街道をゆく〜富士五湖へのみち〜
目的は、富士山麓の白糸の滝訪問です。
標題は、司馬遼太郎の紀行文「街道をゆく」(朝日文芸文庫)のそのままパクリです。
1.甲州街道・猿橋 |
2004年1月、諸処の事情から、一人暮らしを始めることになりました。自由な時間と空間を手にした反面、資金的に今までのようなペースで旅に出ることができなくなってしまった、という新たな問題も発生してしまいましたが。
そんな頃、どうしても旅がしたくなって、近場を車で攻める(安上がりに旅をする)ことにしました。しかし、北関東はまだ残雪があるだろうし(チェーン・スタットレスタイアは持っていません)、東関東はいまいち惹かれない・・・・そんな中、以前より行きたいと思っていたところがありました。
それは、山梨県の「猿橋」と、富士山麓の「白糸の滝」です。甲州街道を経て、富士五湖経由で行けば、なかなか面白いルートになるのではないでしょうか?
というわけで、早速出発です。

通常、車で遠出する時には、朝早く出るようにしているのですが、今回は出発前にいろいろと準備していたら、6:00くらいになってしまいました。都内はそろそろ渋滞が始まる時間帯です。
環八を経由して、高井戸から甲州街道に入ったら、もう7:00過ぎになっていました。
甲州街道は、しばらく街路樹が続く、心地いい道が続きます。まだ木々は葉をつけてはいませんが、夏になると、鬱蒼と繁った木漏れ日の下を走ることになります。
学生時代、交際相手が八王子在住だったこともあり、この道は中央道と共に通い慣れた道。
当時のことを思い出し、なんだか懐かしくなります。
甲州街道は、途中、日野を通ります。ここには、日野市街に入ると道路脇には「誠」「誠」「誠」・・・・・そう、ここは新撰組幹部の出身地でもあります。
2004年に、NHKの大河ドラマになったこともあって、新撰組ゆかりの地は、今、大フィーバーになっているようです。元々ファンが多いこともありますしね。日野の本陣跡は、今でも新撰組が駐留しているのか!?と思うくらい、多くの旗に覆われていました。
日野から八王子を経て、小仏峠へ。ここは、夜間走ったことはあるものの、日のあるうちに走るのは初めてでした。夜間の経験しかないだけに、昼間の意外な交通量の多さに驚きました。あとは、景観の良さにも。でも、峠道での渋滞は、結構イライラするかも。

で、辿り付いたのが、ここ猿橋。
猿橋訪問は実は2回目。前回訪問は、昇仙峡訪問の帰り道。この時は、夜間であまりよく見えなかったので、まともに見るのは初めてになります。
この猿橋は、実は「日本三大奇橋」の1つとされています(あとの2つは山口県の錦帯橋と、徳島県のかずら橋)。しかし、首都圏の人間でもあまりその存在を知る人はいません。
こうして見る限りでは、何の変哲もない普通の橋。何で「三大奇橋」と称されるのかは、いまいちわかりません。
余談ですが、「猿橋」の名は、関東の人なら「地名」として知っている人は多いはずです。
中央道の「猿橋バス停」付近と言えば、東名の「綾瀬バス停」付近と共に渋滞の名所(?)であるからです。帰省シーズンになると、必ず道路交通情報で出てくる地名なだけに、知名度は高いはず。
でも、「猿橋」という「橋」があることは、あまり知られていないんでしょうね。

猿橋が「三大奇橋」とされているのは、その構造の巧みさもあるかもしれません。
猿橋のすぐ脇に、展望台(?)があるのですが、そこからは橋の裏側を見ることができます。
緩やかなアーチを描く木製の橋を、重厚な支えで渡しています。
この辺りの構造は実に見事で、錦帯橋と似ているところもあります。
しかし、このアングルでは、「三大奇橋」であることがわかりにくいかもしれません。

このアングルならわかりますでしょうか!?
猿橋のすぐ隣に、自動車も通れる新しい橋が架けられているのですが、こちらは、新しい橋から撮影したもの。
そう、この猿橋は、「断崖絶壁に、橋桁なしで架けた橋」なのです。
そりゃ、この高さだったら、橋桁なんぞ無理でしょうな。重厚な支えは、橋桁が架けられないことへの対策なのでしょう。
実際にこの橋を渡ってみると、木製なだけに微妙に軋み、ちょっと怖いです。
その昔は、甲州街道の交通の難所として知られていました。「三大奇橋」に認定されているのは、こうした歴史上の認知度もあるんでしょうね。
今は、「新猿橋」が国道20号(甲州街道)に架けられているために、知名度はあまりないのかもしれません。
甲州街道を更に西へと進み、大月で大きく左に曲がって富士急行線沿いに・・・・・と行きたかったのですが、この辺りから疲労を感じたため、一気に高速道路へ。中央自動車道の大月ICから、一気に河口湖ICへ。
河口湖から、富士五湖を経由して白糸の滝まで行く、という計画。富士五湖のそれぞれから見た富士山の比較という楽しみもありました。
河口湖ICからそのまま河口湖へ向かったのですが、オフシーズンのためか、人通りは少なかったです。
このまま一気に、次の西湖に向かおうかと思ったのですが、道路地図を見ていると、山の上に「天下茶屋」という字が。
大阪にも「天下茶屋」という地名がありますが、何となく地名に惹かれたので、行ってみることにしました。
河口湖を通り過ぎて、山道を登り(この山道は結構な距離があり、所々残雪があったりしました)、ようやく天下茶屋に到着しました。

山並の向こうにそびえる富士山。眼下には河口湖を従えています。
誰が名付けたか、「天下茶屋」。確かに茶店らしきものはあるものの、こちらは景観を楽しむスポットでもあります。こちらには、アマチュアカメラマンとおぼしき方が大勢いらっしゃいました。
私もここで、しばし富士山を眺めていました。茶店の店頭にある自動販売機で水分補給を済ませたのですが、山独特の風に吹かれて、とても気持ちがよかったです。
空には、刷毛で引いたような柔かな線で、雲がたなびいていました。
なんだか、少しずつゆっくりとやってくる、春を先取りして体感できたような気分です。