「天気晴朗ナレ共浪高シ」

目的は、横須賀周辺の散歩です。
標題は、日本海海戦の参謀秋山真之が開戦直前に起草した名打電です。


1.横須賀へ

司馬遼太郎の長編小説「坂の上の雲」。私が尊敬する先輩から薦められた本なのですが、元来中世史(戦国時代など)に興味があった私が、近代史に興味を持つきっかけとなる1冊(全8巻ですが・・・)となりました。

「坂の上の雲」は、日露戦争が題材となっているのですが、日露戦争の日本海海戦において活躍した、戦艦「三笠」。実はこれが、現在横須賀に保存されているのです。

「坂の上の雲」を初めて読んだのは、もう5〜6年前のこと。三笠が保存されているのは、それより前に知っていました。が、突然(いつものことですが・・・・)、「戦艦『三笠』が見たいっ!!」と思ったので、横須賀に出かけることにしました。

京浜急行「横須賀中央駅」
何の前知識もなく、京急で横須賀中央駅へ。京急を選んだ理由は、ただ単純に安いから。という理由です。

ところが、実はこれが正解であったことが後に判明することになります。
横須賀の中心街は、京急の方なんですね。JR横須賀駅はちょっと市街から離れたところにあるのです。

しかし、何でJRと京急って仲悪いんだろう?品川と横浜以外の駅は、嫌がらせのように離れています。川崎なんて嫌がらせ以外の何物でもないと個人的には思います(中途半端に近い)。
横須賀は、JR横須賀駅の最寄りの京急の駅が2つ手前の逸見駅である、というくらいの離れっぷり。

 

横須賀中央駅で駅前の地図を見て、後は方向感覚だけで、記念艦「三笠」を目指します。
しばらく歩くうちに「三笠公園⇒」という看板を発見。うむ、間違ってはいなかったようだ。

記念艦「三笠」
三笠公園に到着。おおっ!!初めて見る戦艦三笠。艦尾の旭日旗が燦然と輝いています(曇り空ですが)。旭日旗は、軍隊の象徴のようなものなので、いいのかな?という気がするのですが、憲法9条の問題を考えなければ、軍艦にはこの旗が一番似合います。

見えにくいのですが、噴水の真ん中に、日本海軍連合艦隊司令長官、東郷平八郎と思われる銅像が立っています。日本海海戦開戦時の有名な信号文、「皇国興廃在此一戦(皇国の興廃、この一戦にあり)」が、像の基部に刻まれていました。

「三笠」は海に浮いているように見えますが、実は周囲を埋めたてられています。

 

 

 

「三笠」艦橋より
船を一通り廻って、艦橋に上ります。真下に見えるのが、主砲の三十サンチ(12インチ)砲です。

私が立っているのは、東郷平八郎が立っていたとされる場所です。
艦橋には、日本海海戦時に、第一艦隊の首脳陣が立っていた場所が、それぞれ記されています。

東郷平八郎は、海戦の最中、微動たりもしなかったという話が残っています。ロシア・バルチック艦隊が発した砲弾が周囲に着水した際の飛沫が、艦橋にまで達したというのですが、戦後、東郷平八郎が立っていたところだけ、乾いていた、という話は有名です。

艦橋に立ってみると、明治末年まで残った、豪胆な薩摩隼人の気風が伝わってくるような気がしました(東郷平八郎は薩摩藩出身)。

 

 

この後、中甲板の資料を見学しました。日露戦争に関する資料(特に写真)は秀逸で、もし「坂の上の雲」を読んだのであれば、この記念艦「三笠」を訪れることをおススメします。登場人物や、各海戦の様子、日本・ロシア海軍の主力艦の写真に見とれてしまい、私は全部見るのに、4時間くらいを要してしまいました。

 

記念艦「三笠」前方より
記念艦「三笠」正面より。菊の御紋が、艦首に打ちつけられています。

船内にある、太平洋戦争時の日本海軍戦艦の模型と、同縮尺の「三笠」を見比べると、やっぱり見劣りがするのですが(当然ながら、40年の差があります)、こうして見ると、堂々とした戦艦です。

日本海軍の誇りでもあった、戦艦「大和」が、無理な出撃をして沖縄沖に沈まずに、現在、どこかの港に保存してあれば、もっと堂々たる威容を見ることができたのでしょう。

 

 

 

 

 

記念艦「三笠」側砲
「三笠」には、このように、ペイントされている部分がいくつかあります。

実はこれ、ロシア海軍の砲弾が命中した箇所を示しています。ここ以外にも、いろんな箇所がペイントされており、そこには、戦死者の名前が全て記されていました。

士官室に、戦死者の一部の写真が飾られていましたが、皆若い。
壮年というよりも、少年です。

会津若松の時のような気持ちになりました。
こうした人達の犠牲の上に、今の日本があるのだなぁと、つくづく思いました。日本を守るために死んでいった彼らは、その後の軍隊の暴走と、現在の日本をどのような気持ちで見守っているのでしょう?

 

 

 

三笠公園
記念艦「三笠」を後にして、三笠公園を横須賀港方面に歩きます。
三笠公園は、水をうまく配置し、歩いていて、とても気持ちのいい公園です。

ん?何これ?

実は、横須賀生まれの「日本丸」(横浜港にて保存)を記念して造られた、メインマストの1/3の模型です。

でも、メインマストだけっていうのも、なんだか不気味です。

 

 


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