第3節
ミニ新幹線の武器


  ※この節は、発表当時に比べ、ダイヤが大幅に変わっていますのでご注意下さい。
   赤字は2001年3月度現在の訂正です。尚、運行本数は定期運行(運航)のみの計算です。
   
青字は2003年11月度現在の訂正です(同上)。

 前ページで触れたように、ミニ新幹線とは、山形新幹線・秋田新幹線において採用された方式である。ミニ新幹線は、従来の在来線を改良するだけなので、建設費・工期を少なくすることができた。実際、山形・秋田両新幹線は、北陸新幹線よりも、着工が遅かったにもかかわらず、開業は、北陸新幹線よりも早かった。

 ミニ新幹線のもう1つのメリットは、在来線をそのまま利用できるということも、先に挙げた。山形新幹線の場合は、新幹線「つばさ」15往復(※19往復に変更)の他に、福島〜庭坂間に5往復、福島〜米沢間に4往復(※5往復に変更)、福島〜山形間に2往復(※1往復に変更)、米沢〜山形間に15往復(快速「ざおう」3往復も含める※快速「ざおう」廃止※17往復に変更)の普通列車が運行されている(※米沢〜新庄間に1往復新設)。 秋田新幹線の場合は、新幹線「こまち」14往復(※16往復に変更)の他に、田沢湖線(盛岡〜大曲間)では、盛岡〜田沢湖間に10往復(雫石・春木場・赤渕発着も含める※9往復に変更)、田沢湖〜大曲間に4往復(角館発着も含める)、盛岡〜大曲間に3往復の普通列車が運行されている。 奥羽本線(福島〜青森間のうち、大曲〜秋田間)では、11往復の普通列車(院内・横手・新庄発着※19往復に変更、下記格下げ快速・普通含む)と、特急「こまくさ」(山形〜秋田間)が2往復(※新庄延伸で快速「こまくさ」(新庄〜秋田間)に変更※愛称なし「快速」2往復に変更)、快速「かまくら」(新庄・湯沢〜秋田間)が3往復運行※普通に格下げされている。

3本レール(峰吉川〜刈和野間) 秋田新幹線の場合は、田沢湖線は全線標準軌化されているが、大曲〜秋田間は、もともと複線だった路線を、片側標準軌、片側狭軌として、両方式単線運行を行っているため、山形・新庄方面(新庄以北からのみに変更)からの狭軌列車も、秋田まで乗り入れる運行が可能となっている(神宮寺〜峰吉川間は、秋田新幹線上下線すれ違い用に、3本レールを採用している)。

 また、山形新幹線は、乗り換え無しで東京〜山形間を最速で、2時間27分(「つばさ101号」の場合※「つばさ127号」の2時間30分が最速新庄は同列車で3時間14分が最速)で結んだため、山形地区のシェアを航空業界から奪取した(※ANAグループは東京-山形線から撤退、JALグループが新規参入)。航空機のフライト時間は55分(ANA801・809便※JAS259便)、東京駅から羽田空港まで約30分、山形空港から山形市街まで約40分と、机上の計算では約2時間の所要時間であるが、空港における煩瑣な手続きや、直前搭乗ができない(新幹線なら直前搭乗ができる)ことが、その原因として考えられる。

 但し、これは、山形が航空機にとって中途半端な距離であること、山に囲まれているために、旋回しながら離陸・降下しなければならないという、特殊な地理的条件に起因する。そのため、予定されている整備新幹線の全てで期待できることではない。現に、秋田新幹線の場合は、最速で3時間49分(「こまち3号」の場合※「こまち29号」が最速、3時間50分)であるのに対し、航空機は上記の計算方式で、約2時間10分(ANA・JALの計6便全て※ANA・JAS計8便に増発)の所要時間となるため、シェアを奪うまでには至っていない。ちなみに双方を料金で比較すると、東京〜山形間の場合は、通常期・閑散期・繁忙期の順に、新幹線は10930円・10730円・11130円(普通車指定席)、航空機は、12050円・11550円・13450円(ANA、空港アクセス費は含まない)である。東京〜秋田間の場合は、上記と同じ条件で、新幹線は16810円・16610円・17010円、航空機は、17250円、15350円、17950円(ANA・JAL)であり、運賃の面からみても、山形は新幹線が有利ではあるが、秋田はそうではないと言えるであろう。ただ、秋田の場合も、運転(運航)本数が新幹線14往復(※16往復)に対し、航空機は6往復(※8往復)、また、空港アクセス(費用・時間)や空港手続きを考えると、一概に航空機が有利な市場とは言えない。

※2000年4月の航空自由化により、航空機には通常期・閑散期・繁忙期という料金体系はなくなり、片道通常運賃を約15%値上げした(東京〜山形15000円、東京〜秋田20500円)。繁忙期には片道基準運賃が適用され、それぞれ17000円、22500円となる。その変わりに、通常期は、往復航空機を利用する、往復割引を設定し、山形では片道当たり13000円、秋田では17100円となっている。
※航空料金は、現在、特定便指定割引他の割引料金が充実し、一概には比較できなくなっている。ちなみに特定便割引でいうと、山形ではJAS259便¥13800、秋田ではANA873・875便¥12300、877・879便¥13800、JAS261便¥10300、263便¥12300、265・267便¥13800となっている。


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