ウルトラセブン白書

昭和42年10月1日〜昭和43年9月8日放映

 
モロボシ・ダン ウルトラセブンの地球上での姿、ウルトラアイで変身する
キリヤマ隊長 ウルトラ警備隊の隊長。「なにっ!」が口癖
アンヌ隊員 メディカルセンター勤務。ダンとは結構良い仲である
フルハシ隊員 警備隊一の怪力。科特隊のアラシとは別人
ソガ隊員 射撃の名手。ダンとは気の合う親友でもある
アマギ隊員 優秀な頭脳の持ち主。高いところは苦手である

第1話 姿無き挑戦者
宇宙ハンター クール星人登場
金城哲夫脚本 円谷一監督
 
 地球は狙われている。検問を受けたドライバーが消失するなど、人間が突然にして消失する事件が次々と続発する。そこで地球を侵略者の魔の手から守るためウルトラ警備隊のメンバーが調査に乗り出した。地球防衛軍の幹部陣から命を受けたキリヤマ隊長(年齢38歳、隊歴16年、東京都出身)は、ソガ隊員(年齢25歳、隊暦3年、九州出身)とフルハシ隊員(年齢29歳、隊暦7年、北海道出身、地球防衛軍きっての怪力の持ち主)を調査に向かわせる。なお、今回は基地に残ることになったウルトラ警備隊のメンバーはアマギ隊員(年齢24歳、隊暦2年、名古屋出身、名プランナー)、アンヌ隊員(年齢…これは失礼、隊暦2年、東京都出身、ウルトラ警備隊の紅一点)である。
 パトロール中の防衛隊員が自動車ごと消されたという事件を受け、現場に向かったフルハシとソガの前に、怪しげな風来坊が現れる。「命が惜しかったら、これから先に行ってはいけません」という風来坊の忠告のおかげで、フルハシとソガは危うく難を逃れ、代わりに神奈川県警のパトカーが消失する。風来坊によると、地球侵略のために、宇宙人が人間を標本として集めているというのだ。名前を問われた風来坊は、「モロボシ・ダンとでもしておきましょう」と名乗るが余りにも怪しすぎではないだろうか。幸いにもさらわれずに済んだが、すぐさま宇宙人は見えない宇宙船から攻撃を開始する。ここでポインターのバリアにより宇宙船の攻撃を跳ね返すことに成功するが、ウルトラ警備隊の科学力侮り難し。そして、宇宙人の攻撃を受けて負傷したフルハシとソガを運ぶために、ダンは地球防衛軍基地に入り込み、臨時隊員として認められることになる。おそらく、誰もが突っ込むことであろうが、外部の人間であるダンに対してガードが甘すぎではないのか。もっとも、それを言ったら話が始まらないのだが…。
 宇宙人の目的は侵略の前に、その星の住人を調べるため、人間標本を集めることにあった。こうして人質を取って優位に立ったクール星人は、全面降伏しろと宣戦布告をしてくる。人類なんて昆虫のようなものだと、実にふてぶてしいクール星人だか、地球人から見たらクール星人の方がよっぽど昆虫のようである。クール星人は京浜工業地帯への攻撃を開始するが、目に見えない宇宙船には人質が乗っているので、全く手を出すことができない。そこで、ダンの提案で噴霧装置が開発され、宇宙船に着色する方法が取られる。宇宙船への噴霧はウルトラホークを使って行われたが、第1話だけあって、出撃の場面から、分離・合体の場面まで、かなり細かく描写している。こうして、モロボシ・ダンの活躍により形成逆転。谷間に逃げ込んだ宇宙船は、小型宇宙船を出して攻撃を仕掛けてくる。それに対して、ダンはカプセル怪獣のウインダムで迎え撃つ。しかし、あっけなくウインダムを倒されたダンは、ウルトラセブンに変身して宇宙船に乗り込んで大暴れ。第1話の敵であったクール星人は、顔を出したとたんに、アイスラッガーで頭を真っ二つにされてしまう。セブンの存在が計算外だったとはいえ、あまりにも弱すぎる。人質を救出した後にセブンは巨大化して、クール星人の宇宙船を破壊しているが、申し訳程度の巨大化である。
 本作は第1話だけあって、地球防衛軍の様子が、細かく紹介されており、防衛軍幹部として、藤田進、平田昭彦、佐原健二が並んだ姿は壮観である。さらに、いきなりカプセル怪獣も登場するというサービスぶり。ウィンダムはクール星人の小型円盤を3機破壊するものの、逆襲を受けて回収されている。どうしてもカプセル怪獣はやられ役に回る運命にあるようである。
 今回の功績が認められてモロボシ・ダンはウルトラ警備隊に入し、ここから物語は始まるわけだが、本当に素性の分からない人間を、入れることに対して問題は無かったのだろうか。なお、本編では語られないが、ウルトラセブンという名称は、ダン、キリヤマ、フルハシ、ソガ、アマギ、アンヌに続く7番目のウルトラ警備隊のメンバーを意味している。
第2話 緑の恐怖
生物X ワイアール星人登場
金城哲夫脚本 野長瀬三摩地監督
 
 宇宙ステーションV3から、久しぶりに石黒隊員が休暇で地球に戻ってくるが、すでに石黒隊員はワイアール星人に取って変わられていた。ワイアール星人の成り代わり振りは見事なもので、奥さんを気遣ったり、くわえタバコをしながら、報告書の作成まで行っている。それも、そのはずで、本物の石黒隊員をチルソナイトに閉じ込めて身近に置き、そこから電子頭脳を通じて行動様式をコピーしていたのである。しかし、致命的だったのは、そのチルソナイトが大きくて目立ちすぎたことである。石黒隊員の家の庭に置いておいたのだが、あのような奇妙な物質が、目を付けられないとでも思ったのだろうか。案の定、石黒隊員を家にまで送ったダンに目をつけられてウルトラ警備隊に回収されることになる。なお、行動をコピーするため、小型のチルソナイトも身の周りに置いているのだが、これを届けにきた郵便局員はあまりにも怪しすぎ。こいつもワイアール星人なのか、それとも洗脳された人間なのかは謎である。
 そして石黒隊員に化けていたワイアール星人は、夜になると正体を現して次々と人を襲い始める。恐ろしいことに、ワイアール星人に襲われた人はワイアール星人となって人を襲い、さらに次に襲われた人もワイアール星人に変わるというように、ねずみ算式に被害者が増えていく。ちなみに、一番最初に襲われた酔っ払いの大村千吉さんは、東宝特撮には欠かせない脇役。この酔っ払いも、お決まりのおみやげを持って、良い味を出しています。ワイアール星人は植物タイプの宇宙人なのだが、植物の隙間を表現するため、着ぐるみには鏡が埋め込まれている。こうしたスタッフの工夫は実に驚かされる。
 今回は全体的に怪奇仕立ての物語になっているため、石黒隊員の奥さんが襲われる恐怖に焦点が当てられている。その奥さんの最大の恐怖は、ニセ石黒隊員との箱根の別荘への旅行の最中に待ち受けていた。庭から回収したチルソナイトを破壊することはできなかったが、石黒隊員の机の引き出しの中にあった小型のチルソナイトを叩き割ると、大きなチルソナイトも同時に壊れ、中から本物の石黒隊員が発見される。それにしても、小型のチルソナイトが引き出しの中で、変な音を出したため、お手伝いさんに通報されてしまうのだが、こうしてみるとワイアール星人の侵略は穴だらけである。本物の石黒隊員が助け出されたことにより、体を維持できなくなったワイアール星人は、よりにも寄ってロマンスカーの中で正体を現してしまう。奥さんが果物の皮をむいてあげて渡そうとすると、隣に座っていたのがワイアール星人というのは、恐怖以外の何物でもない。
 急いで駆けつけたダンは、巨大化したワイアール星人に対し、ウルトラセブンに変身して戦うが、この戦闘場所は小田急線の数少ないトンネルが出てきたところからして、渋沢のあたりだろうか。最後は第1話のクール星人同様に、アイスラッガーで体を真っ二つにされ、あっけなく勝負が着くが、正にアイスラッガーは絶対的強さを持つ必殺技といった感じである。さらに、エメリウム光線で燃え上がらせ、植物タイプのワイアール星人は息絶える。こうして、奥さんと再会した本物の石黒隊員は改めて箱根に向かい、ワイアール星人に襲われた人も元に戻って事件は解決した。なお、劇中でアンヌが「ウルトラセブンがんばって」と声援を送っているが、完全にウルトラセブンという名前が地球人に定着したようである。
第3話 湖のひみつ
変身怪人ピット星人、宇宙怪獣エレキング登場
金城哲夫脚本 野長瀬三摩地監督
 
 ウルトラセブンで一番メジャーな怪獣といえば、やはりエレキングではないだろうか。目の代わりに回転するレーダー角、電飾で発光する口、白と黒のポインター柄の体色といい、最高のフォルムを誇っている。そんなエレキングも幼獣のころは、釣り人に釣られそうになるなど大変だったのだ。
 木曽谷付近で怪しげな落下物を見たという通報を受けて調査に向かったフルハシとダン。そんな二人の前に現れたのが、釣り人が釣った魚を逃がしてしまう少女だった。しかし、彼女が逃がしたのは魚ではなく、幼体のエレキングで、少女の正体は地球を狙うピット星人だった。怪獣といえば巨大な姿で登場するのが普通だが、現地の星で小さな状態から育てているというのは珍しいパターン。ピット星人には巨大な物体を縮小して輸送する技術が無かったのだろうか。
 不審な宇宙船を見つけて乗り込んでいくフルハシとダンだが、少女の姿に油断したフルハシとダンは(ダンは怪しいことに気付いていたようだが)、催眠ガスで眠らされてしまう。気付いた時には、ダンのウルトラアイはピット星人によって盗まれた後だった。一緒に眠らされたピット星人は、介抱されるふりをしてウルトラ警備隊の基地への潜入に成功する。実はピット星人は2人いて、互いに連携して作戦を遂行していたのだ。基地に潜入した方に破壊工作は任せて、もう一人のピット星人は成長したエレキングを出現させる。エレキングにウルトラ警備隊が気を取られている隙に、内部から基地を破壊してしまおうというのだ。ウルトラセブンに変身できないダンは、カプセル怪獣のミクラスを出して戦わせる。怪力を誇るミクラスは、最初はエレキングを振りまわすなど活躍をするものの、電気に弱かったらしく、尻尾を巻きつけられ電流を流されて、あえなくダウンしてしまう。
 一方、基地にダメージを与えたピット星人は脱出を図るが、潜入した割には基地へのダメージは今一つだったのではないだろうか。そして、エレキングを操っていたピット星人からウルトラアイを奪い返したダンは、ウルトラセブンに変身して戦いを挑む。ウルトラアイを奪っておきながら、ピット星人の計画も随分と場当たり的なところがあるようだ。エレキングと対峙したウルトラセブンは、電撃攻撃に苦しめられるもの、エメリウム光線でレーダー角を破壊し、最後はアイスラッガーで尻尾と首を切断して打ち倒す。この時の首を切断されたエレキングの血の吹き出るところが妙に生々しい。
 エレキングを倒されたピット星人は、あきらめて退散するが、次こそは美しい地球を自分たちのものにしてみせると息巻いていた。「きっと成功するわ、地球人の男性は、可愛い子に弱いってことが分かったんだもの」と、憎たらしいセリフを吐いているが、女の娘にも容赦ないウルトラセブンによって、あえなく宇宙船は撃墜されてしまう。ちなみに、湖に沈んだエレキングは月光の光を浴びてパワーを蓄え、後にウルトラマンタロウで月光怪獣として甦るが、何故か電気ではなく、火炎を吐く怪獣となっている。どうやら月の光で体質が変化してしまったようである。
第4話 マックス号応答せよ
反重力宇宙人 ゴドラ星人登場
山田正弘・金城哲夫脚本 満田かずほ監督
 
 地球防衛軍のマナベ参謀から、極秘の任務を受けたソガとアマギは、ボートに乗って洋上へと向かう。一方、二人を送り届けたダンは、その帰りに自動車が故障して困っている女性を助けようとして、ウルトラアイを奪われてしまう。この女性はゴドラ星人が変身した姿なのだが、スパナで殴られて気絶するのもどうかと思うし、2週連続で女性に油断してウルトラアイを盗まれるというのが情けない。一方、地球防衛軍が誇るマックス号に乗り込んだソガとアマギを持っていたのは地球防衛軍のタケナカ参謀だった。太平洋上で船が次々と船が消失する事件の謎を解くための任務だったのだが、ソガやアマギはマックス号もろとも宇宙に連れ去られてしまう。
 一方、ゴドラ星人に受けた傷をアンヌに治療してもらうダンは、アンヌからお守りのペンダントを渡されるのだが、「これでどんな時でも大丈夫、アンヌが付いてるわ」とまで言われ、第4話目にしてすっかり恋人関係である。そして、消息を絶ったマックス号を探すことになったウルトラ警備隊のメンバーだが、キリヤマ隊長とダンはウルトラホーク1号で海上を捜索、フルハシはウルトラホーク2号で大気圏外の調査を開始した。ダンとキリヤマはマックス号を見つけられなかったものの、宇宙を捜索していたフルハシはマックス号を発見する。タケナカ参謀やフルハシの前に姿を現したゴドラ星人は、船が消失した海域に防衛軍の注意が集中しているうちに地球を征服するというねらいを語りだす。他の乗組員は抵抗したので宇宙に放り出したと豪語するゴドラ星人だが、残酷と言うよりは計画がずさんとしか思えない。
 宇宙からウルトラホーク2号は無事に帰還するが、戻ってきたのはゴドラ星人が化けた偽者のフルハシ隊員だったのだ。地球人に変身できるという能力を最大限に活かして侵略を進めるゴドラ星人。そして、ついにニセフルハシ隊員は防衛軍の原子炉に爆弾を仕掛けることに成功する。気が付いて追ってきたダンを爆弾の近くにカプセルで閉じ込め、今度はフルハシからダンに変身して、内部に潜り込むなど、ここまで作戦は完璧に進んでいた。しかし、基地に潜入したゴドラ星人の報告を受けた、マックス号のゴドラ星人は、得意になってアマギたちに、爆弾を仕掛けたか場所まで得意気にしゃべってしまう。
 ここからゴドラ星人の侵略のダメさ加減が発揮されるのだが、見張りのゴドラ星人はウルトラガンであっけなくダウン(なぜガンを取り上げておかなかったのか)、そしてマックス号につんであった観測用ロケットで、アマギ隊員が地球に向けて脱出に成功する(殺さずに気絶させただけなので脱出されてしまった)。一方、閉じ込められたダンの前には、女性に化けたゴドラ星人が登場するが、彼女が落ちていたペンダントを拾おうとしたため、ペンダントに反射させた銃の一撃でカプセルは消滅する。しかも、ウルトラアイまで持ってきてくれたので見事に形成逆転。爆弾もキリヤマ隊長によって解除される(解除の仕方が簡単だったのもゴドラ星人の敗因)。ダンに化けていたゴドラ星人も巨大化したところをエメリウム光線で撃破。襲い掛かってくるかと思いきや、逃げ出したところをエメリウム光線で打たれるゴドラ星人が情けない。さらに、宇宙に向かいマックス号に乗り込んでゴドラ軍団を一網打尽。ゴドラ星人に占領されてしまったマックス号は爆破するしかなかったが、地球の平和は守られたのである。しかし、ゴドラ星人が、アマギたちにダンがウルトラセブンであることまでしゃべっていたら、この時点でセブンは終わっていたわけで、ある意味で最大のピンチだったといえる。一見して緻密に思えたゴドラ星人の地球侵略計画だが、メンバー同士の連携が今一つ取れていなかったのが問題だったと思われる。

第5話 消された時間
宇宙蝦人間 ビラ星人登場
菅野昭彦脚本 円谷一監督
 
 世界の頭脳と呼ばれるユシマ博士。ウルトラ警備隊の基地強化のために南極からやってくるユシマ博士だが、そこをビラ星人に利用されることになる。時間を停止させて、その間にユシマ博士を洗脳し、自分たちの手先にしてしまう。破壊工作のおてつだ指令も時間を停止させて発しているので、正体がバレることも無い。おまけにダンの正体がセブンだと知っているので始末が悪い。ユシマ博士が地球防衛軍の絶対の信頼を勝ち得ているので、ビラ星人の策略に気付いたダンがいくら説明しても誰も信じてくれない。警備隊のレーダーをユシマ博士に破壊させ、地球にやってきたビラ星人の円盤群だが、独房に閉じ込められたダンが、セブンに変身し牢屋を破壊するという力技に出ることまでは予測できなかったのであろう。
 ビラ星人のデザインは、エビをモチーフとした異様に細い胴体が印象的。あまりにも細いのでアイスラッガーで、あっけなく真っ二つにされてしまう。しかもウルトラホークに撃ち落された円盤が、倒れたビラ星人の上に落下しエビの丸焼きになってしまった。
 最後の戦いの場は、京都のような場所で、何本もの鳥居が並んでいる。怪獣と鳥居の組み合わせがミスマッチで良い。子どもの時に行ったデパートの屋上には、100円でセブンの映像だけが見られる機械が置いてあったが、いつ見てもこの鳥居でのビラ星人との戦闘シーンだったのを覚えている。しかし、「博士を洗脳するとは、ビラ星人も考えましたな、ワッハッハ」って、笑い事じゃないよ、ヤマオカ長官。
第6話 ダーク・ゾーン
放浪宇宙人 ペガッサ星人登場
若槻文三脚本 満田かずほ監督
 
 もし、ウルトラシリーズの怪獣・怪人に会えるとしたら、自分は迷わずこのペガッサ星人に会いたいと思う。ペガッサは進んだ科学を持っていたが、星が滅んでしまったためペガッサシティを築いて宇宙をさ迷っている。しかし、動力機関が故障したため地球と衝突する危機に見回れることになった。そこで大使として、一人地球にやってきたペガッサ星人だが、途中で事故にあって重傷を負ってしまう。影のような空間で傷を癒していたペガッサ星人は、ダンとアンヌと知り合い友好関係を結ぶ。「実を言うと僕は地球人が怖いんだ」というペガッサ星人がいじらしい。
 ペガッサ星人は、地球に軌道を変えるように要請するが、地球が自分では動けないことを知って驚愕する。地球が動いてくれない時の、彼の使命は地球を爆弾で破壊すること。ダンとアンヌだけの命を救って、地球を破壊しようとするが、ダンからペガッサシティがすでに地球防衛軍によって破壊されたことを告げられ夜の闇に姿を消す。その優しさゆえに使命を果たせず、仲間の全てを失ったペガッサ星人。平成版には、その生き残りが登場するが故郷を失ったペガッサ星人には悲劇しか残されていなかった。
 セブンのスチール写真では、髪をとかすアンヌの後ろにペガッサ星人が立っているものが良く使われるが、本編にはそのような場面は登場しない。ちなみにプレステの「スーパーヒーロー作戦」では、ペガッサ星人は快傑ズバットに倒され「この者、爆弾犯人」のカードをはられるというマニアックなネタがある。
第7話 宇宙囚人303
火炎怪人 キュラソ星人登場
金城哲夫脚本 鈴木俊継監督
 
 今回ウルトラ警備隊と戦うのはキュラソ星人だが、別にキュラソ星が地球の侵略を企んでいたわけではない。キュラソ星の囚人303号が脱走して地球にやってきたのである。囚人なわけだから、特に兵器などを持ってはいない。出会った人間を素手で絞め殺したりする程度である。この通り魔的宇宙人はウルトラマンレオになって多発するが、ウルトラセブンでは極めて異例のことである。
 その後、ガソリンが好物のキュラソ星人は、ガソリンスタンドを襲撃する。ちなみにガソリンスタンドの店員に、ウルトラQの一平くんを演じた西条康彦がゲスト出演している。そして逃げ回ったあげくにキュラソ人は大田区で一家4人を監禁したりするという、実に人間臭い行動を取るが、その家の男の子が抜け出して警察に通報されたために逃亡。ここまで、どこか間が抜けているキュラソ星人だが、ここで思わぬ反撃に出る。アンヌ隊員を洗脳して地球防衛軍基地に潜入し、ウルトラホークベータ号を奪ってしまうのである。この窮地にダンが出した提案が、ウルトラホークアルファ号とガンマ号で、空中でドッキングして捕獲してしまおうというもの。この作戦が見事に成功するのだが、ヒーロー特撮を飛び越して大人のドラマになっている。
 ピンチになったキュラソ星人が火を吹いたため、ダンとともにウルトラホークベータ号は墜落。ダンはウルトラセブンに変身して脱出するが、何とこの作品でウルトラセブンが登場するのは、この10秒程度である。前回のペガッサ星人の時も、ほとんど活躍が無かったが、それ以上である。ガソリンを体に貯めこんだキュラソ星人は、巨大化したものの体に火がついて自爆してしまう。ダンに「この広い宇宙にお前の居場所はどこにも無い」と言われてしまうキュラソ星人が、どこか哀れに思えてならない。
第8話 狙われた街
幻覚宇宙人 メトロン星人登場
金城哲夫脚本 実相寺昭雄監督
 
 実相寺監督のカット割は独特である。ということは、今となってはマニアの常識であるが、当時はそんなことを意識してテレビを見ていなかった。しかし、意識してこの作品を見てみると必要なまでに顔に寄ってみたり、隊員の顔を影にして会話をさせたり、あるいはダンを待つアンヌの場面で意味なく野球中継の声が流れるなど、あまりにも独特の撮影を進めている。葬式の場面も出てくるが、ウルトラマンの怪獣墓場の時といい、これも実相寺監督の趣味なのであろう。
 しかし、そんな映像が気にならなかったのは、メトロン星人の卑劣な作戦が、あまりにも印象深かったせいであろう。タバコに宇宙ケシの結晶を混入し、自動販売機で売るというもの。そのタバコを吸ったものは、他の人が敵に見え殺人鬼へと変貌する。このタバコのせいで、やさしい青年はライフル魔となり、パイロットだったアンヌのおじも乗客もろとも墜落する。そして、タバコを吸ってしまったフルハシ隊員とソガ隊員も狂ったように暴れ出す始末。人の頭を狂わせるという侵略手段には子どもながらに戦慄を覚えたものである。
 メトロン星人の策略に気付いたダンは、尾行しアジトに潜入する。そのアジトというのがボロアパートなのだが、ダンとメトロン星人が、たたみの部屋で座って会話するという有名な場面はここで登場する。その後、ウルトラセブンに変身してメトロン星人と決闘。夕陽の決闘と言えば新マンだが、夕陽に立つセブンもなかなか美しい。最後はアイスラッガーで真っ二つにされ、エメリウム光線で爆死。円盤もウルトラ警備隊によって撃墜されるのだが、「ウルトラ警備隊など怖くない、怖いのはウルトラセブン君だけだ」と言っていたくせに、巧妙な作戦の割には、どうやら読みが甘かったようである。
第9話 アンドロイド0指令
頭脳星人 チブル星人登場
上原正三脚本 満田かずほ監督
 
 前作のタバコに続いて、一度見たらトラウマになりそうな宇宙人の戦略が続く。子どもたちにおもちゃを売ってまわるおもちゃじいさん。その正体こそクール星人と並んで宇宙一の頭脳と呼ばれるチブル星人だった。子どもたちに与えたおもちゃは、チブル星人の指令一つで最新鋭の兵器と変わり、操られた子どもたちは最強の軍隊と化す。
 チブル星人がダンの動きを封じるために作られたアンドロイド少女は、演じる小林夕岐子さんの美しさもあって、妖しい雰囲気をかもしだしている。アンドロイド少女に「あなたがモロボシ・ダンですか」と問われたフルハシ隊員が、スケベ心を出して「僕がモロボシ・ダンです」と答えたために、代わりに攻撃を受けてしまった。結果的にこれがチブル星人の敗北につながったのだから皮肉なものである。
 深夜のデパートにアンドロイド少女を追い詰めたダンとソガだが、おもちゃの軍隊の襲撃を受けることになる。ここらへんの攻撃場面はジョジョの奇妙な冒険のバッド・カンパニーのスタンドを彷彿とさせる。ソガ隊員が近くにいてウルトラセブンに変身できなかったダンは、ソガ隊員を気絶させて変身する。すると、途端にアンドロイド少女とチブル星人は退散。アンドロイド少女にいたっては戦う前から「もう、何もかもお終いなのよ」と弱音を吐く始末。その言葉通り巨大化することもなく、エメリウム光線だけで2体ともダウン。緻密な計画ほど、小さなほころびで破綻してしまうものである。 

第10話 怪しい隣人
異次元宇宙人 イカルス星人登場
若槻文三脚本 鈴木俊継監督
 
 足を骨折して療養中のアキラ君は、隣の家の男が気になって仕方が無い。縁側にずっと座りこんで、移動する気配が全く無い。偶然にもアンヌ隊員と知り合ったことから、アキラ君の疑問がウルトラ警備隊に伝わることになる。隣の家の空間に、鳥が空中で固定されているのを発見したダンは、無謀にもその空間に飛びこんだ。
 実はイカルス星人は4次元と3次元を結ぶ機械を作っていたのである。異次元からならば安全に地球侵略が行うことが可能。異次元といえばウルトラマンAのヤプールだが、この人間体のイカルスもヤプール同様の怪しさをかもし出している。しかし、それ以上に隣家で不気味な物を作っているところは、極左のテロリストといった感じもする。4次元に飛びこんだダンは、ウルトラセブンに変身することも、カプセル怪獣を出すこともできなくなってしまう。体の動きも鈍ってきたダンは、出られなくなるかもしれないというアンヌたちの声を振り切って、イカルス星人の機械を破壊する。すると、あっさりと元の世界に戻ることに成功。つまり、勇気を持って機械を壊せばいつでも戻れたというわけである。「我々はおまえを見くびっていたようだ」って、いくらなんでも見くびりすぎだ。
 イカルス星人の必殺技は、全身から発するアロー光線。これにはセブンも苦戦するが、アイスラッガーを腹にぶち当てるとイカルス星人は苦痛にのたうつことになる。最後は、念力か何かで、あっけなくイカルス星人をヒョイと投げ捨ててしまった(何が起きたのかよく分からん…)。ちなみにウルトラマンタロウでは、それぞれの怪獣の強い部分が集まった最強の怪獣タイラントが登場するが、耳はイカルス星人だった。そんなにすごいのかイカルス星人の耳は…。また、このイカルス星人は、その後ウルトラファイトでレギュラーのように登場しているので、記憶している人も多いのでは…。
第11話 魔の山へ飛べ
宇宙野人ワイルド星人、宇宙龍ナース登場
金城哲夫脚本 満田かずほ監督
 
 ワイルド星人は、争いを好まない宇宙人だ。しかしワイルド星は老人ばかりとなり、絶滅の危機に瀕していた。滅び行くワイルド星を救うためには地球の若者の命が必要だった。そこでワイルド星人は命を吸い取るカメラで、生命の収集を開始した。そして、ついには調査に赴いたダンの命すら吸い取られてしまう。仲間の死に悲しみに沈むウルトラ警備隊。当然、泣き崩れるアンヌが見られるかと思いきや、何故かこの回にはアンヌ隊員は登場していない。
 警官の通報でワイルド星人のアジトを付きとめると、ワイルド星人は大切なカメラを捨てて逃げ出してしまう。そこで、ソガ隊員を人質にしたワイルド星人はフイルムとの交換を条件に持ち出す。しかし、ワイルド星人は空のフィルムをつかまされ、怒りに燃え切り札のナースを呼び出す。金属の龍のナースのデザインは最高にカッコ良い。特に頭部のフォルムは秀逸。あわててナースに駆け寄ったワイルド星人は、キリヤマ隊長の狙撃で黒焦げになる。こうしてみると、ワイルド星人の行動は行き当たりばったりとしか思えない。この無計画さが高齢化を招いた原因では無いのか…。ちなみに、このワイルド星人は、着ぐるみの中の人の顔が見えるという珍しいタイプで少し怖い。
 一方、その頃アマギ隊員の努力もあって、ダンは見事に復活する。すぐさまセブンに変身してナースに戦いを挑む。ナースに巻き付かれ、危うく気を失いかけるが、渾身の力をこめると、ナースは見事なまでにバラバラに吹っ飛んでしまった。ナースは円盤状の方が強かったのではないかとの疑問が残るところである。「宇宙人は倒してもダンは帰ってこないんだ」と悲しみにに暮れる隊員たちの前に、白馬に乗ってダンが登場。でも、なんで白馬なのさ。
第12話 遊星より愛をこめて
被爆星人 スペル星人登場
佐々木守脚本 実相寺昭雄監督
 
 この作品は幻の第12話となっている。放送後3年は、他の話と同様に扱われていた。ところが「小学二年生」の綴じ込み付録「かいじゅうけっせんカード」で、ひばく星人という肩書きがついたことで事態が一変する。被爆者団体からクレームが付き、今後一切この12話は放映しない。怪獣図鑑からも取り下げるということになってしまったのである。
 東京で若い女性が意識不明となる事件が続出する。女性たちの腕には同じ腕時計がはまっていた。そんなある日、アンヌは高校時代の友人に会いに行く。実は、この友人の早苗が、科特隊のフジ隊員を演じた桜井浩子。2大ウルトラ女優の貴重な共演の場面が見られるのである。早苗の腕には、あの腕時計がはまっていた。時計はフィアンセからもらったとのことである。紹介されたアンヌが、そのフィアンセに会ってみると、その男がどうにも怪しいのである。実は、そのフィアンセこそスペル星人の一人だったのである。スペリウム爆弾の実験で、血液が汚れてしまったスペル星人は、地球人の血液を求めてやってきたのである。
 正体を見破られた、スペル星人は、巨大化して暴れまわる。そしてセブンとの戦いになるのだが、ご存知の通り実相寺カットは、見ていても戦いの様子が分かりにくい。そしてアイスラッガーが命中したスペル星人は、湖に墜落し絶命する。早苗にとっては悲しい恋の結末となった。ウルトラマンではお馴染みだった佐々木&実相寺コンビは、セブンではこれが唯一の作品となった。お蔵入りにならなかったとしても、おそらく問題作として話題になっていただろう。様々な話があるウルトラセブンの中でも、かなり異様な雰囲気が漂っているのである。スペル星人のデザインも、特撮魂を揺さぶる他の怪獣や宇宙人と比べると、怪奇さはあるものの、今一つ地味な感じの作りである。名作でも珍作でもないが、怪作というべき作品であろう。ちなみに、スペル星人の封印も、天下のウルトラファイトには及ばなかったらしく、意外なところでその勇姿をさらしている。
第13話 V3から来た男
宇宙鳥人 アイロス星人登場
市川森一脚本 鈴木俊継監督
 
 そのタイトルから、子どもの時にはライダーとセブンの競演かと思ったが、V3とは地球防衛軍の宇宙ステーション。地球に侵入したアイロス星人を追って来た、V3のクラタ隊長はキリヤマ隊長の親友である。このクラタ隊長が、命知らずの無頼漢といった感じで良い味を出している。「無線機なんか、とっくに壊れちまったよ」とか、「モロボシ・ダンか、いい腕してるじゃねえか」とか、男臭さが炸裂している。
 アイロス星人は、宇宙船の燃料切れで飛べなくなってしまう。そこで、捕えたフルハシとアマギを人質に、固形燃料との交換条件を持ち出す。部下の命を救うために交換条件を受け入れようとするキリヤマ隊長と、部下の復讐に燃え攻撃をしようとするクラタ隊長の、ぶつかり合いが熱い。結局、キリヤマ隊長は単身で燃料を持って、アイロス星人の元に飛び立つ。どうするか迷っていたクラタ隊長も、結局後を追うが、「我慢するのは体に良くないですよ」と促すソガ隊員が良い味を出している。「ぼくたちは、どうするんですか」と詰め寄るダンにも、「それじゃあ、そろそろ出かけますか」と、この回のソガ隊員は本当に良い。男たちのドラマ炸裂の回だが、アンヌ隊員はまたもや出てこない。確か、このころ何か問題を起こして、ペナルティをくらったんだっけ?。
 アイロス星人との戦いが、印象に残っているのは、セブンがワイドショットを使った貴重な回だから。エメリウム光線も、アイスラッガーも利かないアイロス星人を、ワイドショットで、ようやく仕留めたのである。円盤もキリヤマとクラタの名コンビが撃破。宇宙に去るクラタに、「命はそまつにするなよ」というメッセージを送るキリヤマが渋い。
第14話 ウルトラ警備隊西へ 前編
侵略宇宙人ペダン星人、宇宙ロボットキングジョー登場
金城哲夫脚本 満田かずほ監督
 
 ウルトラセブン初の前後編もの。来日している外国人が次々と殺される事件が発生する。ウルトラ警備隊の隊員たちは、事件解決のために動こうとするが、殺人事件は警察の役目だと、キリヤマ隊長に止められる。しかし、キリヤマにすら隠されていたのだが、殺された外国人は地球防衛軍の科学者たちだった。この殺人は、地球が観測のために打ち上げたロケットを侵略行為だと思ったペダン星人が、報復のために行っていたことだった。なんとか科学者たちを集めて対策会議を開きたい防衛軍は、ワシントン支部のドロシー・アンダーソンをウルトラ警備隊に護衛させる。ダン・フルハシ・ソガの3人は、怪しげな外国人に狙われながらも、無事にドロシーを神戸の防衛センターに送り届けることに成功する。この防衛センターの土田博士を演じるのは、ガス人間第1号でお馴染みの土屋嘉男。この人が出ているだけで作品がひきしまる。
 土田博士から、会議に参加する博士たちが、南極から潜水艦で向かっていることを伝えられるが、潜水艦はその途上、4体の円盤に襲われ撃沈してしまう。極秘で向かっていた潜水艦が襲われたのは、内部にスパイがいるはずと警備隊のメンバーは推測するが、そのようなおり、再びドロシーが襲われる。ダンたちは、ドロシーを襲った外国人を捕えるが、彼の口からドロシーは偽者で、彼女こそがスパイだと聞かされる。男はドロシーを警護してきたアメリカの諜報部員で、本物のドロシーは行方不明だという。ちなみに、この諜報部員の声は、ルパン3世でおなじみの山田康夫氏があてている。どさくさに紛れて、偽者のドロシーは逃亡してしまったが、彼女が仲間と取っていた手段は、ガムを噛む音で暗号を伝えるというのだから驚きである。
 防衛センターには、あの4機の円盤が飛来。そして、円盤は合体して巨大ロボットキングジョーとなる。ウルトラシリーズ初のロボット登場、しかも、合体ロボットというのだから、特撮魂をくすぐられずにはいられない。エメリウム光線はバリアにはじかれ、パンチのラッシュにもびくともしない。切り札として放ったアイスラッガーも、たやすくはね返されてしまう。完全にキングジョーのパワーに圧倒されるウルトラセブン。危うしウルトラセブンというところで後編に続くのである。
第15話 ウルトラ警備隊西へ 後編
侵略宇宙人ペダン星人、宇宙ロボットキングジョー登場
金城哲夫脚本 満田かずほ監督
 
 キングジョーのパワーの前に絶対絶命のウルトラセブンだが、タックルをかけてキングジョーを転倒させる。すると、大したダメージも無いのに、キングジョーは円盤に分離して去ってしまう。ここで、防衛センターを破壊し、セブンを倒しておけば、勝利できたのにどうして引き上げたのだろうか。転倒のショックで大事な部分が壊れたか、それとも司令官が怪我でも負ったのか。
 その後、ウルトラ警備隊のメンバーは、本物のドロシー・アンダーソンの捜索に取りかかるが、ダンはペダン星人の化けたドロシーと接触する。この夕陽の神戸港での、ダンとペダン星人のやり取りは出色の出来と言える。ダンは、ロケットは観測のためでペダン星人の誤解だと主張するが、ペダン星人はいずれ手を出すための観測では無いかと反論する。ダンが防衛軍は宇宙の平和を願っていると説得しても、「そう考えているのはウルトラセブン、あなただけじゃないのか」と言われてしまう。その果てに行き付いた交換条件は、ペダン星人対策の武器開発の中止と、本物のドロシーの返還だった。ダンの必死の説得と、本物のドロシーが戻ったことにより、事態は話し合いによる平和的解決となるかに見えた。しかし、この感動のやり取りをペダン星人が、ぶち壊してしまう。「この機に乗じて、地球を侵略だ。こんな美しい星は初めてだ」と言い出すのである。あの、神戸港の交渉はどこへやら、ペダン星人は卑劣な侵略者に成り下がってしまった。
 帰ってきたドロシーが記憶を失っていたことから、ダンのペダン星人への信頼も揺らぎ始める。そこへ、再びキングジョー登場。その怪力で貨物船を投げ飛ばし神戸港を火の海と化してしまう。またもや防戦一方のウルトラセブンだが、アンヌのショック療法で記憶を取り戻したドロシーによって事態は一変する。ペダン星の金属はライトンR30の爆弾で破壊できるとドロシーは進言する。そして、セブンに羽交い締めにされたキングジョーにライトンR30が発射される。すると、あれほど無敵を誇っていたキングジョーも、直立不動になってダウン。爆発するキングジョーからペダン星人の円盤が飛び出すが、セブンのワイドショットであえなく撃墜。すっかり小悪党になってしまったペダン星人の最後であった。
第16話 闇に光る目
岩石怪獣 アンノン登場
藤川桂介脚本 鈴木俊継監督
 
 子どもの時には、このアンノンの正体や目的を全く理解することが出来なかった。ウルトラQのバルンガや、ウルトラマンのブルトン、そして新マンのプリズ魔など、訳の分からない怪獣は存在するが、アンノンはそれらの怪獣とも、また一線を隔しているのである。
 アンノン星の調査に送りこんだまま、行方不明となっていた無人観測船サクラ9号が、突如として地球に戻ってくる。しかし、サクラ9号は地獄山に着陸するやいなや爆発してしまう。そのような中、着陸地点の近くに落ちていた石を、弱虫のアキラ君が持ち帰る。アキラ君から石を取り上げようとした、いじめっ子たちは突然、苦痛に襲われ倒れていく。実はアキラ君が持ち帰った石は、頭脳だけの生命体であるアンノンが地球で活動するためのボディだった。サクラ9号を爆破させた時に、ミスってボディまで吹っ飛ばしてしまったのである。実態を持たないアンノンは巨大な目しか存在しないが、目だけの存在はかなり怖い。アンノンは元の場所まで石を返してくれれば、誰にもいじめられない強い力を与えると持ちかけてくる。そこでアキラ君は、石を持って地獄山に向かうが、追いかけて来た大人たちは、次々とアンノンの力で倒れてしまう。
 石が戻されたことで、アンノンは実態を持って登場。ウルトラセブンと戦うが、ウルトラマンのテレスドンの時並みの暗さなので、戦いが分かりにくい。ようやく金縛り状態にしてアンノンの動きを止めるが、アンノンはサクラ9号を侵略攻撃だと思い、地球にやってきたと語る。もう、お分かりだと思うが、前作のペダン星人と同じパターンである。ペダン星人が本当の侵略者だったため、語りきれなかったテーマの雪辱戦といえる。今回は話し合いによる交渉が見事に成功して、アンノンはボディを切り捨てて宇宙に帰っていく。そして、ウルトラ警備隊に連れられてアキラ君は帰ってくるが、そこにはたくさんの友達が待っていた。「みんなと仲良くできる子が、本当に強い子どもなんだよ」というダンの声でアキラ君は友達の輪に入る。今回の事件は地球とアンノン星の交流よりも、アキラ君とともだちの交流のきっかけとなったようである。
第17話 地底GO!GO!GO!
地底ロボット ユートム登場
上原正三脚本 円谷一監督
 
 ウルトラセブンは、どうして地球上ではモロボシ・ダンの姿でいるのだろうか。その謎が今明かされることになる。炭坑で謎の落盤事故が発生するが、ハツカネズミのチュー助を取りに戻った坑夫が、一人中に取り残される。その青年、薩摩次郎はウルトラセブンが地球に来て初めて出会った地球人だった。崖から落ちそうになっていた次郎は、仲間を助けるために自らザイルを断ち切った。その姿に感動したセブンは、次郎の姿と魂を真似て、モロボシ・ダンを作り上げたのである。
 崖から転落して生還した次郎は仲間たちからミラクルマンと呼ばれるようになる。次郎はミラクルマンだから、絶対助かると誰もが信じていた。しかし、次郎そっくりのダンを見て、坑夫たちは何とも思わなかったのだろうか。そして、ダンもまた自分のモデルである次郎を絶対に助けなければと思っていた。ダン、ソガ、アマギ、アンヌの4名はマグマライザーで、地底から次郎の救出に向かう。しかし、マグマライザーでも壊せない強固な壁が立ちふさがる。ダンは強力な爆薬で壁を壊すが、爆風で気を失ってしまう。ダンを捜しに出たソガたちの前に現れたのは、警備ロボットのユートムに守られた地底都市だった。ユートムは左手がハンマー、右手がガンの等身大のロボット。それぞれのロボットの胸のマークは異なっており、頭部を攻撃すれば、活動を停止させることが出来る。子どもの時には、このユートムの倒れかたを、随分と真似したものである。
 一方、気を失っていたダンは、ユートムに捕えられウルトラアイを奪われてしまう。それでもウルトラアイは、ダンの近くに置かれていたので、リモコンで操作してウルトラセブンに変身。ウルトラガンでも倒せるユートムはセブンの敵では無く、基地を抜け出し、鉱山のガスで目が見えなくなっていた次郎を無事に救出する。警備隊が仕掛けた爆弾で地底都市は大爆破して消滅する。ダンと次郎の対面はどうなることかと思いきや、次郎は目にタオルを巻いていたので、隊員たちからもダンとの相似を怪しまれずに済んだ。今回、森次晃嗣はダンと次郎の一人二役を演じているが、第1話の頃に比べて随分と演技力が向上した感じがする。
第18話 空間X脱出
宇宙グモ グモンガ、音波怪人ベル星人登場
金城哲夫脚本 円谷一監督
 
 これまで影の薄かったアマギ&ソガの両隊員に焦点を当てた作品。ウルトラ警備隊のスカイダイビングの訓練が行われたが、アマギ隊員はこの訓練が苦手である。へっぴり腰のアマギ隊員をソガ隊員が後押しして空中に飛び出す。しかし、ダンやアンヌが地上に降りたつ中、ソガとアマギだけは降りてこなかった。実は知恵ある悪魔のベル星人が上空3000mに仕掛けた擬似空間につかまっていたのである。この擬似空間で旅客機などを襲っていたベル星人。確かに恐ろしいが、地球を侵略するでもなく、地球上空で一人で一体何をやっていたのだろうか。
 擬似空間に鳴り響くベル星人の音波は人の頭脳を狂わせる。底無し沼などの危険が待ち受ける擬似空間をアマギとソガが力を合わせて脱出を試みる。そこへ毒ガスを吐くグモンガが登場。さて、このグモンガだが怪獣カードにおけるハズレカードの筆頭格だった。等身大サイズの上にザコキャラだから仕方が無いか…。
 捜索不可能の擬似空間だが、両隊員のビデオシーバーを逆探知して位置を突き止めることに成功する。ダンたちはベル星人の魔の手からソガとアマギの救出に向かうが、聴覚が優れているダンにとって、ベル星人の音波はかなりこたえるらしく、セブンに変身してからも苦しめられていた。何故か、この回はウルトラアイを使わずにセブンに変身している。ウルトラセブンでは、ウルトラアイがセブンに変身するための必須アイテムとされているため、かなり掟破りな展開といえる。これまで、あまり怪獣と格闘してこなかったセブンだが、ベル星人とは熱いバトルを繰り広げる。ベル星人の足をねじり上げたり、抱え上げて池に叩き込むなど珍しいパターンだが、てこ入れだったのだろうか。ちなみに、こうしたバトルは次回のバド星人にも持ち越される。
 ベル星人が倒されたことで擬似空間は消滅するが、最後にキリヤマ隊長の名ゼリフ「神無き知恵は、知恵ある悪魔を作ることになる。どんな優れた科学力を持っていても、奴は悪魔でしかない!」
第19話 プロジェクト・ブルー
宇宙の帝王 バド星人登場
南川竜脚本 野長瀬三摩地監督
 
 プロジェクト・ブルーとは、宮部博士が考え出した地球と月の間に磁力線の網をはって、宇宙からの侵略者より地球を守るシステム。この防御システムに我慢ならなかったのが、宇宙の帝王バド星人。宇宙に自分たち以外の生命の存在が許せないバド星人は、かつて冥王星に存在した生命体を滅ぼしたことがあるという。しかし、それは宇宙の帝王というより、単なるわがまま者なのではないだろうか。
 バド星人は奥さんの誕生日で自宅に帰ってきた宮部博士を狙ってきた。宮部博士の妻はグレイスという外国人で、博士とは妙なアツアツぶりを発揮している。宮部博士の枕元に立ったりするなど、宇宙人というよりは怪物といった感じのバド星人。地下に宮部博士を監禁することに成功するが、自白光線でも一向に宮部博士はプロジェクト・ブローの秘密について口を割らない。そこで、奥さんのグレイスに危害を加えると博士を脅すが、奥さんにイタズラ電話をかけたりするなど、宇宙の帝王らしからぬ行動が目立つ。
 ダンとアンヌに踏み込まれたため、バド星人は計画を変更して地球破壊爆弾を仕掛けて、博士を人質に取って逃げ出す。しかし、ウルトラセブンに円盤をつかまえられたため巨大化して戦闘となる。この戦闘がプロレスばりのハチャメチャな戦い。そこらへんの石を投げまくる宇宙の帝王バド星人。ピンチになると命乞いをして、そのすきにメリケンサックをはめて殴りかかる宇宙の帝王バド星人。終いには、ウルトラセブンに投げ飛ばされて血の泡を吐いて絶命する宇宙の帝王バド星人。とにかく、宇宙の帝王とは思えぬ行動が目立ったバド星人だが、デザインも宇宙人というよりは、妖怪っぽくてセブンの中では異色な存在と言える。
 それで、宮部博士がどこに秘密を隠していたかというと、奥さんの誕生日プレゼントの洋服に、特殊な光線をあてると浮かび上がってくる仕掛けだった。みんな笑っているけれど、奥さんを危険にさらす行為だったのでは。
第20話 時震源Xを倒せ
暗黒星人シャプレー星人、核怪獣ギラドラス登場
若槻文三脚本 野長瀬三摩地監督
 
 ウルトラセブンには数多くの博士が登場するが、今回登場した岩村博士のキャラクターは天下一品。すさまじいまでの頑固親父で、群発地震の調査のために迎えにいったダンとソガも一喝されてしまう。それでも地球の核については第一人者である岩村博士の協力は欠かせないため、ダンとアンヌが再び迎えに行く。ウルトラセブンであるダンが、すっかりビビってるのが妙におかしい。
 博士の助手のサカキのおかげで、どうにか話を進めることができたが、どうやら何者かが地球の核を地底から運び出していることが判明する。それが分かったきっかけというのが、二人組みの女の子が落ちていたウルトニウムを拾ったからであった。この二人組、実はラリーに参加していたのだが、道に迷って地震発生地帯までやってきてしまった。ラリーというのはドライバーとナビゲーターのコンビだが、ナビゲーターの女の子が方向音痴というのは、ラリーとして致命的なのではないか(もっとも、ドライバーの女の子は運転がヘタなので、どっちもどっちである)。
 ダン、アマギ、フルハシの3名はマグマライザーで調査に向かうが、それはシャプレー星人の罠だった。空洞に落ち込んでマグマライザーは動かなくなってしまう。一方、助手のサカキは岩村博士の影を指し、岩村博士は宇宙人だとアンヌに指摘する。アンヌとサカキは博士の元から逃げ出すが、途中でサカキは奇妙な金属を落としてしまう。岩村博士が、地球上の金属では無いと気付き、詰め寄るとサカキはそれを奪ってシャプレー星人に変身する。金属はウルトラアイと同様の変身アイテムだったのだ。しかし、ダンといいシャプレー星人といい、大事な変身アイテムをよく落とすものである。博士とアンヌを銃で狙うシャプレー星人だが、ソガとアンヌのダブル攻撃で絶命する。その断末魔で呼び出したのが怪獣ギラドラスだった。
 そこへ地中で変身したセブンがマグマライザーを救出して登場。ギラドラスは天候を操る能力があるので、雪を降らせ寒さに弱いセブンを苦しめる。しかし、回転しながら放ったアイスラッガーによりギラドラスの首を切断。首を落とされた体からは大量のウルトニウムがこぼれ落ちる。どうやら、ギラドラスは攻撃用というよりは、ウルトニウム運搬のための怪獣だったようである。
第21話 海底基地を追え
軍艦ロボット アイアンロックス登場
赤井鬼介脚本 鈴木俊継監督
 
 世界中で船舶が謎の消滅を遂げる事件が続出する。消失する直前に船からは戦艦大和に襲われたとの連絡が入っていた。ウルトラ警備隊は潜水艦ハイドランジャー1号と2号を発進させるが、調査の結果、深海に沈んでいるはずの戦艦大和が無くなっていることが判明する。それにしても、マグマライザーといい、このハイドランジャーといい警備隊の豊富な設備には驚かされるばかりである。しかし、出動したハイドランジャーは2台とも謎の宇宙船によって捕獲されてしまう。侵略者の正体はミミー星人だった。
 そのころ伊豆の下田沖に謎の戦艦が出現する。警備隊パリ本部からの連絡で、現れた戦艦はアイアンロックスで、戦艦大和など海底に眠る鉄クズを集めて作られており、停止してから15分で大爆発すると報告が入る。ということは、アイアンロックスは1台だけでなく、使い捨てで世界中に現れて被害を与えていたということか…。アイアンロックスの砲撃で火の海に包まれる下田港。12門以上ある砲塔から、攻撃を行うアイアンロックスの勇姿は、男の子の胸を熱くする何かがある。しかし、攻撃の標的がなぜ下田なのかは、よく分からないが、警備隊基地から富士山が見えることからすると、この位置で爆発すればウルトラ警備隊に甚大な被害を与えることができるのであろう。
 ダンはウルトラセブンに変身して立ち向かうが、ミミー星人は「君は我々の力を知らない。我々は地球人が使わない海底に眠る資源で攻撃してみせる」と高らかに勝利宣言を行う。そしてアイアンロックスから手かせ足かせが発射され、セブンは動きを封じられてしまう。アイアンロックスの矢継ぎ早の攻撃に、手の自由が利かないセブンはアイスラッガーを放つこともできない。一度は、力尽き倒れるセブンだが、空中で回転し全身から光の輪を発射する。それにより手かせ足かせがはずれ、エメリウム光線でアイアンロックスを爆破させることができた。ミミー星人はハイドランジャーを開放して、慌てて逃げ出すが、そのハイドランジャーに攻撃されて倒されてしまった。どうやらリサイクル好きのミミー星人の円盤には、オリジナルの攻撃兵器は積まれてなかったらしい。
第22話 人間牧場
胞子怪人 ブラコ星人登場
山浦弘靖脚本 鈴木俊継監督
 
 生き物にとって食料の確保は大事な問題である。しかし、ブラコ星人の好物である胞子は、地球人の女性の体で繁殖する性質があった。世界各国であらゆる動物が1匹ずつ消えて行く。そしてアンヌの友人のルリ子さんもブラコ星人によって連れ去られてしまう。どうやら、この時ブラコ星人は、どの生き物が一番胞子が繁殖するのかわからず、片っ端から生物をさらっていたらしい。ちなみにルリ子さんの誕生パーティーは、伊豆で開かれているが、前作と2話連続の伊東ロケだったと思われる。
 しばらくしてルリ子さんは、無事に戻ってくるが、意識不明のため地球防衛軍基地で、アンヌが看病にあたる。そこへ、どこから入りこんだのかブラコ星人が登場。アンヌの悲鳴に駆け付けたダンは素手でブラコ星人に応戦する。体の中に隠していた腕を出して、ダンにつかみかかるブラコ星人(これまで、自分はずっとブラコ星人が腕の無い宇宙人だと思っていた)。危ないところでキリヤマ隊長が現れ、ブラコ星人を倒してくれる。しかし、ルリ子さんだけでなくアンヌも、胞子の犠牲となってしまった。どうやら、この胞子は空気感染で、次々と地球の女性を犠牲にしていくらしい。ときに、今回は警備隊基地の場面になると画面全体が黄色になったり緑になったりする。監督のねらいだったのか、それとも何かの原因でフィルムが汚れてしまったのか…。
 アンヌたちを救うには土星にしか存在しない、鉱石を使う必要がある。しかし、ウルトラホークでも3日かかり、アンヌの命は、あと15時間しか持たないと博士は診断する。絶望に打ちひしがれるダン。そこへ、ブラコ星人の円盤群が登場。アンヌのピンチにあせったダンは、無理に円盤の中に突入しセブンに変身するが、円盤から発せられる光線に捕えられてしまう。そこを救ったのは、フルハシたちが乗るウルトラホーク。ウルトラホークのキリモミアタックで光線から脱したセブンは、ブラコ星人の円盤を撃破する。かくしてブラコ星人は敗れ去ったが、セブンとブラコ星人は戦わずに終わってしまった。セブンはそのまま土星に向かい、鉱石を取ってくる。こうしてアンヌの命は救われたが、みんながダンの命を心配している時に、のんきに絵を描いているのはいかがなものか…。
 ちなみに、子どもの時に読んだ怪獣図鑑にはブラコ星人の好物はゼリーとなっていた。確かに光る胞子は、ゼリーに見えなくもないのだが、かなり無理があると思う。
第23話 明日を捜せ!
宇宙ゲリラ シャドー星人、猛毒怪獣ガブラ登場
南川竜・上原正三脚本 野長瀬三摩地監督
 
 キリヤマ隊長が主人公の話。占い師の安井は、シャドー星人のマルサン倉庫爆破を予知したため命を狙われる。危ないところをウルトラ警備隊に助けられたが、誰も安井の話を信じてくれない。マルサン倉庫付近を調べても、一切不審な動きが見当たらないのだ。今日、何もなくても必ず爆破される。明日を捜してくださいと頼む安井だが、願いもむなしく見放されてしまう。その安井を見捨てておけなかったキリヤマ隊長は、休暇願を出して安井の言った明日を捜すことに賭けてみることにした。
 キリヤマの捜索もむなしく、安井はシャドー星人にさらわれ、マルサン倉庫は爆撃される。このマルサン倉庫では、地球防衛軍の超兵器の開発が進められているのだが、ここで開発されたロケットが、後にギエロン星獣を生み出す原因になったとすると、宇宙ゲリラの活動にも一部の利があるように思われる。
 ダンは姿を消す能力のあるシャドー星人の姿を写し出す機械をアマギに開発させる。安井を救い出すために基地に乗り込むが、シャドー星人は、あわてて円盤で逃げ出した。セブンに変身して捕まえると、シャドー星人は命乞いを始める。そしてセブンが油断したすきに、用心棒怪獣のガブラを出現させる。あっさりとセブンは、アイスラッガーでガブラの首を切断。すると、安井を帰すから助けてくれと、シャドー星人は再び命乞いを始める。安井は無事に帰されたが、切断されたガブラの首が襲いかかって来る。ガブラの猛毒の牙に噛み付かれたセブンは、急激に体力が消耗して行くが、安井のアドバイスで円盤を攻撃し、円盤の爆破と同時に操られていたガブラの首も動きを止める。助け出された安井は、シャドー星人の拷問で予知能力を無くしていたが、これで命を狙われることも無いと大喜びで終わる。ちなみに、この安井さんの役者は、レインボーマンでは死ね死ね団にさらわれ拷問にかけられていた。実にそうした役が板についた人なのである。
第24話 北へ還れ!
オーロラ星人 カナン星人登場
市川森一脚本 満田かずほ監督
 
 フルハシ隊員が主役の話といえばこの1本。母親が病気との連絡を受けて、故郷の北海道に帰ったフルハシだが、母親が病気というのは、牧場を継がせるためのうそだった。そのころ北極上空で、地球防衛軍のジェット機と民間の旅客機が正面衝突するという前代未聞の事故が発生する。2機とも不思議なオーロラに包まれ、操縦の自由が効かなくなったのだ。
 調査のために、フルハシが事故現場にウルトラホークで向かおうとするが、そんな時にフルハシの母親が、上京してきてしまう。調査を代わろうというダンたちを振り切って調査に出発するフルハシ。しかし、北の地に立つ灯台から発せられる怪光線を受けて、ウルトラホークの操縦が効かなくなってしまう。ウルトラホークに、やはり操縦が効かなくなった旅客機が向かっていた。フルハシは、時限爆破装置をセットして、脱出しようとするが、脱出装置は作動しなかった。300名の命を救うために、そのままホークを爆破する覚悟を決める。キリヤマ隊長の判断で、防衛軍基地にフルハシの母親を呼び、無線で交信させる。息子の危機を知らない母親とのやり取りが涙を誘う。
 一方、フルハシ救出のために北に向かったダンは、カナン星人の灯台を発見する。得体の知れない灯台に、まずはカプセル怪獣のウインダムを出動させる。しかし、ロボット怪獣のウインダムは灯台からの電波で、狂わされてしまう。ダンに襲いかかるウインダムに、セブンに変身して立ち向かう。セブン対ウインダムという奇妙な展開となるが、役立たずのカプセル怪獣は、敵に回っても弱かった。セブンを追いかけるうちに、目が回って倒れるウインダム。正気に戻ったウインダムは、再び灯台に攻撃をかけるが、またもや電波を受けて倒れてしまう。全くどこまで弱いんだウインダム。
 セブンがやってくると、何もしないで灯台ごとカナン星人は逃げ出した。しかしワイドショットであえなく爆破。操縦を取り戻したウルトラホークは危機一髪で衝突を回避する。フルハシが無事に基地に戻ったら、お母さんは北海道に帰った後だった。地球防衛軍で懸命に働く人達を見て、重要な職務だと実感したのだと言う。怪獣の出ない地味な話だが、改めて見ると緊迫感のある良い話なのである。市川森一の脚本が冴える。
第25話 零下140度の対決
ミニ宇宙人ポール星人、凍結怪獣ガンダー登場
金城哲夫脚本 満田かずほ監督
 
 地球防衛軍とウルトラセブンを最大の危機が襲う。突如として、防衛軍基地の周囲が異常な寒波に見まわれる。ポインターで見回りの最中だったダンは、外で寒波に遭遇し、ポインターもエンストしてしまう。キリヤマたちは、ポインターを捨てて歩いて帰るように指示するが、零下110度の中でそれは無茶な話ではなかったのか。地下の原子炉のおかげで、防衛軍基地内部は、無事に機能していたが、地下に現れた怪獣によって原子炉にダメージを受け、全ての機能がマヒしてしまう。
 防衛軍基地の地下に現れたこそ、この異常な寒波を生み出していた凍結怪獣ガンダーだった。冬の無い光の国で生まれたウルトラセブンは、普通の人間以上に寒さに弱かった。フラフラになりながらも、防衛軍基地に向かうダンだが、寒さのあまり意識が薄れてくる。そんなダンの幻覚の中に、ポール星人は現れる。これまで、ガンダーを使って地球に氷河期をもたらしてきた張本人こそポール星人だった。しかし、たった1匹で地球を氷付けにしてしまうとは、ガンダー恐るべし。そんなダンの前に、最後の止めを刺そうとガンダーが登場。急いでセブンに変身しようとするが、雪の中にウルトラアイを落としてしまったことに気付く。これまで、幾度と無く敵に奪われてきたウルトラアイだが、今回は自分で落としてしまうという、とんでもないミスである。セブンに変身できないダンは、カプセル怪獣のミクラスを立ち向かわせる。ガンダーの冷凍攻撃に対し善戦するミクラス。その間に、ウルトラアイを見つけてセブンに変身するが、エネルギーが残り少なくなっていたので、太陽の近くにまで飛んでエネルギーを補充することに…。
 一方、原子炉を停止させられた防衛軍基地は氷付けになってしまう。復旧を急ぐが、寒さのあまり、一人また一人と倒れて行く。仕方なく撤退という苦渋の決断を下すヤマオカ長官。しかし、最後まであきらめないで復旧作業を続けたフルハシの努力によって基地は復活。さすがは、北海道生まれの男である。ウルトラ警備隊のメンバーは、すぐさまウルトラホークで飛び立ち、ガンダーに攻撃。そこへセブンも戻り、アイスラッガーでガンダーの両腕と首を切断し、勝利をおさめる。しかし、撤退するポール星人が言うように、太陽エネルギーが残り少なくなったセブンは、これ以降エネルギーが減ると額のランプが点滅するようになってしまうのである。
第26話 超兵器R1号
再生怪獣 ギエロン星獣登場
若槻文三脚本 鈴木俊継監督
 
 人類の核兵器競争をテーマに取った作品。地球防衛軍は宇宙からの侵略者に向けて、一発で星を消滅できる超兵器R1号の開発に成功する。これさえあれば、ボタン一つで侵略者を打ち破ることが出来ると盛りあがるウルトラ警備隊の隊員たち。アンヌ隊員も、この超兵器を地球が持っていることが分かるだけで、地球を侵略する者がいなくなると喜ぶ。しかし一人ダンだけは、この兵器の開発に危惧を抱いていた。強い兵器を持てば、侵略者はより強い兵器で攻撃してくるのではないかという思いを捨て切れずにいたのである。
 超兵器R1号の実験には、ギエロン星が選ばれた。温度270度、酸素0.6%のギエロン星に住む生物はいないことからの判断だった。そしてR1号の実験は成功し、ギエロン星は宇宙から消滅する。しかし、その消滅したギエロン星から地球に向かう影があった。過酷な条件のギエロン星にも生物は存在した。R1号の爆発により体質が変化し、怪獣化したギエロン星獣は、自分の星を消滅させた地球に向かってやって来た。ギエロン星獣が降りたって暴れる場所というのが、原爆の被害に遭った長崎の天主堂跡というのが印象深い。
 ギエロン星獣は、ウルトラ警備隊の攻撃でバラバラに吹っ飛ぶが、一晩で復活するというすさまじい生命力の持ち主だった。R1号の攻撃を受けているギエロン星獣は、放射能の灰を撒き散らしながら東京に飛来する。しかし、この後に及んでR1号を開発した瀬川博士は、R2号さえあればという考えを捨て切れずにいた。悲しい運命のギエロン星獣に同情しながらも、ダンはセブンに変身して立ち向かう。しかし、アイスラッガーもギエロン星獣の堅い翼と頭にはじかえされてしまう。ギエロン星獣の攻撃に腕を負傷するセブンは、意を決して肉弾戦に打って出る。力技でギエロン星獣の翼をもぎ取り、手に持ったアイスラッガーで、のどもとを掻っ切って、ようやくギエロン星獣を永眠させることができた。
 この事件をきっかけにタケナカ参謀は、超兵器の開発を中止するように進言することを決める。それも全ては、兵器開発競争に対してダンがつぶやいた言葉が決めてだった。「それは血を吐きながら続ける悲しいマラソンですよ」。
第27話 サイボーグ作戦
甲冑星人 ボーグ星人登場
藤川桂介脚本 鈴木俊継監督
 
 地球防衛軍の通信隊員である野川隊員は、婚約者の早苗さんと一緒に、ソガ隊員に婚約報告をするために、防衛軍基地に向かっていた。しかし、朝日沼の近くを通った時に、車ごと沼に潜む円盤に吸い寄せられてしまう。その後、早苗さんは沼の近くで発見されるが野川隊員は行方不明のままだった。野川隊員をさらったのはボーグ星人だった。野川隊員にサイボーグ化の手術をほどこし、防衛軍基地に潜入させるために再び開放する。これまで宇宙人に洗脳されたパターンは何度か有ったが、このサイボーグ化については、完全に洗脳されているにも関わらず、基地に向かう前に婚約者にあいさつに行くなど、その辺が微妙なところである。
 防衛軍基地に入った野川隊員は、基地に潜入するとすぐに破壊工作を開始する。あまりにも行動が早かったために、すぐに怪しまれることになるが、サイボーグ化は洗脳状態よりも判断力がにぶいということか…。破壊工作を止めようとしたダンは、サイボーグの野川隊員にコテンパンにのされてしまう。ソガの放ったショックガンで、野川を気絶させることに成功するが、すでに何個かの爆弾を設置された後だった。ウルトラ警備隊の隊員たちは、爆弾捜索を始めるが、どうしても1個だけ見つからない。その1個は気絶しているダンの足に取りつけられていた。
 一方、野川隊員のうわごとから、朝日沼が怪しいと気付いたキリヤマとアンヌはウルトラホークで攻撃に向かう。ミサイル一発で干上がってしまう朝日沼。さらにマグネット爆弾で、ボーグ星人の円盤を爆破させる。とにかくすさまじいまでのウルトラホークの攻撃振りである。円盤を失ったボーグ星人は、突然に防衛軍基地の中に現れる。しかし、そうやって潜入できるのなら、野川隊員をサイボーグ化する必要など無かったのでは…。任務に失敗した野川隊員を殺そうとしたボーグ星人だが、意識を取り戻したダンによって撃退させられる。逃げるボーグ星人を追って、ダンは足に爆弾を付けたまま飛び出して行く。
 セブンに変身して巨大化したボーグ星と戦いを開始する。ボーグ星人の動きは素早く、攻撃を避けられた拍子に、崖から落ちそうになるウルトラセブン。絶体絶命の危機に、最後の爆弾はおまえの足に付いていたのだとバラしてしまうボーグ星人。その足に付いていた爆弾を投げつけて、形勢は一気に逆転する。アイスラッガーでボーグ星人の首を、あっという間に切断して勝負は終わる。その後、手術して野川隊員は普通の人間に戻るが、サイボーグの基準が今一つよく分からない気がしなくもない。
第28話 700キロを突っ走れ!!
戦車怪獣 恐竜戦車登場
上原正三脚本 満田かずほ監督
 
 デートなのかアンヌと一緒に映画を見るモロボシ・ダン。ラリーの映画を、おせんべいをバリバリ食べながら見て、周りから迷惑がられている。その後は、遊園地でコーヒーカップに乗るが、「ぼくも車をかっ飛ばしたいなー」と言いながらカップのハンドルをグルグル回して喜ぶダンが実に子どもっぽい。その頃、地球防衛軍は強力火薬スナイパーを開発するが、輸送の途中に何者かに襲われ爆破されてしまう。無事に輸送する手段を模索する中、ダンの提案で普通のラリー大会に紛れて運ぶことが決定する。
 スナイパー火薬を積んで、ラリーに参加するダンとアマギ。しかし、途中で何度も襲撃を受けるという過酷なレースとなる。ダンたちを追い抜かした車が、地雷を踏んで爆破されてしまうが、一般の人を巻き込んでしまったのは問題ではないのか…。そんな中、アマギ隊員の緊張が限界に達し、もうレースを辞めたいと言い出す。アマギ隊員は、小学生の時に近くの花火工場が爆発して、たくさんの人が死ぬのをみてから火薬が怖いというトラウマに捕らわれていたのだ。それでもラリーを続けるダンとアマギ。そして、バンジョーを弾いている怪しげな人影を見つけて近付くが、それは変装したキリヤマ隊長たちだった。ダンたちは何で車を離れたと叱責されるが、それはあんたたちがバンジョーを弾いていたからなのでは…。そこへ襲いかかってきた侵略者を迎撃するが、バンジョーが武器だったのには驚きである。しかし、車に積んでいたスナイパーには時限爆弾が仕掛けられてしまった。キリヤマ隊長は爆弾の解除をアマギに命令する。恐怖に震えるアマギは、トラウマを克服して爆弾解除に成功する。
 残り100kmになり終わりも見えてきた所で、キリヤマはアマギに交代するように勧めるが、アマギは最後まで任務を遂行することを断言する。今回の任務がアマギを一回り成長させたのである。そして無事にスナイパーを届け終えるダンとアマギ。しかし、2人が運んでいたスナイパーはおとりのニセモノだった。本来ならば怒るところなのだろうが、自分を強くさせるために、この任務を与えてくれたことをアマギは感謝する。
 いよいよスナイパー火薬の爆破実験を開始するが、そこへ侵略者の切り札である恐竜戦車が登場。恐竜と戦車という子どもの好きな2大アイテムを合体させたアイデアには、脱帽するしかない。爆破班の2名の隊員が近くで気絶しているため、スナイパーを加えている恐竜戦車をうかつに攻撃することができない。そこで、ダンはセブンに変身して恐竜戦車の攻撃を食い止める。まずは2隊員の救助に成功するが、恐竜戦車の尻尾の攻撃に振りまわされる。倒れたセブンは恐竜戦車に腕を轢かれてしまう。満身創痍のセブンだったが、恐竜戦車が落としたスナイパーに光線をあて爆破させると、木っ端微塵に恐竜戦車は吹っ飛んでしまう。確かにこの威力ならば、侵略者も必死になって奪おうとしたわけである。
第29話 ひとりぼっちの地球人
宇宙スパイ プロテ星人登場
市川森一脚本 満田かずほ監督
 
 ただの私立大学にすぎない京南大学が、日本で初の科学衛星打ち上げに成功する。フィアンセが京南大学にいるソガ隊員は、得意げに自慢するが、その科学衛生の技術は、あきらかに地球のレベルを超えるものだった。衛星開発に携わった仁羽教授はプロテ星人のスパイだったのだ。ちなみに、この仁羽教授を演じた山本一さんは、新マンではナックル星人を演じている。知的な侵略者を演じさせたら右に出る者はいないだろう。そして、教授の助手である一の宮を助け出そうと、ソガは婚約者の冴子を使って一の宮を誘い出すが、一の宮は教授が宇宙人と承知の上で助手を務めていた。
 宇宙人だからといって、侵略者と決め付けるのは間違いだと主張する一の宮。彼の電送装置の理論を認めてくれたのは教授だけだったのである。ソガ隊員は教授に正体を表すように詰め寄るが、逆に攻撃を受けて捕まってしまう。気付いた時には、宇宙空間の人工衛星の中だった。大学の研究室と人工衛星の間の移動のために、一の宮が開発した電送装置は使われていた。人工衛星には地球の防衛軍基地のデータが収録されていた。これをプロテ星からの宇宙船に回収させれば、任務は完了である。
 ここで、教授は一の宮に自分の真の目的を語る。教授が地球の侵略を狙っていることを知った一の宮は、思いとどまるように説得する。しかし、そんな一の宮をプロテ星人は容赦無く切り捨てる。そこへダンが駆けつけ、巨大化したプロテ星人とダンの戦いが始まる。プロテ星人は分身の術や幻覚などを駆使してセブンを翻弄する。戦いを続けるセブンだが、いつのまにかプロテ星人は、ただの抜け殻となっていた。プロテ星人は教授の姿に戻り、電送装置で人工衛星に向かおうとするが、電送の瞬間に一の宮が飛びこんでくる。この電送装置は二人一緒の電送は不可能だったのだ。その瞬間、姿を消す幻のプロテ星人。セブンは急いで宇宙に飛んで、人工衛星を回収する。一の宮とプロテ星人の生死は不明。電送状態のまま宇宙空間をさ迷っているのかもしれない。ちなみにソガ隊員を演じた阿知波信介が結婚したのは冴子さんでは無く、女優の多岐川裕美さんである(離婚してしまったが…)。
第30話 栄光は誰れのために
プラスチック怪人 プラチク星人登場
藤川桂介脚本 鈴木俊継監督
 
 ウルトラ警備隊の新たなるメンバーになる可能性を持っていた男がいる。地球防衛軍の青木隊員は警備隊昇格に向けて強い野心を持っていた。その野心の高さは、仮想訓練でキリヤマとダンの乗った飛行機を撃ち落しそうになるほどの危うさを持っていた。この青木隊員を演じるのはライダーマン結城丈二こと山口暁。山口暁が結城丈二を演じる数年前の作品だが、ここで結城丈二とモロボシ・ダンの貴重な2ショットを拝むことができる。
 そんな折、地球防衛軍は野戦訓練を行うことになる。訓練の内容はマグマライザーから電波を発信することで無人の戦車を動かして、その戦車を撃退するというもの。しかし、同時にプラチク星人も地球侵略を狙っていた。訓練場所の視察に赴いた青木はプラチク星人の円盤を発見するが、訓練の場で宇宙人を撃退して功績を上げるチャンスとばかりに、それを見逃したばかりか、星人が侵略しやすいようにマグマライザーに発信機をセットする。青木の望み通りにプラチク星人は、マグマライザーを占領して防衛軍の戦車を操って攻撃を仕掛ける。この攻撃により多くの防衛軍の隊員が命を落とすこととなった。その尊い犠牲の上に、ウルトラ警備隊隊員という栄光をつかもうとした青木。しかし。プラチク星人の猛攻は予想以上で、戦車からの攻撃をくらって倒れてしまう。
 マグマライザーの中から登場したプラチク星人は、相手をプラスチック化させる液を吐き出す。ウルトラセブンにおいて、敵の能力が名前にストレートにつながるパターンは実に珍しい。セブンもこの攻撃にプラスチック化されてしまうが、力を込めると元に戻ることが出来た。どうやらウルトラマンAのヒッポリト星人のタール攻撃ほど強力なものでは無かったらしい。そしてセブンとプラチク星人の戦いが始まるが、組んで相手を投げ飛ばすという柔道のような戦いは、まるで後のウルトラファイトを連想させる。そして何故か、終いにはセブンもプラチク星人も立ち上がることもできない程、疲労しきってしまう。気力を振り絞って放ったエメリウム光線で、プラチク星人の体は見事なまでに燃え上がり、骨だけとなってしまう。
 傷ついた青木にダンが駆け寄った時には、すでに青木は瀕死の状態だった。そこへ骨だけのプラチク星人が襲いかかるが、青木のウルトラガンで息絶える。しかし青木も、それがダンへのせめてもの償いと言って絶命する。演じた山口さんは、ライダーマン以外にも大鉄人17のチーフキッドなど特撮関係で活躍した役者さん。何年か前に、お亡くなりになっていますが、惜しい人を亡くしたと思います。
第31話 悪魔の住む花
宇宙細菌 ダリー登場
上原正三脚本 鈴木俊継監督
 
 この話は一時期、よく懐かしのテレビなどの番組で流されていたことがある。それというのも若き日の松坂慶子が宇宙細菌に侵された少女の役で出演しているから。花が好きな少女は、宇宙細菌の卵を花弁と間違えて口付けしたことから、ダリーを体内に宿してしまう。ダリーが体内で血を吸うために、少女は吸血鬼となってさ迷い歩くことになる。こうした展開は、セブンの後番組となる怪奇大作戦を彷彿とさせる。
 ダリーの能力により、催眠ガスを吐き出す少女。少女の狙いは、同じ特殊な血液型を持つアマギ隊員。アンヌやキリヤマも催眠ガスを吹き付けられダウンしてしまう。しかし、そんな状態からも隊員たちに連絡を取るキリヤマ隊長の根性は見事なものである。催眠状態のアマギ隊員と松坂慶子は、何故か夜の遊園地で二人でメリーゴーランドに乗っていた。少女をショックガンで気絶させ、アマギ隊員を救い出したものの、少女の体内からダリーを追い出すのは不可能なことと思われた。必死で少女の命を助けるように懇願するアマギ隊員。どうやら、行動をともにしたことにより恋心が芽生えたようである。
 少女を助けようとミクロ化して体内に入りこむことを決意するウルトラセブン。そして、松坂慶子の鼻の穴から体内に侵入。しかし、ダリーの発泡攻撃に思わぬ苦戦を強いられる。ときに、このダリーはおそらく円谷怪獣史上、もしかしたら全ての怪獣史上で最小になるのではないだろうか。あわやセブンの最期かというところで、医者が少女に薬を注射したところ、体内のセブンに力がみなぎり大逆転。ダリーは泡となって消滅した。目が覚めた少女は、これまでのことを全て忘れ、お見舞いの花束に顔を寄せる。この時、花の中から小さなセブンが顔をのぞかせている。少女はアマギ隊員のことも忘れていたが、吸血鬼の頃の記憶を思い出させるわけにもいかず、アマギの恋は静かに終わりをつげた。
第32話 散歩する惑星
メカニズム怪獣 リッガー登場
山田正弘・上原正三脚本 野長瀬三摩地監督
 
 事件の発端は、木星と土星の間のアステロイドベルトから、1個の小惑星が地球に向かっているとの情報だった。ウルトラホークでダン・フルハシ・アマギの3隊員は、上空の調査に出発するが、その小惑星は空に浮かぶ巨大な島であった。巨大な島に吸い寄せられて不時着したダンたちは、島の中の不審な施設の調査をすることに決める。その施設の内部には強力な電磁波を発生させる装置が置かれていた。ここから発せられる電磁波によって、地球防衛軍基地は、計器などあらゆる機能がマヒし、ウルトラホークも飛び立つことが出来なくなってしまう。しかも、島は基地に向かって着実に向かってくることが判明する。
 施設に入りこんだ、ダンたちは電磁波発生装置を発見するが、扉が閉まり閉じ込められてしまう。ダンは、この島自体が時限爆弾で、防衛軍基地上空で爆発することに気付く。このまま島にいると防衛軍から攻撃されてしまうと、あわてて脱出しようとする。防衛軍も、島が基地まで近付きすぎないうちに、超高性能ミサイル「キリー」で迎撃することを決断する。ダンとフルハシを踏み台にして扉のロック解除に挑戦したのはアマギ隊員。異星人の技術にも関わらず解除に成功したアマギ隊員の腕前は、さすがとしか良いようが無い。脱出に成功したダンたちだが、電磁波発生装置をそのままにしてきたので、ウルトラホークが動かない。仕方なくダンが一人で爆破に向かう。装置に強力な爆弾を取り付けることができたが、そこで怪獣リッガーが登場。どうやら、このリッガーは島に入りこんだものを始末するために、異星人が置いておいたらしい。
 ダンはセブンに変身しようとするが、電磁波により変身することが出来ない。そこでカプセル怪獣のアギラを立ち向かわせる。32話目にして初登場となったアギラ。この話とニセセブンの話でしか登場しないので、目にする機会が少ない貴重なカプセル怪獣であった。時間かせぎをしている間に、強力爆弾が爆発するが、あまりの勢いに爆風でダンは気絶してしまう。その間、猛攻を奮うリッガーに一人立ち向かうアギラ。このリッガーはフルハシ隊員がめっぽう強いと言っているように、特殊な技こそ無いが、尻尾や牙による攻撃がすさまじい。意識を取り戻したダンが、ようやくセブンに変身してアギラと交代するが、苦戦を強いられる。それでもアイスラッガーで首を切断。このリッガーの頭部が島の誘導装置であることに気付いたセブンは、リッガーの首を持って飛び立つ。島は防衛軍基地から離れた所で爆発し、侵略者の野望はついえた。しかし、何者がこの空飛ぶ島を送りこんだのかは、最後まで謎のままである。
第33話 侵略する死者たち
蘇生怪人 シャドーマン登場
上原正三脚本 円谷一監督
 
 地球防衛軍基地には、世界各地の基地の場所を記したマイクロフィルムが保管されていた。そのマイクロフィルムを奪うための手段として、侵略者は死者を使ってきた。病院からホルマリン漬けになっていた死体が何体か盗まれた。その死体はゾンビのように歩き回り、ウルトラ警備隊の車にわざとはねられるなどの行動を取る。そして死体は防衛軍基地内に収容されたが、警備隊のメンバーは、その目的が分からず頭を悩ます。しかし、そこからが恐るべき侵略の始まりだった。死体はそのままだったが、魂が透明人間のように動き始める。影だけが見えるシャドーマンとなったのだ。このシャドーマンは宇宙人によって操られ、人の目に見ることは出来ないが、警報には引っかかり、自動扉は反応して開く。分かる人にしか分からない例えだが、ジョジョに出てきたリンプ・ビズキッドのスタンド能力に近いものと思われる。
 このシャドーマンによってマイクロフィルムは奪い去られる。ダンはセブンに変身して撃退しようとするが、シャドーマンの出すガスで小さくされ、ガラスのコップに閉じ込められてしまう。コップに閉じ込められるセブンには驚かされるが、脱出するための手段として、セブンはエメリウム光線で基地に火を付けるという暴挙に打って出る。あわてて消火に駆け付けた隊員たちが、コップを蹴飛ばしたので、セブンは無事に脱出することができた。しかし、そのドサクサに紛れてシャドーマンたちは、基地の無線設備を使って、マイクロフィルムの情報を発信してしまう。
 動き回る死者たちに翻弄されるウルトラ警備隊。発信した先を探知することに成功したものの、敵の本体は宇宙にいることに気付き、警備隊はダンを宇宙に向かわせる。しかし、宇宙船によってロケットは撃破され、ダンは再びセブンに変身して立ち向かう。しかし、宇宙船からの攻撃でセブンは捕獲されてしまう。その進んだ科学力に大ピンチとなるが、到着したウルトラホークが大活躍。小型宇宙船を次々と撃ち落し、セブンの救出も成功。助け出されたセブンはワイドショットで大型母船を撃ち落す。かくして死者の攻撃はおさまったが、怪獣も宇宙人も登場しない話は、やはり地味な印象がぬぐえない。シリーズ後半は、制作費が赤字となった関係から、しばしばこうした苦しい展開が見受けられることになるのである。
第34話 蒸発都市
発泡怪獣 ダンカン登場
金城哲夫脚本 円谷一監督
 
 ダンとソガは深夜パトロールの最中に、怪しげな道路工事人たちを目撃する。彼らに尋問しようとすると不審なワゴン車から攻撃を受ける。そのワゴン車を追ったダンとソガは、突如として姿を消してしまう。行方をくらましたダンとソガを捜索する警備隊隊員たちだが、今度はビル街が不思議な泡とともに消滅するという事件が発生する。
 一体何者が、人間やビル街を消滅させたのか。その答えは霊媒のユタ花村から語られることになる。異星人は霊媒の口を借りて目的を伝えてきた。彼は一時的な宇宙乱流を避けるために地球に避難してきたのだという。そのために自分たちの仮の居住区とするためにビル街を移動させたという。ダンとソガをさらったのは、交渉に人質として使うためだった。何故、異星人が霊媒師を利用できたのかは謎だが、この宇宙人は人間の体を媒介にして、言葉を語ったり、目で見たりすることができるらしい。ちなみに、霊媒のユタ花村を演じた真理アンヌさんは、他の円谷作品では、緊急指令10-4-10-10のダーリングウツボの話にも登場している。
 消えたビル街は、突如として何も無い平原に現れる。フルハシとアンヌは、ビル街に潜入するが、ビル街と一緒に消失した人間たちが、消えた瞬間そのままに硬直していた。そうしたフルハシたちの行動は、固まった人間の目をモニター代わりにした異星人によって監視されていた。フルハシたちの潜入に気付いた異星人は、約束を破ったと攻撃を開始する。こうして戦いは始まってしまったが、これにより異星人の目的が、本当に避難のためだったのか、それとも侵略行為だったのかは結局わからなくなってしまった。異星人は洗脳したダンをセブンに変身させて暴れさせる。アイスラッガーが人間めがけて飛んでくる状況は、かなり怖いものがある。ここで、異星人は致命的なミスを犯す。あれほどウルトラ警備隊の隊員の動きを監視していたのに、いつのまにかフルハシに背後に立たれ、撃たれて死んでしまうのである。さらに、異星人はこの撃たれて死んだ一人だけだったらしい。
 これによりセブンの洗脳が解ける。異星人が死んだことで怪獣ダンカンが登場。セブンが投げ飛ばすとボール状になって攻撃を回避するダンカン。強敵かと思われたが、エメリウム光線一発でダウンする。どうやら光線技に弱かったらしい。おそらくダンカンは、攻撃用ではなく、泡を使って人やビルを移動させるための怪獣だったと思われる。こうして平和は戻ったが、ダンカンが死んだ今となっては、ビル街は二度と元の場所に戻らないのである。
第35話 月世界の戦慄
復讐怪人ザンパ星人、月怪獣ペテロ登場
市川森一脚本 鈴木俊継監督
 
 ザンパ星人のねらいは、地球侵略では無い。あくまでも狙うのはキリヤマ隊長と宇宙ステーションV3のクラタ隊長の2人のみ。かつて、この2人に宇宙艦隊を壊滅されたザンパ星人の、最後の生き残りが復讐の機会をねらっていた。たった一人のザンパ星人には、地球に侵入する力は残されていない。チャンスはキリヤマとクラタの二人が宇宙に出てきた時のみ。そこで、おびき出すためのエサとして、月基地を怪獣ペテロを使って破壊する。
 復讐を完璧に遂行するために、ザンパ星人は、クラタの部下のシラハマに化けていた。そこで、遠くの物体を動かすことが可能な遠隔指示器を開発し、それをクラタに自慢したりもしていた。ダンとキリヤマはウルトラホークで月に向かうが、酸素は漏れ、コントロールは狂い出す。キリヤマは点検が甘いとダンを責めるが、それは遠隔指示器を使ったシラハマの仕業だった。ウルトラホークのトラブルにより、先にクラタとシラハマが月に到着するが、二人きりになるとザンパ星人はクラタに襲いかかった。しかし、そこへダンとキリヤマが到着。ザンパ星人はクラタを脅し、何事も無かったかのように振舞わせ、密かに襲撃の機会をねらうが、クラタがレーザーガンを奪われていることに気付いたキリヤマたちによって、返り討ちにあい尽き果てる。
 ザンパ星人が倒れると怪獣ペテロが登場。ペテロのデザインはセブンの怪獣の中でも最もシュール。お団子を積み重ねたような形で、顔も手も足も無い。子どもの時に読んだ怪獣図鑑にはゾウのウンコのような形と記されていた。ダンはセブンに変身して戦うが、月に夜が訪れる。月の夜は零下180度の地獄の世界。寒さに弱いセブンは、ペテロの攻撃に苦戦し、ついには力尽きて倒れてしまう。そこに月に向かって隕石が落下してくる。危機を察知したクラタは、いち早く脱出に成功する。しかし、この隕石の爆発によりエネルギーをみなぎらせたセブンは、ワイドショットでペテロを倒すことに成功する。どうにか、キリヤマとダンは月から帰還することが出来たが、心配して戻ってきたクラタに「クラタさん、月に忘れ物ですか」というキリヤマ隊長のセリフがふるっている。
第36話 必殺の0.1秒
催眠宇宙人 ペガ星人登場
山浦弘靖脚本 野長瀬三摩地監督
 
 射撃の名手のソガ隊員には防衛軍の中に、一人のライバルがいた。参謀本部のヒロタ隊員とソガの射撃の腕前は同格だった。防衛軍の射撃大会では、二人が同点決勝に挑むことになった。そして、ヒロタは標的を見事に仕留めたが、ソガは何かにつまずいて失敗し、優勝をヒロタに譲る。ソガの邪魔をしたのはペガ星人だった。ヒロタは優勝したいがために、悪魔の契約を結んでしまったのだ。ペガ星人の目的は、人口太陽の開発の阻止だった。防衛軍が開発を進めている人口太陽が完成すると、地球侵略のルートにあたり邪魔になるのだった。開発にあたった博士たちが次々と殺害されていく。最高責任者のリヒター博士の命だけは、何としてでも守らなければならない。そこで、射撃大会で好成績を収めたソガやヒロタら4人が護衛にあたることになった。
 しかし、何者かの襲撃を受け、ソガの努力も空しく博士と護衛の隊員たちは殺害される。そこでソガは博士や護衛を殺害したのはヒロタでは無いかとの疑念を抱く。幸いにも殺されたリヒター博士は替え玉だった。本物の博士の護衛の前に、ヒロタに詰め寄るソガだが、電話から発せられる怪音波で気を失い、ペガ星人の円盤に連れ込まれてしまう。ヒロタはペガ星人の催眠術で操られていたのだ。ペガ星人にとって地球の気圧は高すぎて、円盤の外に出ることができなかった。そのため侵略行為は催眠状態にした地球人を使って行っていた。本物のリヒター博士の護衛にあたる警備隊隊員たちだが、ソガも催眠状態に落ちてしまっていた。リヒター博士はヒロタによってさらわれ、それを追おうとしたダンたちは、ソガによって妨害される。ダンはソガを気絶させて博士を追うが、ヒロタの投げた爆弾によって気を失ってしまう。しかし、その代わりにソガが正気を取り戻し、ヒロタに追い付く。ヒロタは博士を助けたければ射撃で決着を付けようと言い出す。互いに拳銃を抜くが、わずかにソガの方が早く、ヒロタは地に倒れ付す。ヒロタがさっさと博士を殺してしまえば目的を果たせたものの、回りくどいことをしたのは、催眠にかかった振りをして、ソガとの決着を着けたかったのではないのだろうか。
 操っていた人間が倒れたことで、ペガ星人は円盤から攻撃を仕掛けてくる。意識を取り戻したダンはセブンに変身し、円盤を攻撃する。しかし、思った以上に円盤の守りは強固で、撃ち落すことができない。そこでセブンは等身大サイズになって円盤の中に乗りこむ。ペガ星人に宇宙に帰るように説得するが、ペガ星人は聞く耳を持っちゃいなかった。地球を侵略して太陽系侵略の拠点にすると言っていたが、住めない地球がそんなに欲しかったのかペガ星人は。エメリウム光線の前にペガ星人が倒れると、あっけなく円盤は撃墜される。ペガ星人の侵略の魔の手は去ったが、ヒロタは二度と目を開かなかった。ソガにとって、もっともつらい戦いであった。
第37話 盗まれたウルトラ・アイ
マゼラン星人 マヤ登場
市川森一脚本 鈴木俊継監督
 
 タイトルからも分かるとおりに、ウルトラアイが盗まれるという大変な事態が発生する。とはいっても、これまで盗まれたり落としたりと受難続きのウルトラアイであるわけなのだが…。不審な飛行物体が着陸したとの情報に駆けつけるウルトラ警備隊。しかし、着陸地点を明確に出来ないソガにアマギが怒りを爆発させる。まだ分からないのかと責めるアマギに、それなら勝手にしろと突き放すソガ。この場合、どう見てもアマギに非があるように思えるのだが。とにかく、そのとばっちりを食ったのがダンである。着陸地点の判明が遅れたことから、ダンプを運転する少女が山を下ってしまう。それを単独で追いかけたダンは、宇宙船に襲われて事故を起こしてしまう。気を失っているダンから少女はウルトラアイを奪い去る。
 その少女マヤに与えられた任務こそ、ダンからウルトラアイを奪い去ることだった。マヤがプラネタリウムから任務完了の報告を、マゼラン星に発信すると恒星間弾道弾が発射される。セブンの動きさえ封じてしまえば、ミサイルの撃墜は不可能なのであった。任務を終了したマヤに残されたのは、自分の星に帰ることだけだった。ムカエハマダカの信号を発信し続けるマヤ。それを受信したウルトラ警備隊は、発信元の渋谷のスナック喫茶ノアに向かう。そこでは若者達がけだるそうにゴーゴーを踊っていた。その踊る若者の中にマヤの姿があった。テレパシーでマヤに言葉を送るダン。君達の目的は地球侵略かとたずねるダンに、この星には侵略する値打ちも無いと答えるマヤ。マゼラン星への電波は、ミュージックボックスから発信されていることを付きとめるが、マヤは姿を消してしまう。それにしても、このスナックで音楽を演奏しているグループサウンズらしきメンバーは一体何者なのだろうか。
 発信装置を手に入れたウルトラ警備隊は、マヤに変わってマゼラン星に信号を発信するが、送り返されてきた信号は、すでにミサイルは発射され、マヤを迎えに行く余裕は無いという非情なものだった。ミサイル迎撃に出発する警備隊。しかし、ダンは抜け出して再びノアに向かう。ノアに飛びこんだダンを待っていたのは、ニセモノのウルトラアイを付けた若者たちだった。若者はダンに襲いかかる。マヤが洗脳したとは思えないので、ウルトラ警備隊は国家の手先だとでも言って、若者を炊き付けたのだろうか。意識を取り戻したダンはマヤと対峙する。きっと迎えが来てくれると信じるマヤに、迎えがこないという厳しい現実を突き付ける。故郷の星に裏切られて絶望したマヤは、すんなりとダンにウルトラアイを返す。弾道弾をどうにかするために、セブンは宇宙に飛ぶ。ウルトラホークでも破壊できなかった弾道弾は、セブンでも破壊は不可能だった。そこでセブンは中に乗りこみ、軌道を変えることで、危機を回避する。地球に戻ったダンは、マヤに会いに行くが、すでに自らの命を絶った後だった。どうして地球で暮らそうと考えなかったのかと悲しみにくれながら、ダンは夜の渋谷を後にするのだった。しかし、地球の危機に、勝手に任務を離れたダンが、どのような処分を受けたかは、窺い知ることはできない。
第38話 勇気ある戦い
ロボット怪獣 クレージーゴン登場
佐々木守脚本 飯島敏宏監督
 
 とにかくクレージーゴンのデザインがカッコ良いのである。このパンダ星人が地球の車を集めるために作ったロボットは、右手はシオマネキのような巨大なアームで、左手はレンチのようなデザイン。頭からは回転する歯車が覗き見えるし、体はでかくて足は細く、ヨタヨタ歩きながら着実に自動車をお腹のシャッターの中に仕舞い込んでいく。ウルトラマンコスモスでは、このクレージーゴンをモチーフにしたマスコットロボットのクレバーゴンが登場するほど、一部に根強い人気を持っている。
 最初、クレージーゴンは箱根に登場して濃い霧に紛れて自動車を集めて行く。一方、ダンはアンヌの友人の弟のおさむ君のお見舞いに出かけていた。おさむ君は心臓欠損症で手術を受ける必要があった。しかし、おさむ君は怖がって手術を拒もうとする。そこで、ダンは「ウルトラ警備隊はすばらしい科学の力で戦っている。だから君も科学の力を信じろ」と説得し、手術に立ち会うことを約束する。しかし再び現れたクレージーゴンは、おさむ君の手術をするために来日した医師とアンヌの乗った車を襲う。セブンに変身して苦戦しながらもアンヌたちを助けたが、クレージーゴンは円盤まで退却する。
 クレージーゴンの攻撃で病院に向かうことができないことに苦悩するダンだが、ニセの交通情報を流して、爆弾を積めこんだ車を回収させる策を思い付く。この作戦は、見事なまでに成功して、爆弾入りの車を回収してしまったパンダ星人の円盤は大爆発する。これで、ハッピーエンドかと思われたが、頑丈なクレージーゴンだけは破壊されず、操るものがいなくなり暴走を始める。クレージーゴンを食い止めようとしたダンは、落ちてきた瓦礫で負傷を負ってしまう。そして病院に運び込まれるが、その病院でおさむ君の手術は始まっていた。自分の手当もしないで、おさむ君の手術を見守るダン。そこへクレージーゴンが近付いてきた。
 再びセブンに変身して戦いを挑むが、エメリウム光線もアイスラッガーも通じない。捨て身の攻撃としてフルハシの放つガンの中に潜り込み、人間大砲のように撃ち出されることで、クレージーゴンの破壊に成功する。そして、おさむ君の手術も無事に成功する。科学で勝利をおさめたおさむ君とウルトラ警備隊、そしてゆがんだ科学で滅び去ったパンダ星人とクレージーゴンが、見事な対比になっている。
第39話 セブン暗殺計画 前編
豪力怪獣アロン、分身宇宙人ガッツ星人登場
藤川桂介脚本 飯島敏宏監督
 
 子どもの時は、この話をまともに見たことが無かったので、てっきりアロンがウルトラマンのゼットンのようにセブンを倒したものだと思いこんでいました。しかし、アロンはガッツ星人がセブンの能力を測るために送りこんだ、捨て駒の怪獣に過ぎなかった。セブンの透視能力やエメリウム光線やアイスラッガーの威力、そしてエネルギーが切れるまでの時間を測定されてしまったのである。こうやって相手の能力を見切ってから戦いに挑むガッツ星人の巧妙さは、他の侵略者の追随を許さない。ダンを倒せば簡単なところを、セブンを倒して地球人に絶望感を与えなければ意味が無いという結論をだすなんざ、ちょっと思い付くものではない。さすがは、これまで負けたことが無いと豪語するだけのことはある。
 ちなみにこの話では、フルハシ隊員のガールフレンドの存在が明らかになる。妹の友達だそうだが、アフリカのラリーに参加して、原住民が持っている石をプレゼントで送ってくるあたり、フルハシ隊員を気に入るだけに相当変わった女性だと思われる。
 そしてガッツ星人はセブンをおびき出すために、執拗にニセの警報を発してウルトラ警備隊を呼び寄せる。しかし、ダンも不穏な空気を察して、セブンに変身するのを躊躇する。そこでガッツ星人に対してカプセル怪獣のウィンダムを出撃させる。しかし、相変わらず役立たずのウィンダムはガッツ星人に翻弄されるばかりである。終いにはガッツ星人の円盤が出てきたので、危ないと思ったダンはウィンダムを回収しようとする。だが、わずかに及ばず致命的な一撃をくらって、ウィンダムは大破炎上してしまう。こうやってカプセル怪獣の死を描くことで、ガッツ星人の強敵振りを浮かび上がらせている。
 ガッツ星人はセブンをおびき出すために、ソガ隊員を捕獲して、セブンに変身せざるを得ない情況を作り上げる。意を決してセブンに変身したダンだが、分身を繰り返すガッツ星人には、光線技もアイスラッガーも効果が無く、ついにはエネルギー切れとなり、十字架に磔にされてしまう。ガッツ星人は夜明けとともにセブンを処刑すると通告。そこで出撃した地球防衛軍の戦車部隊の勇姿は壮観ではあるが、がガッツ星人の円盤が出す強力なバリアの前に全く歯が立たない。そんな時に、宇宙ステーションを通じて怪しげな発信音が入ってくる。また新たな侵略者の出現かというところで緊迫の後編に続くのである。
 しかし、セブンのことばかりでなく、ダンのことをもっと心配してというアンヌを見ていると、だからダンがセブンなんだよと思わず突っ込みを入れてしまう。
第40話 セブン暗殺計画 後編
分身宇宙人 ガッツ星人登場
藤川桂介脚本 飯島敏宏監督
 
 不思議な発信音を出していたのは捕らわれの身のセブンだった。セブンは自分にエネルギーを与えてくれるマグネリウム・エネルギーの作り方を教えていたのである。途中でガッツ星人に妨害されたものの、ダイモード鉱石が必要なことだけは分かった。しかしダイモード鉱石はアフリカの原住民にしか伝わっておらず、日本では誰が持っているかも分からない珍しいものだった。って、フルハシ隊員がガールフレンドからもらった石がそのダイモード鉱石だってば。思わぬ偶然でダイモード鉱石を入手できたが、マグネリウム・エネルギーを作り出すには量が足りなかった。
 そこでフルハシ隊員が、ガールフレンドの夏さんが鉱石の残り半分を持っていると言い出したのである。思わぬ展開だが、セブンの発信を傍受していたガッツ星人は夏さんを襲って、鉱石を奪い去ってしまう。しかし、宝石だけを奪って無事に夏さんを帰すあたりは、策士だけあって妙に紳士的なところがあるガッツ星人だった。石を奪われたことで、セブン救出は絶望かと思われたが、奪ったのはイミテーションのガラス玉で、本物は家にしまってあった。こうしてガラス玉を掴まされたことで、完璧だったガッツ星人の計画は狂い始める。
 手に入れたダイモード鉱石でマグネリウム・エネルギーを作り出すことに成功するが、磔にされていたセブンは空中に映し出した映像にすぎなかった。本物のセブンの居場所を見つけ出さなければセブンは救えない。すっかり行き詰まってしまった時に、再び夏さんがガッツ星人に襲われる。ニセモノの石を掴まされたことに怒っての報復だったが、ここまで来ると、かなりガッツ星人の歯車は狂ってきている。夏さんはフルハシに助け出されるが、その時にセブンも発見。こうやって苦労の果てにセブンにマグネリウム・エネルギーを注入して復活させることができた。
 復活したセブンは光線の連弾で円盤を次々と撃ち落して行く。残るは母船1機となったが、この時のガッツ星人の慌てっぷりたるや、最強の侵略者の見る影全く無しである。そしてセブンはアイスラッガーを空中で固定させ、ノック打法で母船を破壊。こうして一人のおてんば娘の前に、ガッツ星人の完璧なる作戦は敗れ去ったのである。
第41話 水中からの挑戦
水棲怪人テペト星人、カッパ怪獣テペト登場
若槻文三脚本 満田かずほ監督
 
 セブンの中では少し異色作と言えるこの作品。どちらかというと新マン以降の第2次怪獣ブームの作品に近いような気がする。しかし、物語りの冒頭でいきなり大村千吉氏の登場は少し卑怯である。伊集湖の河童の第一発見者が彼なのであるが、どちらかと言うと大村氏の方が河童に見えなくも無い。そして河童の噂を嗅ぎ付けてやってきたのが日本河童クラブの4人。SF作家、漫画家、カメラマン、料理屋「河童」の主人の4人は、河童が大好きでわざわざ見に来たと言う妖怪馬鹿である。このあたりで、河童の日本各地の呼び名や右腕と左腕がつながっているという習性が語られているが、随分と細かい所にこだわったものである。もしかしたら脚本家の若槻氏が妖怪好きなのであろうか。ここで第一発見者の大村千吉と河童クラブのメンバーのご対面となるわけだが、料理屋のおやじが、やはり怪優の梅津栄なので、思わぬ2大俳優の顔合わせが見られる。
 河童クラブのメンバーは湖から現れた怪しい人影を捕獲するが、それこそ湖の調査に訪れていたフルハシとダンだった。この湖には何かがいるということはウルトラ警備隊もつかんでいたのである。その侵略者こそ河童に良く似たテペト星人だったのだが、湖に潜んでいたというだけで、ほとんど侵略作戦なんて持っていない。おそらく狙いは巨大怪獣テペトを湖で育成させることにあり、そのために近所の農家からニワトリを盗んだりしたのであろう。
 湖に潜って調査していたダンは、水中に引きずり込まれて足かせをつけられてしまう。そこでようやく卵から孵ったテペトが登場。単に巨大な河童という感じがしなくもないが、これでもテペト星人の切り札である。息が出来ないダンはどうなることかと思われたが、当然セブンに変身すれば、難無く窮地から脱出。そしてテペトとの戦いになるわけだが、このテペトときたら、命乞いをするふりをして、セブンの足を救い上げるなど、かなりの卑怯者である。あげくのはてには水に潜りこんでしまうが、セブンは水中にアイスラッガーを発射。再びアイスラッガーが戻ってきた時には、水中から縦に真っ二つになったテペトが浮かび上がってきた。さてテペト星人ですが、ウルトラ警備隊にあっけなく撃ち落されて敗退です。
 どこかのんきな感じのする作品ですが、梅津栄はテペト星人に殺されているので、妖怪馬鹿もほどほどにしないと、それこそ命取りになりかねない。
第42話 ノンマルトの使者
地球原人ノンマルト、蛸怪獣ガイロス登場
金城哲夫脚本 満田かずほ監督
 
 ウルトラセブン史上最大の問題作にして、平成セブンシリーズにまで尾を引くことになった作品。休日で海に遊びに来ていたダンとアンヌの前に一人の少年が現れる。少年は海底の開発を止めるように警告する。その目の前で海底開発基地シーホークが大爆発を起こす(この基地の隊員をイデ隊員でお馴染みの二瓶正也が演じている)。そして少年は、ウルトラ警備隊にも海底はノンマルトのものだから手を出さないようにとの警告をしてくる。ダンにはノンマルトという言葉に聞き覚えが合った。M78星雲の光の国では、地球人のことをノンマルトと呼んでいた。何故、少年は海底の住民をノンマルトと呼ぶのか…。
 さらに船舶が蛸怪獣のガイロスに襲われる。このガイロスのデザインは、かなり奇妙なものだが、実は子どもからの応募作品を、そのままデザインに起こしたものだからである。再びアンヌの前に現れた少年は、地球に元々住んでいたノンマルトが、地球人の侵略を受けて海底に逃げ込んだのだと説明する。これまでウルトラセブンは地球人のために多くの侵略者を退けてきたのだが、その地球人自身が侵略者だったと明かされる。地球人は侵略者の子孫…。視聴者にとっても信じていたことが覆された瞬間であった。
 ノンマルトは地球人から奪い取った原子力潜水艦グローリア号で攻撃を開始する。最大の兵器が地球人から奪い取ったものだというところにも、ノンマルトの悲哀が見られる。セブンに変身しようとするダンの前に少年は現れる。ノンマルトは地球人より強くない、ノンマルトを倒してはいけないと制止する少年を振り切ってダンはセブンに変身する。とはいうもののガイロスは、さほど強くなくアイスラッガーで手足を次々と切り落とされて行く。そしてグローリア号もウルトラ警備隊のハイドランジャーで撃沈される。しかも、それに留まらず、見付けたノンマルトの海底基地を完膚なきまでに叩きのめす。「海底も我々のものだ」と叫ぶキリヤマ隊長の声が胸に痛い。
 戦いに勝利しても、自分たちは正しかったのかとの疑問がダンとアンヌに付きまとう。そんな二人は、岸壁に花を捧げる女性に出会う。彼女の息子は2年前に海で死んでいた。その死んだ真一こそ、例の少年だった。海が好きだった少年の魂を借りて、ノンマルトのことを伝えにきただろうか。見終わった後に、少年が吹いていたオカリナの音が耳に残る。
第43話 第四惑星の悪夢
第四惑星ロボット登場
川崎高・上原正三脚本 実相寺昭雄監督
 
 成功すれば銀河系のどの星への飛行も可能となる宇宙船スコーピオン号。そのテストパイロットに選ばれたのはダンとソガの両隊員。しかし、ソガは星占いで悪い結果が出ていると仕切りに気にしている。ソガ隊員と星占いというのも奇妙な組み合わせである。飛行中は20日間の長い睡眠状態に入る。そして、ダンとソガが再び目覚めた場所は第四惑星であった。
 一見して日本としか思えない第四惑星に、二人は地球に戻ってきたとしか考えていなかった。しかし、突然現れた軍人に連行されてしまう。ときに、この隊長はガムか何かを噛んでいるらしくチャクチャという音が、ほぼ全編を通じて流れ続けることになる。引っ立てられたダンとソガが引き合わされたのはロボット長官。この星はロボットたちに支配されていたのだ。ロボット長官を演じている成瀬昌彦氏は、プロテ星人に続き2度目の登場である。ロボット長官はコーヒーの味がまずいと文句を付けるなど、わがままではあるが、かなり精工なロボットだと思われる。この星では人間は道具のように扱われていた。ドラマのエキストラで、撃たれる場面では、リアリズムの追求のために本当に殺されるという、ひどい使われようである。
 長官の秘書を務める人間のアリーの手引きで脱走に成功するダンとソガ。今度は地球侵略を企むロボットたちを、何とかして阻止しなければならない。しかし、捕まったアリーを助けようとしてソガは負傷してしまう。そこでダンはセブンに変身して大暴れ。ロボットの街の建物を破壊しまくり、基地やロケットをエメリウム光線を散弾のように発射して、一気に壊滅させていく。そしてダンとソガは地球に帰ってきたが、スコーピオン号の帰還で地球防衛軍の機械化の展開が決定する。地球が第四惑星の二の舞を踏まないという保障はどこにも無い。
第44話 恐怖の超猿人
宇宙猿人 ゴーロン星人登場
上原正三・市川森一脚本 鈴木俊継監督
 
 ニワトリを盗もうとしている男を見つけて、警官が詰め寄ると、男はたちまち猿男となって、警官を殺害してしまった。この事件がきっかけとなって、ウルトラ警備隊が乗り出すことになる。目撃者の証言からモンキーランドに調査に行ったダンとアンヌだが、モンキーランドの博士と助手は、すでにゴーロン星人に操られていた。しかも、ゴーロン星人は、ゴールデンライオンタマリンという猿に姿を変えていた。
 ゴーロン星人の目的は、猿と人間の脳波を交換して、猿人間を生み出し、地球を侵略することだった。警官を殺害した猿人間も、モンキーランドで働く青年ゴリーだった。着実に地球侵略を進めるゴーロン星人だが、計画の破綻は始まっていた。肝心の猿人間が勝手なことをしでかすのである。最初のニワトリ泥棒がモンキーランドをかぎ付けられる原因ならば、せっかく捕まえたアンヌを、ゴリーは気に入ったらしく博士と助手を倒して、逃がしてしまうのである。この時のアンヌは、ムチで打たれ、手術台に縛られ、猿の脳波と交換させられそうになるなど、かなり危ない。
 アンヌを逃がして、ダンは一人残ってゴーロン星人との戦いに挑む。もっともゴーロン星人はただの巨大猿にしか見えない。そしてポインターが故障しているとはいえ、何故か日本ラインの川下りで逃げるアンヌ。しかし、船頭の一人がゴリーだった。って、気付けよ他の船頭。そして何故かゴリーも船が岸に着くまで襲いもしない。アンヌを追いかけるゴリーに警備隊のウルトラガンが命中してあえなく絶命。一方、セブンとゴーロン星人は激しい戦いを繰り広げていた。ゴーロン星人は、ついにセブンを気絶させるが、止めをささず、足を持ってずるずると引きずっている。一体何がしたかったのだろうか。結局、目を覚ましたセブンにエメリウム光線をあてられてしまう。セブンがガッツ星人を倒す時に使った光線の乱れ打ちをすると、たまらず巨大猿は大暴れ。最後にエメリウム光線で、ゴーロン星人は吹っ飛び、真っ黒焦げの猿の生首だけが残った。えげつないゴーロン星人の最期でった。
第45話 円盤が来た
サイケ宇宙人 ペロリンガ星人登場
川崎高・上原正三脚本 実相寺昭雄監督

 アマチュア天文家のフクシン君は、星を観測するのが唯一の趣味。いつかは新しい星を見つけて自分の名前を付けることを夢見ているが、夜更かしをするため職場ではヘマばかりしている。どうにもフクシン君には、他人とは思えない何かがある。フクシン君は、近所に住むオヤジからは、役立たず扱いされている。この渡辺文雄が演じるオヤジが実にイヤなやつなのである。ちなみにオヤジの友人の蕎麦屋をミッキー安川が演じている。その日も仕事で失敗して草むらでふてくされていると、子どもから今夜は何か発見できるかもと言われる。
 その夜、フクシン君が見付けたのは星ではなく円盤の大群だった。慌ててウルトラ警備隊に通報するが、天文観測所の報告では怪しい点は見つけられなかった。フクシン君以外にも、何人かのアマチュア天文家が通報したが、何かの身間違えだろうと処理されてしまう。しかし、次の夜にもフクシン君は円盤の大群を見付ける。慌ててウルトラ警備隊に通報して、写真にも収めたが、やはり円盤は見つけられず写真にも写っていなかった。
 自分の通報が認められず、ふてくされるフクシン君の前に、またもや子どもが現れる。実は、その子どもこそペロリンガ星人だったのだ。ペロリンガ星人は円盤を星に見せかけて地球にやって来た。アマチュア天文家の勘だけが円盤を観ることが出来たのだ。そうしてアマチュア天文家が円盤が来たという通報を続けるうちに誰も信じなくなり、その間に簡単に地球を侵略できるというのだ。試しに宇宙人と話していると通報してみろと、促すペロリンガ星人。しかし、ウルトラ警備隊に取り次いですらもらえなかった。絶望するフクシン君に、肩を組んで自分たちの星に来ないかとペロリンガ星人は誘いをかける。
 そうしている間にも、円盤の大群は地球に迫る。そこで逆転のきっかけを作ったのはアンヌだった。フクシン君の写真は露光時間が少ないのに星が写り過ぎだというのである。そこで、通報したテープを再生すると、「円盤を見えなくする、えーと何だっけ」というフクシン君の問いに、「不透視バリヤー」と答えている声が入っていた。って、自分で声出しちゃダメじゃんペロリンガ星人。そして、円盤の大群に突入するウルトラ警備隊とウルトラセブン。その後の展開は実相寺監督らしいのだが、どうも宇宙人と戦ってるらしい、そしてどうやら勝ったらしい幻想的な映像で処理されて終わってしまう。こうして侵略の魔の手からは逃れたが、フクシン君の憂鬱な毎日は続く。もしかしたらペロリンガ星に連れて行ってもらったほうが、彼にとって幸せだったのかもしれない。
第46話 ダン対セブンの決闘
侵略宇宙人サロメ星人、ニセウルトラセブン登場
上原正三・市川森一脚本 鈴木俊継監督
 
 ダンとアンヌは怪しい女を探っていた。女がプールに来たことから、ダンとアンヌもプールで女の正体を探り始める。ノンマルトの時にもアンヌは水着になったが、今回はビキニ姿を披露している。怪しい女は突然姿を消すが、そこに残された時計はハイドランジャーが襲撃された時間で止まっていた。女の正体を探るうちにダンは怪しい灯台を発見する。ダンは灯台に潜入しようとするが、入口に仕掛けられた透明バリヤで気絶させられてしまう。
 怪しい女の正体はサロメ星人だった。サロメ星人は灯台に見せかけた秘密工場でロボットのウルトラセブンを作り上げていた。しかし、彼らのウルトラセブンには、ウルトラビームが欠けていた。そこでダンを捕えてウルトラビームの秘密を聞き出そうとしたのだ。ダンは逃げ出そうにもウルトラアイを車に置いてきてしまっていた。相変わらずウルトラアイの管理がずさんなダンである。捕らわれの状態で、自白ガスによりウルトラビームの秘密を喋ってしまうダン。しかし、ダンがしゃべったアルファベットと数字だけで、ウルトラビームの秘密が分かるものなのだろうか。とにかく、こうしてサロメ星人のウルトラセブンは完成してしまった。一方、ウルトラ警備隊の隊員たちも秘密工場の存在に気付き潜入しようとする。しかし、キリヤマ隊長が透明バリヤの存在に気付き隊員を制止する。ダンが気付かなかったバリヤに気付くとは、だてに隊長はやっていない。
 ウルトラセブンを完成させたサロメ星人は、工場に自爆装置を仕掛け、ダンを監禁したまま脱出する。逃亡を試みるダンは、ライターで手錠を焼き切って脱出に成功する。ライターの火で焼き切れるサロメ星人の手錠って一体・・・。ニセモノのウルトラセブンは、ウルトラ警備隊を襲い始める。時間稼ぎにダンはカプセル怪獣のアギラを出現させ食い止めようとする。しかし、この時のウルトラセブンは、実に容赦無い。アギラを徹底的に痛めつけていく。ようやくウルトラアイを手にしたダンは、ウルトラセブンに変身。セブン対セブンの決闘である。このニセセブンは、アイスラッガーも放ち、セブンと互角に戦えるほど強い。二人のセブンは互いに海中に落下し、一人だけが生き残った。自分たちのセブンが勝利したと確信したサロメ星人だったが、高速艇ごと持ち去られ大爆発。やはりオリジナルは強しなのである。
第47話 あなたはだあれ?
集団宇宙人 フック星人登場
上原正三脚本 安藤達己監督
 
 夜遅く帰ってきて、周りのものが誰も自分のことを知らなかったら…。アメリカのトワイライトゾーンを意識したような不思議な現象で事件の幕が開く。佐藤さんが酒を飲んで、団地に帰ってきても妻と子どもは自分のことを知らないという。酔っ払いの佐藤さんを演じているのは、ウルトラマンで科特隊のムラマツキャップを演じた小林昭二氏。小林氏は円谷プロダクションによほど気に入られているのか、後に帰ってきたウルトラマンのシーゴラスの話でも船員役で登場している。
 佐藤さんは、ウルトラ警備隊に通報するが、取り合ってもらえずフック星人にさらわれてしまう。佐藤さんの通報を不審に思ったダンは、フルハシとともに調査に向かう。しかし、そこには佐藤さんが行方不明になって心配する妻の姿があった。夜になって再び団地を訪れると、1万5000人が住むマンモス団地ごと移動を始めていた。本物の団地が地下に沈み、地下から別の団地が現れたのである。これこそフック星人の恐るべき侵略計画。夜にしか活動出来ないフック星人は、団地の住人を眠らせ、その間にニセの団地に大量のフック星人を移住させていたのである。
 真相に気付いたダンとフルハシをフック星人は襲い始める。人間の姿で襲いかかるフック星人は、身軽でなかなか怖い。ダンとフルハシは地下に潜って佐藤さんの救出に成功するが、フック星人に取り囲まれてしまう。佐藤さんとフルハシが眠らされたことで、ダンはセブンに変身。フック星人との戦いになるが、3人のフック星人の連携攻撃にセブンは大苦戦。どうも夜にしか活動しないフック星人は、コウモリのように超音波を出せるらしい。セブンが全身から光を発すると、フック星人はのたうち回ってダウン。佐藤さんは、無事に家族と再会して平和な生活に戻れたのである。
第48話 史上最大の侵略 前編
幽霊怪人ゴース星人、双頭怪獣パンドン登場
金城哲夫脚本 満田かずほ監督
 
 原因不明の高熱にうなされるモロボシ・ダン。血圧と脈拍は異常に高まり熱は90度もあった。無理を押して宇宙に見回りに出たのは良いが、意識が朦朧として侵略者の宇宙船を撃ち落すことができない。宇宙船は宇宙ステーションV3のクラタ隊長によって撃ち落されたが、ダンの体は限界に達していた。そんな中、ダンの夢の中にセブン上司が登場する。ウルトラセブンは、これまでの熾烈な戦いにより、体が限界に達し、これ以上戦えば命が無いという。元の体に戻るためには、ウルトラの国に帰る必要があると言い渡される。
 そこへ再び、宇宙船が飛来したとの報告がクラタから寄せられる。しかし、意識が朦朧とするダンは、その指令を聞き逃して地球への侵入を許してしまう。慌てて出撃するウルトラ警備隊だが、ゴース星人によりアマギ隊員が敵に捕らわれてしまう。そして宇宙船からは怪獣パンドンが登場。攻撃してこないと思ったら、この宇宙船はパンドン輸送のための宇宙船だったのだ。パンドンの二つの頭から放たれる火炎はすさまじいものがあり、あたり一面は炎の海となる。火に包まれるキリヤマ、フルハシ、ソガ。彼らを救うために無理を承知でダンはウルトラセブンに変身する。
 セブンに変身したものの、エメリウム光線も出ず、体も思うように動かない。アイスラッガーもパンドンに叩き落とされ、踏みつけられてしまう。大ピンチに陥るウルトラセブンだが、アンヌがウルトラホークで、見事にフォローする。炎を消火し隊員たちを助け、パンドンの気を引いて、アイスラッガーから離すことに成功する。セブンは手にしたアイスラッガーで、パンドンの左手と右足を切断して勝利する。しかし、ダンに戻るとダウンしてしまう。アマギはさらわれ、ダンは瀕死の状態。宇宙からやってきたクラタからは失敗を責められる。最大の危機に陥ったところで後編に続くのである。
第49話 史上最大の侵略 後編
幽霊怪人ゴース星人、双頭怪獣改造パンドン登場
金城哲夫脚本 満田かずほ監督
 
 ダンは、一命を取りとめたものの、満身創痍でボロボロの状態であった。念のため精密検査の必要ありとされたが、検査をされると自分がセブンであることがバレてしまう。そこでダンは、ウルトラ警備隊から姿を消す。その頃、ゴース星人は、洗脳したアマギ隊員を使って地球防衛軍に宣戦布告を仕掛けてくる。地球人類が火星の地下に居住するという条件を飲まなければ、地中からミサイルで世界の都市を攻撃するという。
 一方、ウルトラ警備隊を逃げ出したダンは、一般人の姉弟に助けられる。この弟の部屋はウルトラ警備隊やウルトラセブンの雑誌やグッズで満載である。しかし、医者を呼ばれてしまったダンは、僕は注射が嫌いなんだと言って、少年の秘密基地に姿を隠す。そしてゴース星人は返事を出さない地球防衛軍に対して、モスクワ、ニューヨーク、パリなどの都市に攻撃をかけて壊滅させる。ちなみに、この場面では東宝の世界大戦争の場面が流用されている。早く条件を飲まなければ、次には東京を攻撃するというゴース星人。しかし、この時点で世界的には大打撃を受けているのでは無いかと思うのだが…。
 地球人類滅亡の危機が迫るが、フルハシらがゴース星人の基地を発見する。この場面はさりげなく描かれているが、地球壊滅の危機が回避されたのは、この功績が大きい。ウルトラ警備隊はマグマライザーに爆弾を積んで、ゴース星人の基地に突っ込ませる作戦を取るが、それではアマギ隊員が犠牲になってしまう。その様子をビデオシーバーで見ていたダンはアマギを助け出すために最後の変身を覚悟する。そんなダンの前にアンヌが現れる。少年がダンの居場所を教えたのだ。今度変身すれば、再び戻ってくることが出来ないダンは、アンヌに自分の正体を明かして別れを告げる。引きとめるアンヌを振り切ってセブンに変身してゴース星人の基地からアマギを救出する。仮にセブンに変身しなくても、マグマライザーによってゴース星人の基地は壊滅する運命にあったのだが、アマギ隊員一人の命を助けるために、自らを犠牲にしたセブンには感動である。
 ゴース星人の基地が壊滅すると同時に、再びパンドンが登場。切断された左腕と右足を機械に強化しての再登場である。ボロボロになりながらもパンドンと戦うウルトラセブン。そこへアンヌが駆けつけ、ウルトラ警備隊の隊員たちにセブンの正体がダンであることを伝える。ダンを助けるために立ちあがったウルトラ警備隊。ウルトラホークの攻撃でひるんだパンドンに、セブンはアイスラッガーを放つが、その渾身の一撃はパンドンに受けとめられてしまう。セブンから奪ったアイスラッガーを持って迫るパンドン。そしてパンドンはセブンにアイスラッガーを投げ付けるが、そのアイスラッガーを空中で操作して、パンドンの首を見事に切断。勝利を収めたセブンは、宇宙に向かって飛んで行く。ダンは死んで宇宙に帰るのか、それとも生きていたのかは明かされることはないが、ダンの笑顔はみんなの中に強く刻まれているのである。
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