雑 記 帳      

2007年10月

10月1日(月)晴れ

今朝は寝坊してしまった。カーテンの外は薄暗いが時計は六時をさして いた。慌ててカーテンを引き分け外を見る。しょぼ降る雨で濡れた道路 に、ニッコリである。実は天気がよければ林道の整備事業にかり出され るからであった。雨降りのおかげで寝坊しても問題なし。ちょっとあっ て、(どこからって?。イッ、イッ、イ〜イジャないですか〜この際) 二時間後に帰宅。まずは台所に立寄、親戚より濃いおつきあいの冷蔵庫 に挨拶である。野菜室のプチトマトを口に放り込むが、これが思ったよ り不味い。口直しに巨峰を1粒口に放り込みモグモグ、皮は出したが種 は飲み込んでしまった。こいつはなかなかいける。もう一粒口に頬張り 右手に二粒を握りしめてヘボハウスへ。皮は生け簀の中に吐き出すと、 鯉が大きな口を開けて吸い込んでいった。待ちきれなかったヘボは、砂 糖水を作る容器に入り込んで付近をなめ回している。握りしめた巨峰の 一粒は棚に、なめ回しているこいつ等を巧く外に出して、さとうに水を 注いでかき回しハウスに設えた容器に移し替えた。待ちこがれていたヘボは一斉に容器の縁に止まって一心不乱の吸引である。冷蔵から肝を取 り出して吊るし、棚の巨峰を思い出して手を伸ばそうとすると、既にお 客様である。あの固い皮を食い破って数羽が果肉を齧りとり、ほかの蜂 は空中で順番待ちである。やれやれである。大事な朝食を横恋慕されて も恨みはできない。なんせ可愛いヘボチャンなんですから。こんどは生け簀にタモを入れて川魚をすくうのである。実は昨日で川魚が底をつい ていたのだが、ところが、なんと水野夫妻が魚を補充してくれたのであ る。水野さんって、....そうです。比較されたミミズが怒るミミズのMさんです。そして彼の奥さんでいるにはもったいない、ユーミンちゃんのお二人が昨日小雨が降る中を餌の川魚を釣りにきてくれたのです。釣りましたよ〜...奥さんは〜。ウン。水野さんはコ〜〜ンな大きなムツと手でサイズを示してくれました。そんなやつを6匹も釣ったそうです。ところがスカリの網が破れて いて逃げてしまったそうです。後からその網の破れを見せてもらいまし たが、ムツはずいぶん無理をして破れたところから逃げたみたいですよ 皆さん。現場検証ってヤッア〜できなかったんですがね。自供ってやつもネ〜.....皆さん。手で指し示したあんな大きな魚が、あ〜ンな穴からネ〜.....フ〜ン。


10月2日(火)曇り後雨

 秋雨前線の影響なのかぐずついた天候が続いている。ヘボの餌に対する嗜好も天候によっても目まぐるしく変化する。例えば3日前の晴天では砂糖水の消費が激減し、どうしたのかと首を傾げるほどだった。昨日は鶏肝も砂糖水もペロリとたいらげていた。今日は鶏肝と砂糖水、更に水野さんが釣ってくれた川魚を6匹完食となっていた。午後4時頃の美濃加茂市は曇り空、国道41号を走って川辺から見た白川方面の空には暗雲が居座っていた。これはもしかしてと予想していた通り、白川に入った時には本格的な雨となっていた。到着して事務所に鞄を置いて、すぐさまヘボハウスへ急いだ。今朝ほどキイロスズメバチとコガタスズメバチが数羽飛来し、これを駆除していたからである。きっと今頃は餌がなくなる時期、一度彼らの訪問を受けると、次々と餌場に飛来しへぼに被害をもたらすからだ。おそらく、へぼを襲いはじめていると、道中気がかりだったが、やはり餌はすべてが食べ尽くされ、カラカラの砂糖水の容器から残り甘露をチビチビ集めているヘボを襲い始めていた。すぐさまタモですくって捕殺。結果、床に転がるキイロスズメバチ6羽、コガタスズメバチ4羽、ヘボは興奮して私の頭にコンコンと当たってくる。このままでいると、必ず痛い目にあうのは経験済みだから、急いでハウスの外に逃れ、砂糖水を追加してやった。鶏肝も追加してやると、騒然としていたハウスは落ち着きを取り戻し静かになってきた。忙しく飼育箱と餌を往復するヘボに見とれて、事務所にお越しのお客様を30分ほど待たせてしまった。


10月3日(水)曇り

 このところヘボの食欲がもの凄い事になってきました。働き蜂の数も多くなってきたが、それに伴って巣の拡大も順調に進んでいるようです。この事は他のスズメバチ類も同じで、巣が拡大されるに従い蜂の性格も凶暴になってきます。蜂の性質そのものは変わっていないのだろうが、都市近郊の開発に伴いキイロスズメ蜂やコガタスズメバチなどが以前から生息していた場所である住宅地に営巣し、これらの対処方法に慣れない都会人が被害にあっているようです。事実、統計によると農村より都市近郊に住む人の方が明らかに被害が多いのです。蜂毒による死亡事故は毎年後を絶ちません。過去8年間の統計を調べると、毒蛇による死亡事故は118件、蜂毒による死亡事故は320人で年平均40人が犠牲となっています。こうなってくると、衛生害虫とか不快昆虫とかの域から離れ、危険害虫のレッテルを張られても仕方がなくなってしまいます。
 話しは変わって、皆さんはミツバチの交尾をご存知でしょうか?巣の中で生まれた雄蜂はある日一斉に巣を飛び出し、空中で一丸となって屯するのです。そこに巣から出た新女王がフェロモンを撒き散らしながら近づくと、巣の中では性行動を起こさなかった雄蜂が興奮して、新女王を集団で追いかけるそうです。後尾は数秒間で終了するそうですが、何度も雄蜂と交尾を繰り返すと言われています。たった一度の結婚式で精子を蓄えた女王蜂は6〜7年もの間営巣活動が出来るますが、雄蜂は役目を終えると死が待っているだけです。新女王を旅立たせた旧女王は、働き蜂の半数程度を引き連れて古巣を去り分家するのです。
 さて、このミツバチですが、交尾の問題でえらい事が起こっているのです。現場は日本ではありません。アメリかの話です。南米ブラジルの養蜂は西洋ミツバチであるイタリア品種が中心であったのですが、品種改良の為にアフリカから働き者のミツバチを導入したそうです。ところが管理ミスだったのか、この女王が逃げ出して、イタリア種と交配しながら広がり始めたのです。アフリカミツバチは働き者ですが極めて気性が荒く、その性質が遺伝的に優勢だったために、イタリア種の大人しい性質は陰を潜め交配を繰り返しながら益々凶暴な暴れ蜂となってしまったのです。殺人蜂の誕生は人畜に甚大な被害をもたらし、南米ブラジルから北上を続け、メキシコにも侵入し、アメリカ本土への侵入が深刻に憂慮される事態になっていると言われています。飼育しているヘボちゃんに、こんな遺伝子が継がれないように願ってます。


10月4日(木)晴れ

 久しぶりに羽田さんからメールをいただいた。どうやら彼のホームグランドにはヘボの巣がなかったようである。従ってヘボの飼育が出来なかったらしい。ヘボキチには耐えられない事だ。おまけに体調も悪かったとか.......。道理で、いつものように貴重な資料などが送られてこなかったのだ。こちらから状況を伺うべきだったのに失礼な事をしてしまった。文面にはホームページの更新が楽しみとも書き記してあった。つたない文章に取り留めも無い戯言を並べ立てている自分が恥ずかしいが、楽しみにしているなんて便りを頂くと頑張らねばなるまい。零細企業主の私は自宅に帰っても仕事に追われる事がしばしばだ。だから正直、更新が苦痛に思える時がある。よってこの便りは、しっかりと私の心に鞭を入れてくれた。とは言え、日常に変化がなくて何も書く事が出来ない事もある。そんな時は面白い記事などを載せようと試みるのだが、なかなか材料に恵まれないから困ったものである。
 今日はその貴重な記事の披露である。昨日の夕方の事だが、驚く場面に遭遇した。小鳥がカメムシを食べていたのだ。正確にはヒガラと言う小鳥がヘボハウスの前にあるウメモドキの枝に止まって、青いカメムシを足で押さえつけついばんでいたのだ。ご存知の通りカメムシは強烈なガスを発射する。小鳥は何事も無いような感じで餌としていたのだ。一つの容器にカメムシと蟻を入れ、これを興奮させてガスを出させ、密封するとカメムシ自身も蟻も死んでしまうという。東南アジアのある国では、このカメムシを食べるところがあるという。どのようにして食べるのかは知らないが、イナゴ、ザザムシ、ハチの子には抵抗はないが、昆虫食もここまでくると考え込んでしまう。ここまではよくて、カメムシは駄目などと、昆虫食に線引きをしてはいけないいのだろうか。


10月6日(土)晴れ

へぼの巣コンテストのお知らせです。
今年もタカ研最大のイベントである『へぼの巣」コンテスト』を開催します。皆さんご存知の通り。「ヘボの巣コンテスト」は巣の重量を競うもので、多数の景品を用意して企画しております。食通の皆さんにはコンテストに出品された、ヘボの生巣をお買い求めいただく事が出来ます。市販のものと比べると、鮮度、品質、金額共にお得な買物です。イベント会場では、クオーレの里、やんちゃばば、白川茶屋が飲み物やへぼの佃煮、朴葉すしなどを販売します。会場にお越しいただいた一般のお客様にも景品付き餅投げなどに参加していただくよう企画しておりますので是非是非お越し下さい。

日程

日時 11月4日(日曜日)
開会式 9時30分
審査巣の取り出し 10時
昼食 12時
表彰式 13時
巣の販売 餅投げる 景品引き換え 閉会式

出品参加について

当日参加でも受け付けますが、準備上の都合もありますので出来る限り事前に申し込んでいただきたいと思います。

出品参加協力金 会員 1,000円  一般  2,000円
参加申し込み 先着 80名で締め切り
出品種 クロスズメバチ シダクロスズメバチの二種
昼食 12時
表彰式 13時
巣の販売 餅投げる 景品引き換え 閉会式
   
いずれも飼育箱(容器)で飼育したもので、会場に運搬できるものです。自分で巣を燻し、箱などから取り出して持参したものは審査対象にしません。出品は一人で一巣限りとします。

特典  

巣を購入していただいた方にはラッキー抽選くじが用意してあります。

※イベント会場責任者および、クオーレの里の許可なく勝手に巣を持ち込んで販売する事は出来ません。出品、など詳しくは下記に連絡ください。

申込先

庶務 今井正信 0574-78-2956
クオーレの里 0574-72-2462
またはタカ研あてにメールで申し込み下さい。
  


10月11日(木)晴れ

各地からヘボコンテストの情報が入っています。

串原ヘボ愛好会
  開催日  11月3日(土)
  場所   木根 ささゆり会館前

足助地蜂愛好会
  開催日  11月18日(日)
 場所   豊田市五反田 昌全寺境内

付知ブラックビークラブ
  開催日  11月4日(日)
  場所   花街道、道の駅付近川沿広場

伊那市地蜂愛好会
  開催日  10月28日(日)
  場所   みはらしファーム

日本平成村ヘボ愛好会
  開催日  11月2日(金)
  場所   道の駅

川辺ヘボ愛好会
  開催未定

山県市ヘボ同行クラブ
  開催未定


10月13日(土)晴れ

 小林さんから貴重な写真を頂きました。高原の貴婦人キオビクロスズメバチことキイジスの写真です。私はこのキイジスが飼育したくて、今年小林さんや荻原さんと信濃でのヘボ追いを楽しみにしていたのですが、残念な事に実行出来ませんでした。昨年はお二人のお世話になって、夢にまで見たキイジスを飼育する事が出来ましたが、高原の気品高い蜂の知識に乏しく、交尾をさせる事が出来ませんでした。その珍しい写真が小林さんから送られてきました。どうやら小林さんが一目置かれる研究熱心な金井さんが撮られた一枚のようです。おそらく、今まで一度も写真での紹介がない貴重な一枚だと思います。


 

 そしてもう一枚は小林さんの飼育される合掌造りの飼育箱に混生するキイジスです。実は昨年の事でしたが、小林さんや荻原さんにヘボ追いのお世話になったときの事でした。根曲がり竹が密生する野地にキイジスが巣食っていました。その隣、一メートルの間を置いてシダクロが営巣していたのです。この二つの巣は荻原さんと小林さんが発見されていたものですが、日を置いての事だった為にキイジスの巣は動物に荒らされていたのです。このとき残ったキイジスの働蜂はクロスズメバチの巣にチャッカリ入り込んで間借り生活をしていたのです。小林さんの写真では、ちゃんと餌を運んでいるところが映してあるので、ともに働いていることが立証されました。キイジスはシダクロより体格が良くて、女王の体長は17〜20ミリもあります。攻撃性もシダクロよりは強く、刺されると痛みもシダクロより強いのが特徴です。


10月14日(日)晴れ

 ここ数日間ヘボの食欲がもの凄いことになってきた。とは言っても川魚と鶏肝である。砂糖水の摂取量は幾分少なめである。どうやら巣の中では新女王蜂の巣版盤が形成され、産みつけられた幼虫が盛んに育っている感じである。昨日小林さんから送られてきたキイジスの交尾写真でもわかるように、彼女たちの営みは下界と違って少し早く終了する。標高が高い為に冬が早く到来するからだが、キイジスだけではなく、同じところに生息するシダクロスズメバチも少しだけ遅れて新女王を外界に放出する。ここ東白川では、早い巣では雄蜂が誕生しているものもある。決して女王が死んで無精卵が羽化したものではく健全な営みの巣である。今年は全般に暖かかった為に、遅れ気味というところもあるが、それでも11月初旬には新女王の姿を見る事が出来ると思うのです。


10月16日(火)晴れ

 あるヘボ名人がオオクマの巣を持ってきてくれた。とても大きな巣で、王台には新女王が繭となってしっかり詰まっていた。あらゆるスズメバチ類の中でも美味しさは筆頭格。この幼虫、蛹になるまでは胃袋にしっかりと食べたものを溜め込んでいます。茹でるとタンンパク質が固まるので、楊枝で腹を裂くことにより簡単に胃袋を取り出す事が出来ます。この作業をしないで煮付けてしまうとガリッ、ジャリッと口中に嫌な食感がみなぎることばかりでなく、蕁麻疹となって、医者の世話を受けることになります。ヘボの旬はもう少し後なのですが、オオスズメバチは今が最高の収穫時期ですね。
 何気なくですが、農林水産技術情報協会のホ−ムページを見ていました。そこには昆虫食の話が載っていて興味深く拝見しました。それによりますと、世界で食べられている昆虫の種類はメキシコの300種類を筆頭に世界全体で500種類はあるそうです。日本では、江戸時代以降記録として残されているもので、イナゴ、蜂の子、タガメ、ゲンゴロウ、ガの幼虫などが挙げられていました。案外沢山の昆虫が食べられているものだと思ったのですが、それでも食虫習俗の発達では中レベルの国だそうです。日本における昆虫食は蜂類14種、ガの幼虫類11種、バッタ類10種、の55種を好んで食べていたようです。このような食文化は保守的であり親から子への伝承によるものが多く、地方色が濃いのが特徴のようです。様々な昆虫が食材としての位置から消える中、群居性で集めやすく美味しい蜂の子は未だに命脈を保っていると記されていました。
 フランス料理では当たり前のエスカルゴ、陸生の巻貝の一種と言えば聞こえはいいのですが、日本ではデンデンムシ。だれも食材として見る事はありません。フランス料理を楽しむのは一種のステータスと考える方々が多いですよね。でも、すみません。私はエスカルゴを決して美味しいもとは認識していません。でも、どうでしょう。そんなハイカラな皆さんは蜂の子となると、急に顰め面して、「ハエのウジのような気がして嫌」だって。あなたね〜。水洗便所が一般に普及してから、かれこれ40年。未だにそんなこと言ってるんですか、文化人はそんなこと言いませんよ。ドロの中這いずり回るエビやシャコは美味しい美味しいって食べてるんじゃないですか。奇麗好きなヘボちゃんの幼虫なんて彼らよりうんと増しな存在ですぞ。貴重な食材を伝承しないでどうするんですか。声を大にして言いたいのは私だけでしょうか。


10月17日(水)晴れ

 昨晩は疲れていることもあって11時に寝てしまった。だから今朝は4時半に目覚めたのだが、外は暗いし外気温は11度である。明るかった夏場が恋しくなってくる。秋の夜を楽しませてくれた虫の声も今は無い。自分で入れたインスタントコーヒがやけに美味い。それをパソコン前の卓台に置いて雑記を書き始めたが、小林さんの「極楽蜻蛉」のホームページを昨晩見ていなかった事に気づき早速ページをめくってみる。おそらくキイジスの交尾の事がいっぱいアップされているだろうと考えてのことだ。やっぱりである。凄い数の写真をものにされたようだ。金井さんと小林さんのお二人は大きなスクープをものにされている。実に羨ましい限りだ。これからどんどん写真を撮りためて、高原の貴婦人の神秘のベールを剥がしていってほしいものだ。
 14日の日曜日だったが、林地の手入れの為に道幅2メートルの作業道をいれることになり、現場を見に出かけていった。現場に至る中間点に御岳の6合目以上が展望できる場所がある。私はいつもここで車を止め、遥か彼方にそびえ立つ霊峰を眺めている。もうすぐ初冠雪の時期を迎えるが、今年は少し遅れるのだろうか。気持ち御岳が褐色がかって見えていた。紅葉が始まっているのだろうか。その向こうに小林さんの被写体が生息しているのだが、そこまで出かけられないのが無念だと思っていた。その翌日、交尾の写真が送られてきた。実に不思議な気持ちだった。私の思いが彼方、松本まで届いたのだろうか。


10月18日(木)晴れ

 今年もキノコのシーズンがやってきた。今がその最盛期で様々な食用キノコが採取されている。昨年長野県で見たジコボー、アミタケの一種で雑木林に生えている肉厚で軸(足の部分)が固いキノコだ。これと同じアミタケの仲間がここでも採れる。前者とよく似て、傘の裏が網目状になっていて通常のキノコ類とは違い、ヒダではないのだ。長野県で見たそれと違って、若い松林で採れるキノコである。当地ではこれをイクチとかイグチ、又はスドオシなどと呼んでいる。固い茎を切り捨て傘の部分を煮立て、水に曝して灰汁抜きをすると傘の裏が紫色に変化し滑りが出てくる。口に入れるとツルッとした食感で、ろくに噛まないでも簡単に喉元を通ってしまうことから素通(すどおし)?。この名前はこの事が由来だろうか。実はこのキノコ、虫が大好きなのだ。キノコが地中から伸びて傘が開くと同時に虫が卵を産みつけ食害が始まる。幼虫は白い3〜5ミリのミルワームを小ぶりにしたような姿をしていて、キノコを湯がいて揉み洗いをしていると無数に出てくる。尤も食害を受けるキノコはこれだけではなく松茸、箒茸、ズボ茸、全ての食菌が虫害にあっていて、大方の人が知らずにこれを食べているのだが、このキノコ(イグチ)に至っては鮮明に『ムシ』が視認できるのである。これを洗い流して料理するのだが、この段階で食べる人と食べられない人が分かれることになる。
(以下の記載は農林水産技術情報協会から)アメリカ食品医薬局の食品混入昆虫の最大許容レベルは、例えると、ピーナツバタ−100グラムあたり昆虫の断片50個まで、カレー粉は25グラムあたり100個、缶詰トマトでは缶あたりミバエの卵5個とウジ1匹、ウジだけなら2匹までと言った具合である。アメリカの考え方は、このレベルは殺虫剤を用いればもっと下げられるが、無害な自然物の混入を殺虫剤の混入に置き換える事は出来ないとあった。
 この食品と同レベルのものが日本に輸入されて販売されているのであれば、知らないうちに多くの人がこれを食べていることになる。しかし、これで著しく健康を害した報告は全くないし、不買運動もおこっていない。ヨーロッパではチーズに産みつけられた蝿のウジごと食されている。でも、この人達は実にスマートな紳士淑女だ。日本人がイナゴや蜂の子を食べたって野蛮人とはならないのが筋じゃないだろうか。


10月19日(金)晴れ後雨

 先ほど大阪の毎日放送のスタッフから電話があった。HPに掲載している蜂料理の写真を使わせてくれないかとの事だった。この写真は『やんちゃばば』の酒向さんに権利があるもの、そのことを伝えて電話をきった。その『やんちゃばば』のオーナーである酒向さん、えらい事をしでかした。営業品目の一つである朴葉寿司が、なんと「飛騨、美濃、すぐれもの」として認定されたのである。今年の「飛騨、美濃、すぐれもの」にエントリーは102品目。それを百貨店などのバイヤーが厳しく選定。今年は、朴葉すしを始めとする22品目が合格、見事に「飛騨、美濃、すぐれもの」の認定を受けたのでした。今後はネット販売も視野に入れていくとか、どうやら彼女のお陰でヘボが堂々と日の当たる場所に出してもらえる事になりそうなのである。もちろんタカ研は会員である酒向さんに応援を惜しまない所存である。今後は「飛騨、美濃、すぐれもの」のロゴマークを貼った商品が他商品との差別化を計って店頭に並ぶだろう。
 さてヘボちゃんである。このところ砂糖水の消費がガクンと少なくなった。これも毎年経験する事だが、巣の中の幼虫の日齢によるものだろう。日を追ってヘボちゃんの食事内容は克明に変化するのだが、この時期、馬場君たちは餌をストップしてしまう。つまり、何も与えないのである。こうすることによって女王(王台)の詰まり具合が良くなるという。それに佃煮にしたときに感ずる鶏肝臭がなくなるという。これから東白川ではお茶の花が咲いてくる。この蜜を吸った幼虫は最高だ。黄色く太った幼虫は最高に美味しいのだ。


10月20日(土)晴れのち曇り

 今朝の温度は10度だった。こうなってくるとヘボの通いは著しく少ない。時間がたって気温が上がり始めると通いがだんだん多くなってくる。今日も鶏肝と胸肉を半々に吊るしてやったが、お昼には集ったヘボで真っ黒になっていた。そろそろ鶏肝から川魚に餌を変えようかと思っているのだが、あいにく白川は少しだが増水していてウケ(ウエ※魚を捕る為の仕掛け)を仕掛ける事ができない。明日の午後からなら、なんとかウケを仕掛けられる水位になりそうだが、夏場のように順調に水位が下がるとも思えない。これから水温が下がるにつれ、魚も活性が落ちて餌を取らなくなる。仕掛けにかかってくれないのだ。こうなってくる前に、川魚を確保したいのだが、自然条件だけはなんともいたしかたがない。豆アジを代行させる手もあるのだが、いまいち贅沢なヘボちゃんんたちは食が進まない感じだ。砂糖水の摂取は極端に落ちてきて、一リットルくらいを飲み干している。
 今日の午後の事だが嫌なお客様が飛来してしまった。日本ミツバチである。気づいたのが早くてまだ数羽の飛来だった。これをピンセットで捕殺したのだが、彼らは言語にも負けない伝達手段を持っているから厄介だ。後から続く後続部隊を懸念し、一時間あまりもヘボハウスで過ごしてしまった。このミツバチだが、昨年は一羽の飛来もなかった、しかし今年は一群だけだが営巣していることは確かだ。同じく昨年営巣が殆ど確認できなかった、キイロスズメバチも今年は数が少ないものの営巣している事は確かだ。近隣の町ではキイロスズメバチが異常なほどに巣をかけていて、飼育しているヘボが被害を受けているという。今年は地域差が大きいようだ。


10月21日(日)晴れ

 秋の山の散策は心身の疲れを癒してくれます。林道から見た御岳、遥か遠くに見える御岳の岐阜県側は雪化粧でした。
 秋の山に生えるキノコの代表選手、ズボンボ、学名はショウゲンジです。第一級の食用菌とか。
 学名スギヒラタケといいます。このキノコは最近まで食用として一般に食べられていました。ところが、肝臓などに障害がある人で死亡事故が発生することが分かり、2004年の11月に毒性があることが証明されました。食用菌が一転していわゆる毒キノコになった珍しい例です。


10月22日(月)晴れ

まずは、下のリンクの記事をお読み下さい。山梨日日の20日の記事です。

http://www.sannichi.co.jp/local/news/2007/10/20/2.html

 実はこの記事にある服部廉太郎君は「やんちゃばば」のオーナー酒向さんのお孫さんである。詳細を述べると、酒向さんの娘さんが嫁いでいる某大学教授のご子息とおいうことです。甲府バンフォーレの3回生でもあって文武両道に長けた、将来を期待される男の子です。廉太郎君は今度、「やんちゃばば」の『飛騨、美濃、すぐれもの』のロゴマークをデザインすることになりました。デザイン料はさぞかし高くつくことでしょう。その廉太郎君のお母さんからDVDが送られてきました。内容の紹介は明日にでも.......。


10月23日(火)晴れ 十三夜

 今日ちょっとしたハプニングで下呂まで出かけることになりました。そしてその帰り道、東白川の道の駅に立ち寄りました。私はここの雫茶が大好きだからです。入り口近くに来た時、見覚えのある人が椅子に座っているではありませんか。付知の工務店の社長であるHさんでした。Hさんとは木材建築関係の理事会でもよく顔を合わせる仲で、共に重傷のハチキチなのです。今年はどうですかと訪ねると、「途中廃棄する巣が多い、こんな事は初めてだが」という返事でした。私はちょっとしたヒントを掴んだ感じがするので、今夜の雑記を読んででほしいと伝えました。
 それが、この服部夫人から送られてきたDVDの内容だったのです。その内容は、「ミツバチ失踪の謎」というタイトルのテレビ番組でした。内容は以下のようなものです。全米でミツバチが失踪している。7〜10日間でコロニー全体の70パーセントが失踪してしまったというのです。ある日突然に始まるこの事件は、先ず働蜂がいなくなり結果として女王も幼虫も死に絶えてしまうのである。これをColony Collapse Disorder 簡略してCCDと称される現象となった。方向感覚に優れたミツバチが巣に戻らない。そして、その死骸も見つからない。ミツバチは野菜などの受粉に大きな貢献をする生き物である。これが存在しないことは、直接農産物の収穫に影響する一大事なのである。このことはアメリカ連邦議会の大きな問題となって、異例の公聴会がもたれ、あらゆる研究機関が総動員されたのです。研究チームが最初に疑ったのはダニ(Mite)だった。しかしこれは関係ない事が判明。さらに全米から集めた健康なミツバチとCCDのミツバチのDNAを比較Virusを調べた。ダイアナ、コックス博士は、IAPV(イスラエル急性麻痺ウイルス)を91パーセントの検体から検出したのである。しかしオーストラリアのミツバチからも中国産のローヤルゼリーからも、このVirusが検出されたのだが、この地位域ではCCDは起こっていなかったのです。どうやらこのウイルスに農薬とかほかの刺激因子が関与して悪さを仕出かすようだというのですが、完全に原因を特定するには至って居ないのが現状です。このVirus、他種の蜂族にも影響するのではないのでしょうか?


10月26日(金)

 昨日久々にI君から電話があった。彼はなかなかのヘボキチで今までに何度となく大きなコロニーに巣を育て上げた実績を持ている。私の飼育しているヘボの調子はどうかというものだった。おとといも上之保のKさんから電話があってしばらく話し込んでしまった。
 主たる事の話題はさておいて、へぼが話題となると話は尽きる事を知らない。今年の特徴は時期が遅くなってから廃巣することだという。8月中旬から廃巣は始まっているのだが、この場合は勢力の弱い巣を移し替えた場合が多い。しかし巣の勢力が高まった今の時期に廃巣するとなると疑問が頭をもたげてくる。今年は途中廃巣が多いという。おととい「ガバナンス」という雑誌の編集者から取材の申し込みがあった。タカブ研究会の会員であるI君に連絡を入れ取材を受けてくれるよう依頼したところ、自然(山)に残してあった5巣の全部が動物に荒らされていたという。ヘボの天敵は多いのだが様々な災いが原因で、こんなにまで巣が荒らされると来年が心配になってくる。来期の為に今年は越冬女王をいつもより多めに捕獲しないといけないのだろうか。


10月27日(土)雨後小雨

 虹です。久々に虹を見ました。午後5時、小雨が降っています。一本の虹は日が射す檜林から、もう一本の薄い虹もそれに寄り添うように。このように虹を見ると、何だか得をしたような気持ちになり、私だけでなくみなさんに幸多かれ!と思うのです。