洞水作の「笑尉」−銘記からわかることー

笑尉の面当に

「宝永五子年出来(ねのとししゅったい)出目杢之助」

の墨書があります

この銘からこの面が江戸時代中期の宝永五年1708)

洞水により制作されたことがわかります

また面裏には朱漆には

「福来作写し、笑尉、出目洞水見合せ之を写す」

とあります

ー彦根博物館だより46ー
片山家蔵「今若」満光作の面袋には

「観世形・今若・若き形」「新規・打放し」

「今若十六之間を工夫出来仕候」

「彩色十六の形ニ仕候 鼻乃下口髭の処」薄仕

若き方ニ仕候 観世ニ而十六を」敦盛っと申候

「出目元休」「満光(花押)との墨書きがあり

江戸初期における写しが形を写すのではなく

本面を参考に工夫・創作したことがわかります
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能面の面裏や面袋には

作者や伝来、銘の由来などが

記されていることがあります

井伊家所蔵の「朝日」という面の面袋には

「この面は何に使うのか」と言う

殿様の御下問に対して次のような墨書が

ー「朝日」は

三山の後、玉葛の後、浮船の後に用いるのが

宜しいと存じ奉りますー

と安永9年(1780)に

宝生弥五郎より申し上げたとあります

ー彦根城博物館だより39ー
面は表のほうに

その大きさだけのアテといふ

薄い布団のようなものをあてて

面袋に納める


        金剛 巌 著 「能と能面」より
わたしたち能楽師が

生命とも頼み、

大切に扱っている能面

それを常に蔵っておく面袋

古伝の名作の能面に

古い歴史があるように

面袋の数々にも、

同じく永い歴史の流れを

見ることができます。


        金剛 巌著 −面袋集ー八寳堂

梓屯の面袋

         能面とともに面袋も生きている

 舞台に立つことは少ないけど優しく面袋につつまれ静かに出番を待つのですー梓屯ー