愚かさを
自分自身に思い巡らし打ちました



平成17年4月
伯蔵主
hakuzousu


縦197横139厚88
八王子紬と
大島紬の羽織
「猿に始まり狐で終わる」
「靭猿」での愛くるしい演技を
3つ4つでの幼児が子猿の面を掛け
そして数多くの舞台をつとめ、やがて「釣狐」へと

面を打ち始めた頃テレビで見た
「最期の狐に挑む」の野村万作師を思い浮かべて・・・


平成17年3月
子猿
kozaru


縦160横139厚70
子どもの
ちゃんちゃんこ

狂言では代表的な女面
丸顔で、おでこが高く、頬がふくらみ、鼻の低い若い女の顔
男が思わず逃げ出してしまうような醜女
しかし愛敬がある、
その愛らしさが「内面を和らげ福をもたらす」とも
形を求めるのではなく内面にある美しさを表現したい
との想いで・・・

平成17年3月

oto


縦191横159厚84
御所車など
小紋の着物地
「七福神」の一つ

柔和で穏やかな福神のイメージでうちましたが
古代インドでは「憤怒神」であったそうで


平成17年2月
大黒
daikoku


縦182横185厚103
黒地に金糸
亀甲模様の帯地
蚊や蝉など小さな生き物の精を人格化した役に使用される
池田家伝来林原美術館所蔵伝 宮田筑後作を参考に

思いっきりの梨地肌に研いだり、焼いたり、楽しんで打ちました。


平成8年1月
空吹 
usobuki


縦194横155厚85

揚幕にも似た
縦稿柄の帯地

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