第2節
しなの鉄道の発足


 北陸新幹線開業に伴い、「しなの鉄道株式会社」が発足した。その経緯を簡単に振り返ると、

  ・平成2年12月24日 整備新幹線の着工についての政府、与党申し合わせ
                ⇒「新幹線の建設着工する区間の並行在来線を、新幹線開業時に、JRの経営から
                  分離することを、認可前に確認する」とされた

  ・平成3年2月1日  並行在来線沿線市町長会議

  ・平成3年5月23日  御代田町が合意
                             ⇒2市はフル規格による恩恵が少なく、第3セクターへの合意が遅れた
  ・平成3年6月3日  小諸市が合意 

  ・平成3年6月5日  運輸省(当時)、JR東日本に地元調整が整ったことを報告

  ・平成3年7月29日  並行在来線の取り扱いについて、県とJR東日本とが合意

  ・平成3年8月30日  長野県第3セクター鉄道検討協議会設立

  ・平成8年4月19日  会社設立総会

  ・平成8年5月1日  「しなの鉄道株式会社」発足・会社設立登記

  ・平成9年4月14日  第1種鉄道事業免許申請

  ・平成9年6月19日  第1種鉄道事業免許取得

  ・平成9年7月9日  運賃認可申請

  ・平成9年7月30日  運賃認可(上限運賃)

  ・平成9年10月1日  開業

となっている。本社は長野県庁東側の、婦人会館2階(長野県長野市大字南長野字幅下668−2)に置かれ、46000株を発行、資本金23億円で事業がスタートした。

 その資本比率をみると、長野県が全体の3/4(75%)となる、17億2500万円を出資し、沿線自治体である、長野市・上田市・小諸市・軽井沢町・東部町・更埴市・坂城町・御代田町・戸倉町・佐久市(出資額順)が、合計で3億4500万円(全体の15%)を出資している。その他では、金融機関(主に株ェ十二銀行)や、交通事業者(主に長野電鉄梶j、地元の経済団体が出資している。詳細はこちら

 会社役員の構成をみると、代表取締役社長には、山極達郎氏(前長野県出納長)が就任し、専務取締役には会津三郎氏(前八十二銀行営業総括部長)、常務取締役には、熊井攻氏(前長野県第3セクター鉄道対策室長)が就任しており、その前歴をみると、興味深い人事となっている。その他、非常勤取締役としては、現職の市町長や、長野県副知事が就任しており、地元と、地方行政に根付いた鉄道経営がみてとれる。詳細はこちら

 会社全体の人事構成をみると、社員239名(開業当時)のうち、JRのOBが155名、新規採用(プロパー)が54名、民鉄(西武・東急)からが15名、県からが14名、八十二銀行からが2名となっている(出向・役員含める)。

 使用車両は、部品管理の面から、JRの近郊型車両115系と、急行型車両169系を使用する。これらの車両について、地元は無償譲渡を要求したのだが、株式上場企業でもあるJR東日本側は、これに難色を示し、結局、県の譲渡金額無利子融資による、有償譲渡という形で落ちついた。運行上必要なのは、17編成51両であったが、JR側の都合で14編成42両しか捻出できず、不足分3編成分は、JRからの相互乗り入れという形になった。これらの車両の交番検査、定期検査は、長野鉄道の子会社、長野電鉄テクニカルサービスに委託されている(長野電鉄は株主の1つ)。  


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