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初表
発句 珈琲を飲みほし耳に野分かな・・・・・・・・・・・弓月
脇 長夜をともにじゃれる飼い猫・・・・・・・・・・うさこ
第三 あばら家に千金の月差し込みて・・・・・・・・・・謡拙
四句 盲目となり知ることもある・・・・・・・・・ゆめ比乎
五句 内外のがらくたすべて打ち捨てん・・・・・・・・・井蛙
六句 煙草一服インクの匂い・・・・・・・・・・・・・・・木瓜
初裏
初句 床の間にそっと活けたる寒椿・・・・・・・・・・・・謡拙
二句 金婚式の記念の花器に・・・・・・・・・・・・みかん
三句 手捻りの夫婦湯呑みが手にあまり・・・・・・・・竹生
四句 モーツァルトなど聴いてみる午後・・・・・・月子
五句 水平線めざして加速するジャガー・・・・・・ほろよい
六句 その先にある大陸信じ・・・・・・・・・・・・・・・・bird
七句 月はただ生きとし生けるものに降る・・・・・・・うさこ
八句 震災に遭い初めての秋・・・・・・・・・・・ほろよい
九句 口結び俺はひたすら稲を扱き・・・・・・・・・・貴代姫
十句 農学講ず赤いネクタイ・・・・・・・・・・・・・・・月子
十一句 還暦の記念講義は花の前・・・・・・・・・・・・・・・竹生
十二句 看す看す過ぎる春を惜しめよ・・・・・・・・ふく女
名残表
初句 少年の視線は少女潮干狩・・・・・・・・・・・・・・猪群
二句 裾翻る脛の眩しさ・・・・・・・・・・・・・・・・・・春海
三句 襷掛け箒手にして新所帯・・・・・・・・・・・・・・・浩平
四句 同人雑誌を神棚に上げ・・・・・・・・・・・・・ふく女
五句 しんしんと除夜の鐘の音響きおり・・・・・・・・・浩平
六句 降りしきる雪ひとりたたずむ・・・・・・・・・・・はる
七句 討ち入った夫の辞世は胸の内・・・・・・・・・・・鶯声
八句 川面をすべる舟のゆるやか・・・・・・・・・貴代姫
九句 前に富士後ろ筑波の贅沢さ・・・・・・・・・・・・・謡拙
十句 天高く干す六尺褌・・・・・・・・・・・・・・・・貴代姫
十一句 宿場でも月を待つ間のひと仕事・・・・・・・・・・・・bird
十二句 紅葉を愛でる隠居のふところ・・・・・・・・・ふく女
名残裏
初句 想うても想うてくれないひとといて・・・・・・・・・浩平
二句 恋のピエロがいつも適役・・・・・・・・・・・・・・謡拙
三句 青空にブランコだけが揺れている・・・・・・・・・山桃
四句 はるかぜの腕はるかぜの脚・・・・・・・・・・ぽぽな
五句 花うらら無常山河を抱きしめて・・・・・・・・・・・浩平
挙句 すべてを癒す佐保姫の笑み・・・・・・・・・・・・西風
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