下描きはどんな筆記具を使うのですか?
●普通の
事務用シャープペンシルです。芯はHB。絵描きとしてはあまりに無頓着な選択ですが・・・。
ちなみにシャープペンシルはゴムグリップのものが指先が滑らず細かい描写には向いているようです。
どんな紙を使うのですか?

●普通の画用紙ではなく
”水彩紙”と呼ばれるものを選びます。その名の通り、水彩画向けに作られた紙なので、筆で水に濡らしてもヨレたりすることがありません。いろいろなメーカーから発売されていますが、僕はマルマンの”コットマン水彩紙”を愛用しています。
●同じ種類・銘柄の紙でも、表面の平滑度によって粗目・中目・細目があります。色鉛筆画には
中目〜細目、特に繊細な描写をしたい場合には細目が向いているようです。
色鉛筆は何色くらい必要ですか?

●僕の場合、最少の
12色セットで事足りています。というか、あまり沢山の色を揃えても使いこなせるかどうか・・・? むしろ色数よりも、自分の持っている色鉛筆のクセを知り尽くす事の方が重要かと思います。限られた色数でも、筆圧や混色などで様々な表現ができますから。
●もっとも、ちゃんとした絵の教育を受けた方々は大抵「色数は多いほど良い」と言われるようで・・・。僕のように12色で済ませてしまう方が珍しいのかも知れません。
色を塗る時、下描きの線は消すのですか?
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●作品のイメージ次第です。例えば、繊細な描写をしたい場合は下描きの線を残して淡く色を乗せる。強烈な色や光を強調したい場合は下描きを消して色鉛筆の線だけを出す。勿論、その中間的な表現や、1枚の絵の中で部分的に下描きを消したり、残したり・・・という場合もあります。ちなみに、下描きを残したくない場合は、市販の
”練り消しゴム”で押さえるように消す(というより線を薄くする)と画面を傷めずきれいに仕上がります。
直線を描く時には定規を使うのですか?
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●使いません。定規で引いた線は硬く冷たい印象になるので、フリーハンドの柔らかい線の中に混じると妙に際立って不自然に見えてしまいます。ポスターなどのように図案化されたイラストならともかく、一般の風景画などでは定規に頼らず、
全てフリーハンドが原則です。
●でも、どうしても直線を出すのが難しい・・・という方にヒント。描きたい直線と平行に、1cmほど離して定規を置きます。それを目安に、鉛筆の先と定規との間隔を一定に保ちながら、少しずつ線を引いていくのです。こうすれば、ほぼ正確な直線をフリーハンドで描くことができるはずです。
色鉛筆は消しゴムで消せますか?
●消せない・・・と思って慎重に描いたほうが良いと思います。
まぁ、強引に消そうと思えば、完全には消えなくともかなり薄くまで消すことは出来ますが、消しゴムを使うと紙が痛んだり、画面を汚したりすることになるので、あまりお勧めはできません。
白い部分はどうやって塗るのですか?
●白は塗らないで、紙の色をそのまま残して表現します。
不透明の画材を使う場合(油絵やグアッシュなど)は、他の色の上に白を塗り重ねる事もできますが、透明水彩では下の色が透けてしまうため、白を塗り重ねることはできません。水彩色鉛筆も水で濡らすと透明水彩と同様の性質になりますから、白を塗り重ねることはできないのです。
空はどうやって描くのですか?
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●鉛筆の線が出ると不自然なので、次の手順で描きます。
(1) 筆にたっぷり水を含ませ、水色の色鉛筆の先から直接筆先に色をすくい取ります。(固形水彩絵の具を使うような感じです)
(2) 雲にあたる部分を残して、筆で水色を薄〜く塗り広げます。その時、筆は左から右へ(もしくは右から左へ)一方向に動かすのが原則です。縦に動かすと不自然な模様が残ってしまいます。一度目はほとんど色がついていない位、薄くても構いません。
(3) 上記(1)〜(2)を、
数十回繰り返します。繰り返すうちに青空はだんだん濃くなり、塗り残した雲の部分との境界は自然なグラデーションになるはずです。
黒いもの(蒸気機関車など)を描く時はどうしたら良いですか?

●できるだけ
”黒”を使わないようにします。
絵の具や色鉛筆の黒はかなり”どぎつい”色に仕上がってしまうので、慎重に使わないとその部分だけが際立ってしまいます。また、広い面積を塗ると平坦な感じになり過ぎて、モチーフの質感や量感が全く表現できなくなってしまいます。
黒く見えるものでも、よ〜く観察すると実は”黒に近い濃紺”だったり、”渋いコゲ茶色”だったり、結構複雑な色をしているものです。まずはモチーフの色を冷静に分析して、極力黒以外の色で描くように努めてみましょう。
ちなみに僕が蒸気機関車を描く時は、基本的に”黒”は使いません。何色を使って描いてたか、研究してみて下さい。
現場で描くのですか?/写真を見ながら描くのですか?
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●参考として写真を見ることはありますが、
現場取材・・・つまり自ら足を運んでその風景を眺め、自分なりのイメージを纏めるということは大切だと思います。訪れたこともない場所を、誰かのスナップ写真を見ながら描いたとしても、それは所詮は模写に過ぎず、それ以上の感動が生まれるはずもありません。(※勿論、仕事となれば現場取材をせずにイメージだけで描き上げるケースも無いわけではありませんが、それには相当の努力と探究心、洞察力、それにモチーフに対する深い思い入れが必要です)
それに、カメラのレンズを通した画像はどうしても肉眼で見た色や形とは違ってしまいますし、何よりも写真に記録される情報量は極めて少ない。音や光、風の感触など、現場の印象は写真だけでは記録できません。写真を元に描こうとした場合、そんな限られた情報から現場の印象を再構築しなければならないわけで・・・これは現場で風景を見ながら描くよりも難しい事なのです。
もうひとつ。絵は所詮絵であって写真ではないのです。見たものをそのまま描けば良いのではなく、より印象を鮮明に伝えるための誇張やデフォルメ、取捨選択が自ずと行われるものです。ところが写真を元に描こうとすると、ついつい何も考えず、写真に写っているモノを全てそのまま描き込んでしまい、結果として主題が曖昧で煩雑な感じの絵になってしまいがちです。
「まずは写真を見ながら練習を・・・」という方も多いようですが、僕はむしろ初心者の方にこそ、現場に出て描いて頂きたいと思っています。
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●一方、人物画に関しては100%写真ベースです。というのも、何せ相手は生モノですから、自然な表情を捉えるには自然に振舞ってもらうしかない。”画家とモデル”として対峙してしまうと、どうしても堅さが出ちゃいますよね? ごく普通に世間話でもしながら、一瞬の素敵な表情をサッとカメラに収めて、後でゆっくり作品に・・・というのが僕のやり方です。