鈴鹿観戦記2004

1999年以来2度目の鈴鹿観戦です。
今回は佐藤琢磨の活躍に観客席は15万人が一体化してました。


2.予選1回目・2回目

どうにか鈴鹿サーキットに到着したのは、9:10頃。正面ゲートから入ろうとするくらいから、エキゾーストノートが既に聞こえ始めていた。やっぱり、予選1回目が始まってしまったか・・・・・人込みに流されるようにして進んでいくと、TOYOTAのブースのサーキットビジョンで、キミ=ライコネンの走りが流されていた。路面はウェット。後半戦復活傾向にあったマクラーレン=メルセデスだが、どうも伸びない・・・・昨年トップタイムをマークしたセクター3で思ったよりも伸びない。早くもマクラーレン苦戦の予感がした。

そしていざ観戦ポイントへ。今回も知り合いのつてで頼んだだけに、最高の席だった。鈴鹿は2回目だが、いずれもグランドスタンドでしか観戦したことがないという、非常に贅沢者だ。

グランドスタンドより
指定席に記してあった席に座るとこんな感じ。丁度、BARホンダピットの正面(正確に言うと、ザウバーの正面あたりか・・・)であった。この席はホームストレートから2コーナー、S字、ダンロップの辺りまで見渡すことができる(1コーナーはややブラインド)。

鈴鹿のホームストレートは、黒く湿っている。やはり昨夜の台風による降雨は、一晩では乾かなかったか。

この時点で9:00を少し回っただけだというのに、グランドスタンドを始め、1コーナー、2コーナー、S字の辺りは既に鈴なりの状態。あんたら、一体何時からスタンバっているんだ!?

遠くの方から咆哮が聞こえてきたと思ったら、アタックラップに入っていたアロンソが戻ってきた。予選1回目は前戦中国GPのリザルト順のようだ。しかし、路面が不安定なようで、ライコネンのタイムを上回ることもできない。

 

 

琢磨予選トップへ!!
そして、いざ佐藤琢磨が予選1回目に出陣。グランドスタンドは歓喜の声が響き、近辺にはエアホーンが鳴り渡る。

琢磨はゆっくりしたペースでウォームアップを続けていく。1コーナー、2コーナーと進んでいくにつれ、近辺のスタンドが揺れていく。まるでウェーブのように。

昨年の日本GPは、琢磨がどこを走っているか、観客席を見るだけでわかったというが、なるほど、こういうことか・・・と思った。

琢磨はゆっくりとタイヤを温めて、130R手前から猛然と加速し、いざ、フォルテシモへ。

リズムよくS字を抜けていくと、あとはサーキットビジョンを見守るしかない。
デグナー直後のセクター1計測で、トップ、バリチェロを上回った。路面状況が好転しつつあるとは言え、フェラーリをぶち抜いてみせた。鈴鹿中に大歓声が沸き起こった。

グランドスタンドは皆祈るようにして、琢磨の走りを見守っていた。130R手前のセクター2でもトップ。そして、ホームストレートに帰ってきた。

1'40''135(‐0''866)

これまでのトップ、バリチェロの1'41''001を1秒近くも上回った。再び鈴鹿に大歓声が沸き起こる。ピット上の順位ボードには、1位カーナンバー10の表示がなされる。

フィジケラピットイン
その後、有力ドライバーが次々とアタックしていく。

琢磨の次はG=フィジケラ。ウェットに強いドライバーだ。私は彼が今回の予選のキーマンではないか!?と思っていた。しかし、ザウバーのマシンの動きが鈍い。台風の影響でセットアップが進んでいないのか!?

各車はドライセッティングを1度も試せていない状況での予選1回目だった。フィジケラはセクター2で琢磨に迫るものの、最終的には琢磨が僅差で逃げきった。しかし、その差は0''016しかない。路面は後半に向けて、次第に乾いていく傾向にあるようだ。

しかし、10番手スタートのM=ウェーバーが遂に琢磨をトップから引きずり下ろした。鈴鹿は溜息が乱れ飛んだ。ジャガーのマシンは、それほど動きが良いとは思えなかったが、ウェーバーが力でねじ伏せていっているという感じだった。路面も回復傾向にあったのが大きかったのかもしれない。

 

 

おかえり、ジャック!!
ウェーバーのアタックの次は、いよいよジャック=ヴィルヌーヴのアタック。中国GPからルノーで復帰したものの、さほどのパフォーマンスは見せることができていなかった。

でも、私は全日本F3参戦時代から注目し、INDY500制覇もTVで観戦していたし、1996年オーストラリアデビュー戦PPから、1997年ヘレスでのタイトル獲得と、ずっとジャックを応援していた。

ルノー撤退から勢いがなくなっていき、新チームBARに移籍するも、車の熟成が進まず、ついに、今年度はシートを失っていたものの、ルノーから復帰。
コンストラクターズタイトル2位死守のために、BAR撃墜を依頼されたわけだが、ルノー撤退でBAR移籍を決め、そして今度はBAR撃墜をルノーに依頼される、とは何とも不思議な宿縁ではないだろうか?

いざ、ジャック出撃。しかし、セクター1からして伸びない。コーナリングに強いルノーR24で、セクター1で稼げないのは致命的だ。最終的に予選13位というリザルトだったのは、昔からのジャックファンとしては、実に寂しい結果だった。

 

その後、前戦中国GPで踏んだり蹴ったりだった、M=シューマッハがアタック。彼もウェットには強い。しかし、もう、この頃には路面は乾きつつあった。1'38''397のタイム。89年マクラーレン=ホンダ、セナのPPタイムが1'38''041だから、いかに近代F1が速いかがわかる。ハーフウェットの予選1回目でこのタイムだもんなぁ・・・・・・続いてラルフがアタックするも、微妙に兄には届かなかった。

 

そして最後にTOYOTAトゥルーリがアタック。前戦中国GPを出走していないので、最後のアタックになったのだろうが、これはかなりオイしい展開だったと思う。レコードラインは白く見えるほどに乾きつつあったからだ。白い車に銀のヘルメットがよく似合う。カラーリングの問題だけなら、相性はルノーよりもTOYOTAの方があっているかもしれない。

トゥルーリはセクター1からトップタイム。鈴鹿の15万人は、誰も予想していなかったようで、誰もが驚いていた。コントロールライン通過で、1'37''716(!)路面が有利だったとはいえ、今年苦戦続きのTF104Bでのトップタイムはさすがと言わざるを得ない。

 

最終的に琢磨は、6位で予選1回目を終えた。約10分のインターバルを置いて、予選2回目が始まる。路面はまだハーフウェットな状態なので、後から出走する方が断然有利であることが、誰にでも簡単に予想できた。そう考えると、出走が早かった予選1回目で、6番手のタイムをマークしたのは、快挙と言えるし、予選2回目に向けて、とても大きいリザルトだった。

 

そして、2回目の予選がスタート。ミナルディのピットは実に慌しかった。ほとんどセッティングもいじれてないようだったなぁ。
順当にタイムが次々と更新されていく中、琢磨の僚友、J=バトンが1'35''157でトップに踊り出た。

前戦優勝のバリチェロはタイムが伸びず、後方に沈んだ。セッティングを間違えたか!?動きを見る限りでは、燃料を多く積んでいるいるようには見えなかったので、もしかしたらドライ寄りにセッティングしなおして失敗したのかもしれない。

 

予選2回目、琢磨出撃
そしていざ、琢磨出撃。15万人は歓呼の渦に包まれた。BMWの帽子を被っている人も、マクラーレンのTシャツを着ている人も、TOYOTAのジャケットを着ている人も、全ての人が琢磨出撃と共に、拍手で送り出していた。

路面はまだ若干ウェットな路面。しかし、琢磨はキビキビとした動きで抜けて行く。
セクター1、セクター2とトップタイム。マイナス表示がサーキットビジョンに映し出される度に、各スタンドは地響きのような雄叫びをあげていた。すげぇ、これ。15万人の咆哮は、日常生活では絶対ありえない迫力がある。

セクター3もトップタイム。このままならPPも!?と誰もが思った瞬間、BAR006が真横を向いた。まだ濡れている最終シケインで、リアタイヤが流れていってしまったのだ。

ああああああああっ!!!

15万人がほぼ同じリアクション。8割方がカナダGP予選を思い出したのではないか!?しかし、このままスピンアウトを思われた瞬間に、琢磨は見事にBAR006をねじ伏せ、何事もなかったかのように、最終コーナーを立ちあがってきた。

1'34''897

91年マクラーレン=ホンダ、ベルガーのPPタイム、1'34''700(2001年に破られるまで、10年間コースレコードだった)に匹敵するタイムを刻んできた。琢磨予選トップ。鈴鹿が三たび湧いた。残るは5台。

F1ラストランのパニスが駆け抜けていくものの、琢磨を上回れない。しかし、ウェーバー、ミハエル、ラルフはあっさりと更新していった。
最後、予選1回目で見せたトゥルーリが出撃するものの、琢磨を上回れず、結果予選6位。琢磨の予選4位が確定した。

 

しかし、午後の決勝に向けて不安が残った。それは、琢磨の予選4位のグリッドは、イン側でレコードラインではないこと。決勝スタートの時点では、路面が乾ききらないかもしれないし、ラバーグリップも大きなものにならないだろうと思われた。

 

 

ん!?何で予選2回目の方が写真が少ないかって?

そりゃ、2回目の方が集中してマシンの挙動を見ているからですよ。
写真なんか撮ってる場合じゃないですから。