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すみ田たかゆきの世直しマガジン
第5号 2001.9.04
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8月が終わり、プロ野球のシーズンもいよいよ終盤。この時期になると、今年の残り何ヶ月かで、○○をしなければならない、とかいう強迫観念に駆られることも多いものです。
今月中には、臨時国会も始まります。年末に向けて予算編成とか税制改革、その前に景気対策の議論も行われることになりそうです。このところ、株価はいよいよ1万円の大台を割るのではないかという悲惨な状況ですが、小泉総理に対する期待が、どのような結果を国民の前に示してくれるのか、いよいよ正念場ということになりそうです。
その小泉改革の中で、もっとも触れられていない部分である対外政策ですが、産業界の多くの方が感じておられるように、当面は中国とアメリカがポイントになりそうです。そこで、今回は、どうもよくわからない中国について、いくつかの数字に基づいて、特に為替の問題を中心にして思うところを書いてみました。
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○トピック
〜中国の実力と為替(中国特集その2)
先日、7年後の2008年に北京でオリンピックが開催されることが決まりました。また、年内には中国はWTOに加盟することになります。日本で初めてオリンピックが開催されたのは、1964年。それにあわせて東海道新幹線や首都高速道路が整備され、1970年に大阪で開催された万国博覧会とともに、高度成長時代のエポックとなりました。
今の中国も当時の日本と同じような勢いがあると言われます。7%を超える成長が8年も続き、二桁成長のことも多く、貿易黒字も毎年150億ドル〜300億ドルという状況が続き、米国の最大の貿易赤字相手国となり(2001年上半期)、外貨準備高もわが国に次いで世界第二位の1800億ドルで、10年強で約10倍になっています。
わが国や台湾の企業の中国への移転はとどまるところを知らず、14000社ものわが国企業がすでに進出しています。その最大の原因は安くて質の高い労働力と生産コストの安さです。貿易面でも、わが国の輸出に占める中国のシェアは5%(香港を会わせると10%強となり、輸入に至っては、14%で米国に次いで2位となっています。(一方で、対中援助は、90年代の10年間支出純額ベースで円借款73億ドル、無償資金協力5.4億ドル、技術協力25億ドルの計103億ドル強です。)
そういう中国ですが、どうもよくわからないその大きさ。単純にGDPで比較すると、約1兆ドルでわが国の約4分の1、人口が10倍なので一人当たり比べるとわが国の40分の1ということになってしまいます。ところが、購買力平価ベースの為替レートで比較すると、GDPはすでに日本の1.5倍。一人当たりでも日本の7分の1くらいになり、大阪の万博の頃の日本と同じくらいの水準になります。エネルギーの消費量で見ると、全体で日本の1.7倍程度、民生部門(産業と運輸以外)は日本の1.5倍程度です。それでは生活水準はというと、都市部で自家用車は1000軒に3台程度、カラーテレビは1軒に1台程度、当然農村部はもっと少ない。大学生の数は日本と同じで、技術的なレベルが極めて高いという状況です。
どうも、統計自体信用のできないものが多いので確定的なことは言えないのですが、日本からみたときに、どうも変だと一番思うことは、どうみても日本よりも成長力が高いはずなのに、円ベースでみた労働者の賃金が20年前も今も月給7000〜8000円だということ。これでは生産面で競争に勝てるわけがない。日本が空洞化して生産拠点が中国に移るのは当然です。そこでひっかかるのが為替レート。ドルに対しては、20年前の5分の1。購買力平価レートに対しても5分の1。外貨準備高の急速な増加は、中国政府当局によるドル買い介入(元安での安定政策)の結果である可能性もあります。一方で、中国人は積極的に海外に投資している、すなわち資金運用において海外に逃げている(capital
flightが起きている)ということは、元の将来性について中国人自身がもっとも懐疑的であることの証左であると主張する人もいます。
そもそも中国の為替政策は、きわめて厳格で、資本取引は自由化されておらず、現地企業が稼いだ外貨は中央銀行に原則売却することが義務化されています。しかも為替取引市場は1日30分しか開かれておらず、取引はNY市場の1000分の1。為替レートの操作が極めて行いやすいようになっています。まず、資本の自由化から始めてみないと、何が市場が適正と考えるレートか、中国の実力がどれくらいかわかりません。ただし、中国の元は94年に管理フロート制に移行し、現在ドルペッグを行っておりアジア通貨の安定に貢献していると言われており、資本自由化を行う際にも、過度に急激な為替変動にならないような管理手法を検討する必要はあると思います。
ともかくも、中国はWTOに加盟するわけで、その貿易額も世界の3〜4%になろうとしているわけですから、そういう国が市場とは関係なく恣意的に決まるレートで輸出競争力を持って自由貿易の恩恵を享受していくというのは、unfairです。一方的に為替レートを切り上げろ、というよりも、資本の自由化をして市場が適正なレートを決められるようにすることが、貿易大国として中国が国際社会の中で存続していくための必要条件であるということを、わが国が強く主張しなければなりません。これはIMFの問題でもあるし、WTOの問題でもあり、下手をすると縦割りの両者の間に落ちかねない問題なので、より多くの人が問題意識を持ち、主張していくことが必要だと思います。霞ヶ関では私自身それを今仕事の一部としてやっています。単純にODA減らしますよと中国に言うだけではなくて、全体を見た戦略的な対外政策を組み立てて実践していくことが何としても必要で、より多くの人たちの主張を背景にして、私自身もっと頑張ってみたいと思っています。
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○ 国内経済動向
・ 青色発色ダイオードの開発者(中村氏)が正当報酬求め日亜化学を提訴(8月22日)
・ 7月の失業率は5%で過去最悪(28日)。補正予算検討へ
・ 東芝が国内外で2年で約2万人の人員削減(25日)日立も同様の措置(26日)
・ スズキとカワサキが2輪車生産等で業務提携(28日)
・ USTRと経済産業大臣が日米自動車協議の開始で合意(9月1日)
○海外経済動向
・ 米国で再度金利引下げ(△0.25%)。FFレートは3.5%に(年初は6.5%)(8月21日)
・ 中国の江沢民主席が、来年秋で引退することを表明(24日)
・ ドイツ経済は4−6月期ゼロ成長(24日)米国は年率0.2%に下方修正(28日)
・ IMFが経済改革でインドネシアと合意し、融資を再開(27日)
・ WTOの非公式閣僚会議開催。新ラウンド11月開始へ努力(9月1日)
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