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2011年採用句




   
2011年12月18日満尾 「珈琲を」の巻



 初表
 発句   珈琲を飲みほし耳に野分かな・・・・・・・・・・・弓月
 脇      長夜をともにじゃれる飼い猫・・・・・・・・・・うさこ
 第三   あばら家に千金の月差し込みて・・・・・・・・・・謡拙
 四句     
盲目となり知ることもある・・・・・・・・・ゆめ比乎
 五句   内外のがらくたすべて打ち捨てん・・・・・・・・・井蛙
 六句     煙草一服インクの匂い・・・・・・・・・・・・・・・木瓜
 初裏
 初句   床の間にそっと活けたる寒椿・・・・・・・・・・・・謡拙
 二句     金婚式の記念の花器に・・・・・・・・・・・・みかん
 三句   手捻りの夫婦湯呑みが手にあまり・・・・・・・・竹生
 四句      モーツァルトなど聴いてみる午後・・・・・・月子
 五句   水平線めざして加速するジャガー・・・・・・ほろよい
 六句     その先にある大陸信じ・・・・・・・・・・・・・・・・bird
 七句   月はただ生きとし生けるものに降る・・・・・・・うさこ
 八句     震災に遭い初めての秋・・・・・・・・・・・ほろよい
 九句   口結び俺はひたすら稲を扱き・・・・・・・・・・貴代姫
 十句     農学講ず赤いネクタイ・・・・・・・・・・・・・・・月子
 十一句 還暦の記念講義は花の前・・・・・・・・・・・・・・・竹生
 十二句    看す看す過ぎる春を惜しめよ・・・・・・・・ふく女
 名残表
 初句   少年の視線は少女潮干狩・・・・・・・・・・・・・・猪群
 二句     裾翻る脛の眩しさ・・・・・・・・・・・・・・・・・・春海
 三句   襷掛け箒手にして新所帯・・・・・・・・・・・・・・・浩平
 四句     同人雑誌を神棚に上げ・・・・・・・・・・・・・ふく女
 五句   しんしんと除夜の鐘の音響きおり・・・・・・・・・浩平
 六句     降りしきる雪ひとりたたずむ・・・・・・・・・・・はる
 七句   討ち入った夫の辞世は胸の内・・・・・・・・・・・鶯声
 八句     川面をすべる舟のゆるやか・・・・・・・・・貴代姫
 九句   前に富士後ろ筑波の贅沢さ・・・・・・・・・・・・・謡拙
 十句     天高く干す六尺褌・・・・・・・・・・・・・・・・貴代姫
 十一句 宿場でも月を待つ間のひと仕事・・・・・・・・・・・・bird
 十二句   紅葉を愛でる隠居のふところ・・・・・・・・・ふく女
 名残裏
 初句   想うても想うてくれないひとといて・・・・・・・・・浩平
 二句    恋のピエロがいつも適役・・・・・・・・・・・・・・謡拙
 三句   青空にブランコだけが揺れている・・・・・・・・・山桃
 四句    はるかぜの腕はるかぜの脚・・・・・・・・・・ぽぽな
 五句   花うらら無常山河を抱きしめて・・・・・・・・・・・浩平
 挙句    すべてを癒す佐保姫の笑み・・・・・・・・・・・・西風


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   2011年7月26日満尾 
「春なれや」の巻



 
初表
 発句   春なれや国の行方のおぼろなり・・・・・・・・・・・弓月
 脇       カオスの中に萌える葦牙・・・・・・・・・・・・・・謡拙
 第三   卒業と入学の子の靴買って・・・・・・・・・・・ゆめ比乎
 四句     夕日に染まる木賃アパート・・・・・・・・・・・・・bird
 五句   卓袱台の月見団子をつまみ食い・・・・・・・・貴代姫
 六句     濃い影を曳き雲水が往く・・・・・・・・・・・・・・春海
 初裏
 初句   分け入りて際限もなし秋の山・・・・・・・・・・・・・甘露
 二句     さながら連歌の道のごとくや・・・・・・・・・・・浩平
 三句   転ずれど離れ難きは過ぎし恋・・・・・・・・・・・・甘露
 四句     ストレイシープと言いし唇・・・・・・・・・・・・・ふく女
 五句    みちのくの雪ひたすらに降りしきり・・・・・・・貴代姫
 六句     金色堂に栄華留めて・・・・・・・・・・・・・・・・・謡拙
 七句   月の夜に人の世決まる定めとか・・・・・・・・・・・・bird
 八句     あたり一面鈴虫の声・・・・・・・・・・・・・・・・・花子
 九句   そぞろ寒瓢の米も尽き果てて・・・・・・・・・・・・・謡拙
 十句     山頭火の動放哉の静・・・・・・・・・・・・・・・・・ばば
 十一句 知らぬ間に知らぬ顔あり花見酒・・・・・・・・・・・・春海
 十二句   宇宙の見える春の岬に・・・・・・・・・・・・・・・・晋晋
 名残表
 初句   お互いの距離感をまだ測りかね・・・・・・・・・・ふく女
 二句     見合いの席の逆光眩し・・・・・・・・・・・・・・・竹生
 三句   
間の悪い失恋ソング聞こえくる・・・・・・・・・・・ふく女
 四句     心新たに旅立ちの朝・・・・・・・・・・・・・・・・・うさこ
 五句   あばら家に密かに咲ける白木槿・・・・・・・・・・・謡拙
 六句     どぶろくあおるオモニも老いて・・・・・・・・・貴代姫
 七句   
語らうは自分の影と清き月・・・・・・・・・・・・・・ふく女
 八句      一直線に踏み出す居合・・・・・・・・・・ゆめ比乎
 九句   出したての質草なれど掌に馴染み・・・・・・・・・井蛙
 十句     すねてじゃれ寄る七歳の猫・・・・・・・・・・・つるこ
 十一句  ジャズの街外灯かこむ夏の宵・・・・・・・・・・・・・・bird
 十二句   若者たちは何処へ消えた・・・・・・・・・・・・・・謡拙
 名残裏
 初句   巻貝が蓋を閉ざせる日本海・・・・・・・・・・・・・貴代姫
 二句     旅の疲れを癒すマンモス・・・・・・・・・・・・・・謡拙
 三句   さんざめく億万の星の子守唄・・・・・・・・・・・・・・浩平
 四句     稚児の頬を撫でる春風・・・・・・・・・・・・・・・・ばば
 五句   満開の花に祭礼進みおり・・・・・・・・・・・・・・・貴代姫
 挙句     沓の先にて遊ぶかげろう・・・・・・・・・・・・・・・井蛙


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   2011年2月27日満尾 
「四苦八苦」の巻



 
初表
 発句   四苦八苦知るや知らぬや秋の空・・・・・・・・・・・・弓月
 脇       年子寝かせてすする新蕎麦・・・・・・・・・・・・・・bird
 第三   月影はおだやかな笑みそそぐらん・・・・・・・・・・うさこ
 四句     唐土めざす風待ちの船・・・・・・・・・・・・・・・貴代姫
 五句   つれづれに琵琶を奏でる友ありて・・・・・・・えどだわら
 六句     黄昏という時はうつくし・・・・・・・・・・・・・・・・ぽぽな
 初裏
 初句   ふところに知覧の石をしのばせる・・・・・・・・・・・ふく女
 二句     初めての恋初めての人・・・・・・・・・・・・・・・ぽぽな
 三句   雪の日の紅き鼻緒が縁結び・・・・・・・・・・・・・・・謡拙
 四句     橋番小屋に咳ひとしきり・・・・・・・・・・・・・・・ふく女
 
五句   ひたひたと赤穂浪士の進みおり・・・・・・・・・・・・・井蛙
 六句     贔屓の父は職人気質・・・・・・・・・・・・・・・・貴代姫
 七句   ふくよかに月に笑顔の御所人形・・・・・・・・・・・黒歌鳥
 八句     弘法市は紅葉に映え・・・・・・・・・・・・・・・・・・謡拙
 九句   芋を食う仏文教授肩越しに・・・・・・・・・・・・・・・・・うら
 十句     ポニーテールの青い目笑う・・・・・・・・・・・・・・はる
 十一句  カツカツと花振りも見ずハイヒール・・・・・・・・・・・春海
 十二句   がんばりの果てふと春愁い・・・・・・・・・・・・・・・謡拙
 名残表
 初句   はぐれたる風船ひとつ屋根を越え・・・・・・・・・・・・ばば
 二句     アビーロードのスタジオの前・・・・・・・・・・・・・月子
 三句   雑踏に像の如くに抱きあい・・・・・・・・・・・・・・・・謡拙
 四句     夢二好みのか細きうなじ・・・・・・・・・・・・・・・・春海
 五句   大門を出る年季を知りもせず・・・・・・・・・・・・・・・竹生
 六句     見上げる空に雁のひとつら・・・・・・・・・・・・・・西風
 七句   ガブリエルという名の犬と秋ベンチ・・・・・・・・・・・月子
 八句     月光浴びる盲目詩人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・鶯声
 九句   朗々とシテの科白は響きおり・・・・・・・・・・・・・・・西風
 十句     あしらう笛よそれぞ松籟・・・・・・・・・・・・・・・・鶯声
 十一句 城跡に韓のうま酒酌み交わし・・・・・・・・・・・・・・うさこ
 十二句   酔眼惑わす妖しき青磁・・・・・・・・・・・・・・・・・春海
 名残裏
 初句   店番のいそぎ蚊遣りを焚き始め・・・・・・・・・・・・・bird
 二句     片耳あげるまどろみの猫・・・・・・・・・・・・・・ぽぽな
 三句   パソコンのキーが朝から動かない・・・・・・・・・貴代姫
 四句     ツイッターより春の革命・・・・・・・・・・・・・・・・花子
 五句   いつの世も花の姿は花のまま・・・・・・・・・・・・ぽぽな
 挙句     富士をいただく国のどかなり・・・・・・・・・・・・・甘露


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2007年〜2010年 採用句


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