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   ストレス病治療のコツ



  
 
1.うつ病
 <うつ病の診断基準>
通常、2週間以上続く事。下記の1または2のいずれかがあり、3から9までの内4項目がほぼ毎日存在する事。
1.ゆううつで沈んだ気持ちがとれない。2.(好きな事に対しても)つまらないし、よろこべない。3.食べる気力が出ない、しばしば体重が減る(まれに過食)。4.眠れなくて辛い(まれに仮眠)。5.イライラして落ち着かないか、又は動作緩慢になっている。6.(ちょつとした事で)疲れやすい、又は動作緩慢になっている。7.自分が駄目な人間に思える又は時分、は悪い人間に思える。8.思考力や集中力や決断力も落ちて戻らない。9.自殺を繰り返し考える
 現代の様な世知辛い時代にあっては、世代を超えて日本人皆がストレスに脆弱とならざるを得ません。長引く不況の影響もあります。これらの為に、ストレス関与病としての軽症うつ病患者が全国で増えている様です。実際のデータは不明な面もありますが、全国のうつ病患者さんは国民の約5%いるとの報告もあります。又、生涯有病率は国民の約15%(内訳は、女性が男性の約2倍です)とも言われています。
2005年のうつ病関連患者数は約92万人と、1999年の2倍以上に増えています。  尚、うつ病になっても、心理的抵抗などにより、4人に1人しか医療機関を受診しない様です。又、受診しても、その9割は、内科等身体科行くそうです。うつ病には、頭痛、吐き気、動悸、めまいなどの自律神経症状を合併する事がが多いからです。
.それでも、以前に比べれば、偏見無く、心療内科を受診される様になりました。その点は良い事と思います。

ところで現在の診断基準では、病気になった原因や、元々の性格や、患者さんのバックグランドなどは問いません。病気の改善や再発防止などの治療方針や医療的アドバイスに、これらは必要な情報なので、診察ではなるべこれらをく探る様にしています。

 2パニック障害   
  呼吸が促迫したり、動悸がひどくなったり、ふとしたことで恐怖感や不安感が襲ってくるなどのパニック発作(急性不安発作)が続いた時、これはパニック障害という事になります。自律神経性過活動(呼吸促迫、動悸や頻脈、めまい、吐き気、発汗、口渇、震え、しびれなど)により起こっているものと思われます。経験は生々しさの故に次また同じ事が起こったらと連想してしまいがちです。これを予期不安といいます。予期不安のやっかいなところは、連想そのものが次の不安や動悸などを呼び起こし易い事です。従って、人込みや閉鎖された場所や乗り物など逃げ場のない場所が、どうしても苦手になり易いです。
 治療のコツは、パニック発作を起こさせない実績作りが大切です。その為には、抗不安剤の予防的服薬やステップ式の行動療法が大事です。最近の薬物療法では、SSRIを主剤として抗不安薬も必要に応じ併用する療法が良好との印象です。実績作りの期間は、およそ3か月から6か月ぐらいとみていますが個人差が多く一概にはいえません。

 
3.自律神経失調症
 この病気は、背景にストレスが関与していることの多い代表的疾患です。症状は多彩です。頭痛、胃痛、肩こり、吐き気、動悸、立ちくらみ、めまい、倦怠感その他の、いわゆる不定愁訴として症状化する事が多いです。肝要な事は、頭痛薬や胃薬の単純投与だけに終わらない事だと思います。器質的な異常が特に無い場合は、この疾患の場合が多いです。このような時は、抗不安薬が著効する事が多いです。加えて背景の検索が必要な鍵となります。その結果次第では、環境調整が必要なばあいもあります。又、抗うつ薬が意外に症状を軽くしてくれる場合も多いです。

 4.更年期障害
  特に、女性は閉経前後にエストロゲンという女性ホルモンが減ります。この時期は不安、うつ、不眠など精神的にバランスを崩し易いです。又、頭痛、肩こり、冷え、のぼせ、発汗など様々な身体的不調もおこし易くなります。こういった諸症状を指していわゆる更年期障害といいます。治療のコツは各症状への薬物対処と総合的な漢方薬対処との組み合わせが効果的です。男性の場合は、男性ホルモン低下によるものと見られておりますが、治療はうつ病治療と重なる部分が多いです。

 
5過敏性性腸症候群
  この疾患の場合多少性格的特徴を感じております。比較的真面目で、几帳面な方が完璧を期して体調を崩してかかり易いです。不規則に生活して疲れが溜まると起こり易くなります。以上の様な人たちが睡眠を削ったり必要以上に張りすぎると決局、ストレス病として過敏性腸症候群になり易いです。ストレス負けして主として下痢、時に便秘を起こし易いです。こういった現象が生活に支障を来たしだした場合は治療した方がいいです。
 案外治療改善率は高く治療期間も短期で済むことが多いです。悲惨なのは、朝の電車通勤などです。逃げ場が無い為に職場や学校に行けなくなりがちです。治療のコツは、コロネル等過敏性症候群のお薬をファーストチョイスとしますが、それが著効しない場合は、特に抗不安薬や多少専門用語ですが抗コリン性のある弱めの抗うつ薬を少なめに処方する事も治療効果の手ごたえを感じます。

  6.不眠症

  一般に不眠症の改善策としては、日中の適度な運動や就眠前数時間前のぬるま湯入浴や牛乳の飲用等は有名だと思います。又、一般内科で睡眠薬をもらっている人も多いと思われます。しかし、不眠症の治療は、意外とメンタルヘルス専門医の領域です。
 不眠症の影にうつ状態やうつ病が隠れている事がかなりの確率で多いからです。その様な場合も多いので、不眠症の原因別に薬物の内容が異なる事も考慮すべきです。
 例えば、うつ状態の様な症状としての不眠症の場合は、入眠剤の他に抗うつ薬の投与を検討してもいいでしょう。抗うつ薬がノンレム睡眠を増加し、夢で目覚める早朝覚醒や夜間中途覚醒を防ぎ箸効する場合が多いからです。治療のコツとしては日中薬の使い方も大事で日中の覚醒と夜間の睡眠とバランスの取れたメリハリのあるリズム作りが根本治療と思っております。


 .7社会不安障害

  人前で話したり食事したりするときの赤面、顔のこわばり、発汗、動悸、声の震え等の症状はその苦悩の故に行動回避とつながりやすいです。いわゆる社会不安障害です。従来、この様に人前で緊張しやすいのは性格と片付けられて来ました。あるいは、対人恐怖症と位置づけられて来ました。主として行動療法やカウンセリングの対象となって来ました。勿論、自信付けが根本治療です。しかし、自信付けの行動療法は言うに易く行うに難しです。最近のこの疾患に対する考え方は、薬物療法が効果の期待できる疾患と変わって来ています。脳内の不安を感じる部位の神経伝達物質セロトニンの減少が原因と見なされています。従って、SSRI等が基本的治療薬となります。又、実践では抗不安薬の行動前服用も有効です。

  8.痛みの治療
 意外と知られていない事実ですが、心療内科は抗うつ薬の処方を通して各種の痛みの軽減治療を行っております。抗うつ薬が痛みを和らげる作用があるからです。その治療は、抗うつ薬の副作用を出させない事が治療上、肝要となります。
                                                                                                                                                                                                                                                                            


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