田舎で暮らしていると、都会では考えられないような「つらいこと」がある。

その中でも、一番大変なのは庭の手入れだろう。一戸建ての家を持っている人なら誰でも思うだろうが、夏場の雑草の処理は大変だ。庭だけならともかくとして、畑、道路の周囲、湖畔、山の中・・・小さな草や葛、そして雑木。夏場の休日は鋸と鎌、斧を持って、それは広い広い庭を掃除するのである。

葛(かずら)と付き合う
木に葛が登っていることが良くある。直径が数ミリ程度の葛から数センチにもなる葛がある。従ってそのまま放っておくと、その木は、葛に締め付けられたり、養分を取られたり、葛と木の間に虫たちが巣を作ったりして、木が枯れてしまうことがある。木の根元の葛を切ってしまえば上のほうは放っておけば枯れてしまうのだが、この葛の処理は重労働である。
桜の木に巻きついた葛。下の所で切断しているので、時間が経てば枯れてしまう。 杉の木に巻きついた葛。
山と付き合う 1
上の写真左は、湖岸道路から水面を眺めた写真だが、この写真のように水辺と道路の間には草木が生えている。この草木は、年に一度くらいは道路脇の草刈だけはやってくれるが、こんな田舎に回す予算が無いのか雑木の伐採はめったにやってくれないために雑木(特に竹)が伸び放題である。積雪や台風の時にはこの雑木が倒れて道を塞ぐことがよくある。そのため家の周囲の湖岸の雑木伐採を自分でやらなければならない。

山と付き合う 2
写真は裏の竹山の様子だが、下に生えている雑木を伐採し、年寄りになった竹と新しい竹を入れ替えるために、古い竹を伐採したところ。切り倒した竹はこのまま放っておいてもいいのだが、山の中を歩き回るときに非常に苦労する。そのため、この切り倒した竹を一箇所に集める作業が残っている。このように山の手入れを怠らなければ山の幸を得ることが出来るし、土砂崩れなどの災害に遭うことも無い。しかし最近ではこのような山仕事をする人がいないため、山は荒れてしまった。自分にしても家の周囲の山の手入れは出来るが、他の持ち山の手入れまでは出来ないでいる。
ペットと付き合う
ペットを捨てる時、どうしてこんな山奥に来て、捨てるのだろう?餌も無ければ、ねぐらも無い。いや、そういう問題ではなく、ペットはたとえ何処でも捨てるな!つい最近では、シベリアンハスキー。その前は、百一匹ワンちゃんのブチの犬と、買えば高価なペットを捨てていく。これじゃ昔の姥捨て山だ!
2005年6月には「ウコッケイ(鶏)」が捨てられていた。そのうちにイタチなんかにやられてしまうだろうと思っていたら、現在も山の中で元気にしているようだ。時折、けたたましく鳴いている。

虫たちと付き合う
ムカデ、クモ、ミミズ、蛇、カメムシ、ヤモリ、蚊、アブ、嫌な虫たちは春雷と共に沸いてきて、北風と共に土にもぐってゆく。
ゴキブリなんてかわいいものだ。寝ていると天井からムカデが落ちてくる。トイレットペーパーロールからペーパーを引き出すと紙にムカデがへばりついてくる。玄関を開けるとでっかいミミズが目の前で、のたうちまわっている。
このでっかい大ミミズを見たい人は・・・ 【右の写真】山の中に張った蜘蛛の巣
秋になると家の軒下や庭木の間のあちこちに蜘蛛の巣が張られる。山に入って油断しているといきなり顔に蜘蛛の巣がバサッ!(ひえ〜)おまけに蜘蛛が顔を這おうものなら(ぎゃ〜)秋の山に入るときは小枝で前方を常に払っておかないとヤバイ!
イノシシと付き合う
春先には必ず裏山に出没する。目当てはタケノコだ。土の上に芽を出すか出さないかの時期のタケノコは最高に美味い。その小さなタケノコを片っ端に食べてしまう。イノシシが現れた夜は犬が鳴きつづけるので、すぐに分かる。ペットで飼い慣らされた犬は鳴くだけで、追っ払ったりはしない。イノシシもそれを良く知っている。結局、寝られぬ夜を過ごしたうえに、美味しいタケノコを食べられてしまう。

サルと付き合う
野生のサルが餌を求めて里に下りてくることがある。こちらに気づくと目をむき、威嚇する。屋根の上にいる時はともかく、玄関やベランダにいる時は、恐くて表に出れない。餌を与えると、癖になってまたやってくる。ウサギやイタチ、タヌキにキツネ等は出会い頭に会うことはあっても、じっくりと付き合うことはない。その点、サルは困り者だ。

一度はベランダを2匹の猿に占領された時、散歩に来た人たちが「いいなあ、この家では猿を飼ってるヨ!かっわいい〜」
・・・決して猿は飼わない

雪と付き合う 1
たまに雪が積もることがある。田舎は溶けにくいから子どもたちと犬は大喜びで、雪遊びに興じる。ただ、近所に子どもが少ないので雪合戦はさびしい。出かける時は、必死の思いでチェーンを着け、山を下りる。ほんの少し下におりると、チェーンを着けてない車がスイスイ走っている。ちょっぴり悲しい。このままチェーンのチャラチャラ音を響かせ、恥ずかしい思いをして街中を走るか、帰り道にまた苦労してチェーンを着けるか、いつも悩む。

雪と付き合う 2
雪が積もった時にはチェーンを着け、山を下りる。ところがチェーンを装着しても下山できない時がある。
倒木が道をふさぐからだ。雪の重みで竹がしなり、道路に覆いかぶさってくる。2〜3本なら無理やり車で押し通して通ることもあるが、時には無理やり押し通ろうとした時に・・・ゴン!という衝撃音がする。竹に隠れて大きな木が倒れている。車を見るとへこんでいるではないか!
そして20〜30本となると押し通ることも出来ない。仕方ないので斧で竹を伐採しないと下山できない。その時は竹に降り積もった雪を頭から被りながらの作業である。
倒木が竹であれば斧で伐採することですむが、木となるとそうはいかない。ノコギリで細切れにしながらの作業となる。大木の場合は・・・もう、下山を諦めるしかない。

夜と付き合う
言うまでもなく、夜は恐い。隣に家はなく一軒家なので、何かあっても助けを求めることもできない。風も無く、虫も鳴かない夜は、シンッ!という音がする。「ホーホー」という、フクロウの声も風流だと思えば、なかなかのものだが、時折「ギャー」という泣き声などが混じり、気持ち悪く感じた瞬間から漆黒の闇は、不気味以外の何者でもなくなる。

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山の幸と付き合う
タケノコ、シイタケ、柿、栗と、山の幸には事欠かない。ところが、大量に採れるものだから、大きな鍋で大量に料理する。1日、2日ならともかく、1週間も同じ物が、大きな鍋ごと食卓を飾ると、ついには飽きてくる。飽くだけでなく嫌いになってしまうものさえある。ほとんどのものは食べたくなければ、山に採りに行かなければいい。しかしタケノコだけは放っておくと竹が増えすぎて山が荒れる。したがって、食べもしないタケノコを掘りつづけないといけない。「タケノコが欲しい」と言ってやってくる友人たちの多くは、すでにタケノコを掘ってあって、それを持って帰るだけだと思っている。お願いだから自分で掘ってちょうだい。掘ったタケノコはすべて差し上げますから・・・

電波と付き合う
山の中だから当然電波が弱く、テレビの映りが非常に悪い。普通に屋根の上ではどうしようもないので、裏山の中腹にアンテナを設置し、アンテナの周囲の木を伐採している。この木の伐採作業は年に2度ほど行わないと、すぐに映りが悪くなる。

何処にでも止まるバス
バス停ではなくても、運転手に合図をすれば、バスが何処にでも止まってくれる。便利なのだが、子どもたちは田舎の象徴だと、嫌がっている。私もそうであったが、子どもの頃は田舎に対するコンプレックスが強く、敏感である。ちなみにバスは1時間に1台あるか、ないかくらいしか走っていない。
このバスは、利用客が減少したことから2003年4月より廃止になった。つまりバスが来なくなったのだ。合理化という名の元に切り捨てられていく「田舎」なのだ。

寂しい通学路
田舎の通学路は一人ポッチになることが多い。最近は妙な奴がいるものだから、途中まで送り迎えをしなければならない。高学年ともなれば遅くなる。夜道はもっと危ない。毎日子どもたちの送り迎えで、家を空けることができない。

暗い路
田舎の道にはあまり街灯が無い。だから月の出ていないような夜は、真っ暗でな〜んにも見えない場所がある。それでも歩き慣れた道だから勘に頼ってなんとかなる。

田舎の中でも山間部は日照時間が短い
街中に住んでいると隣のビルの影になって日照時間の問題が出ることがあるが、山間部では山に囲まれているために一日の日照時間が短い。


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