電波人間 tackle.
電波人間 tackle.
ブロードブリッジでの戦いの後、藤乃は橙子に無痛症を治して貰うことになったのだが……。
「この姿は、なんですか!?」
事務所に押しかけてきた藤乃は、一目では彼女とは判らない姿をしていた。
何しろ、頭は赤地に黒い水玉模様のヘルメット、おでこには白い二本の触角、顔には黒覆面で目は黄色いアクリルカバーで覆われていた。服装もそれに合わせて、真っ赤なミニスカワンピースに黄色いマフラー、黄色い手袋とブーツ、極めつけは胸に張り付いている黒いお椀を伏せたようなブラだった。
どんな美少女でも、こんな格好をしていたら、余程のマニアでもない限り萌えないだろう。
「喜べ。無痛症を治すついでに、改造してやったのだ」
「余計なお世話ですっ!」
藤乃に睨まれた橙子は、体が硬直した。
「早く、元に戻して下さい」
橙子の身体が、とても人体とは思えない音を立てて軋み出した。
「ま、待て。早まるな。君は今、力を使うのを楽しんでいるぞ」
「そんな事はありません。だって今のわたしは、笑顔じゃないんですよ」
「口の端から血を流して言う事か?」
藤乃は、唇を噛んで笑顔になるのを必死にこらえようとしていた。以前の戦いで式に表情を指摘された彼女は、ちゃんと経験を活かしていたのだ。
「この状態で喋るのは、コツがいるんですよっ!」
言い終えながら、藤乃は橙子に向けて力を行使した。
「今回は、半分だけで勘弁してあげます」
片目をつむった藤乃の力は、橙子を空中で回転させた。
「で、電波投げっ! これだ、私はこれを見たかったのだ、ああっ!」
こりない事を言う橙子は、回転しながら窓を突き破って空の彼方に飛び去っていった。
単に変身を解けばいい事に藤乃が気付いたのは、全てが終わった後だった。
<end>
[後書き]
元ネタは、言うまでも無く仮面ライダーストロンガーのパートナー、タックルです。
突発藤乃コス祭りに参加出来なかったのを残念に思いながら書きました。
本当は、空コス祭りの『少女人形』の執筆中に風邪が悪化してせいで没になった、藤乃が人形になったエピソードを書こうと思いましたが、話が長くなりそうなのでやめました。
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